情報検証法
基本原則
人間の性
情報を検証する前に、どんな人間にも、必ず、次のような性質があることを知るべきです。 そして、常に、自分自身がそうした状況に陥っていることを自覚すべきです。 陥ってないはずだと思っては騙されます。 どんなに聡明な人でも、必ず、陥ることです。 それが自覚できれば、何をすべきかが分かるはずです。
- 他人の見つけた情報より自分の見つけた情報を信じやすい。
 - 楽して見つけた情報より苦労して見つけた情報を信じやすい。
 - 大っぴらになってる情報より隠された情報を信じやすい。
 - 希望に添わない情報より希望に添う情報を信じやすい。
 
疑う余地の有無
多くの人がよくやる間違いは、信じたいが故に、それが正しい「証拠」を探そうとすることです。 そして、その「証拠」が見つかれば正しいと確信します。 しかし、その「証拠」は本人が証拠だと信じることが出来れば、証拠として必要な要件を兼ね備えている必要はありません。 第三者から見て極めて荒唐無稽な「証拠」であっても、信じたい本人にとっては決定的な証拠となり得ます。
こうした間違いを犯さないためにはどうすればいいのでしょうか。 情報が真実かどうかについては、次のようなあらゆる可能性を考慮して判断する必要があります。
- 真実を言っている
 
- 正しく分析している
 - 何か勘違いをしている
 
 - 嘘をついている
 
大抵の人は、真実かつ正しい分析という可能性だけを考えて、その「証拠」を探すことに躍起になります。 それが間違いの元で、人間のやることなのだから、嘘や勘違いがないと最初から決めつけることは出来ません。
しかし、疑う余地がないかどうか調べろと言うと、大抵の人は必死に疑う余地がないことを証明しようとします。 細かい所を隅々まで見てはいるけど、それぞれに箇所について「間違いなどあるはずがない」と色眼鏡で見てしまっては、正しい「証拠」を探すのと何ら変わりません。 きちんと検証するためには、逆の色眼鏡を掛けて話のアラを探す必要があるのです。
話のアラを探すには、本気で詐欺師になったつもりで人を騙すにはどうすればいいかを考える必要があります。 その話を題材にした詐欺師になりきり、「騙すことに失敗すれば死ぬ」というくらいの覚悟で、どんな手口で騙すかを真剣に考えなければ、本当に怪しい所は見えてきません。
騙す側の立場に立ってみれば騙そうとする話は簡単に見抜けます。
情報源との接触
それでも、信じたい気持ちに負けてしまう人もいるでしょう。 このような時に情報元に問い質す人がいますが、それは賢明な判断とは言えません。 それではミイラ取りがミイラになります。 この場合もあらゆる可能性を考慮すべきです。 もし、真実を言っているなら、説明を聞いて納得できるでしょう。 もし、嘘をついているなら、巧みな話術で丸め込まれるかも知れません。 どちらでも同じ結果になるのでは、何も検証したことになりません。 もし、丸め込まれなかったとしても、詐欺師と対立すれば身に危険が及ぶ可能性もあります。 嘘である可能性が濃厚であるから、問い質したくなるのであって、そのような状況では危険性についても考慮すべきです。 それでも、どうしても情報元に問い質したいなら、次のような点に注意すべきでしょう。
- 決して、相手の居る場所には乗り込まないこと。
 - 決して、自分の身元や連絡先を明らかにしないこと。
 - 身元や連絡先が明らかになる連絡手段を使わないこと。
 - 質問以外、自分の意思は一切伝えないこと。
 - 情報は自分だけで判断せず、中立的な第三者の意見をきくこと。
 
第三者の判断
冷静な判断のできる第三者のアドバイスは参考になります。 ただし、アドバイスは、貴方の言うことを真に受ける人、何も言わずに全面支持してくれる人に求めても意味がありません。 利害関係者は論外です。 客観的に物事を見れる人、できれば、否定的に物事を見てくれる人にこそアドバイスを求めるべきでしょう。
情報源の信頼性
原則として、欧米の政府直属機関、日本の政府直属機関、公的医療機関等が公式に発表している情報は信用して差し支えないでしょう。 ただし、それらに現在所属している、または、過去に所属していた個人の発表する情報には信用できない物も含まれています。 また、権威を悪用した権威療法もあるので注意しましょう。 インターネット上で情報を探すなら、ドメイン名でどのような組織か分かります。 日本の国立機関は***.go.jp(例:国立がんセンターはwww.ncc.go.jp)、日本の大学は***.ac.jp、日本の地方公共団体は[都市名].jpか[都市名].lg.jp等、米国の国立機関は***.gov、米国の大学は、***.eduとなっています。
基本的に、個人の発する情報は鵜呑みにすべきではありません。 その中には正しい情報もありますが、それ以上に間違った情報が多数あります。 それらの情報が正しいかどうかは、内容で判断するしかありません。
では、身元を明らかにしている人は信用できるでしょうか。 残念ながら、それは全く信用度を表していません。 なぜなら、それが実在の人物なのか、それが本人なのか、確認できないからです。 また、その人が販売業者である場合は、金儲けのために仕方なく連絡先を明かしているに過ぎません。 危ない橋を渡ってでも金儲けに精を出す人もいます。 連絡先が分かっていることは、何ら、その人の人物を保証するものではありません。
話の全体像が見えるか
効果を示す論文があるという話をよく調べてみると、確かに論文は発表されているけど内容は全く違うということもあります。 このように、全体像を明らかにしていない話を鵜呑みにするのは危険です。
科学的根拠の有無
まず、科学的根拠があるのかどうかを確認しましょう。 詳細は健康情報を評価するフローチャート等を参考にしてください。
その他
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