第087回国会 衆議院 社会労働委員会 第16号
これは丸山ワクチンの真相の一部である。
○草川委員 いわゆる新薬の承認を求める段階におけるメーカーと薬事審議会との関係、あるいは治験というのですかいろいろなデータのつくり方、これは調べれば調べるほど複雑であり、かつまた非常にむずかしい問題があるようですね。 結局、外部の素人ではわかりかねる複雑な要因があって、薬というものは認定をされていくような気がしてなりません。 私は専門家ではございませんからその点についてなかなか明確な意見は言えませんけれども、実はきょう九州大学の医学部の学生の有志からある投書が来まして、いわゆる人体に対する治験に対して一件数百万円のお金がメーカーから医師、学者というよりも教授に渡っておる、しかじかかくかくという非常に長文の、どこかほかの方へも行っておると思うのですが、医師のモラルを高めるために云々とか、大学病院のあり方が云々とかいろいろ書いてあります。 きょうはそのことは言いませんけれども、いわゆる治験にまつわりましてメーカーと大学の教授、学会との関係には大変なものがあるようであります。
そういうことを考えていきますと、一つ具体的な例でございますけれども、最近の話題というよりも古い問題ではございますが、制がん剤の研究状況だとか申請状況の中で、有名な丸山ワクチンの承認申請が非常におくれておるという話があります。 この丸山ワクチンの申請経過あるいは審査経過は一体どういうような状況になっておるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○本橋政府委員 丸山ワクチンはがんに対する免疫療法剤と言われているものでございまして、がんのこの免疫療法につきましては橘主の要因が大きく関与することがございます。 そうして、こういったようなことから、その評価方法が非常にむずかしいわけでございまして、現在、関係学会におきましても、この免疫療法によります治療剤につきましては多くの議論があるところでございます。
丸山ワクチンにつきましては、承認申請が昭和五十一年の十一月二十七日になされておりまして、有効性等についての審査が五十二年以降薬事審議会におきまして行われたわけでございます。 五十三年九月の審議の段階におきまして、これまでに提出されました資料では十分判断が得られてないということで、現在申請者におきましてさらに追加資料の収集が行われておるところでございまして、その提出を待っているところでございます。
○草川委員 いま専門的な用語で、宿主の要因が大きく関与する等のことからきわめてむずかしい、現在学会あたりでもいろいろな意見がある、こういうようなお話しでございます。 同様な免疫療法剤として呉羽のクレスチン、いわゆるサルノコシカケという内服薬、これは一日分約四千円、非常に高価な薬価に認定されておるわけでございますが、副作用が非常に少ないというので、これもいろいろな意味での評判が非常にいいわけでございますけれども、逆に学会の方から再検討しようじゃないかという声もあるというように聞いております。 あるいは中外のピシバニール、溶連菌というのですか、これは注射でございますけれども、こういうようなものも一つの免疫療法剤として片やパスをしておるわけですね。 丸山さんの場合はどういうことか知りませんけれども、いろいろとマスコミの話題にもなっておりますから、どちらがどういうことかわかりませんが、何となくテンポが遅いとか、認可されるのはなかなかむずかしかろうなんという話が、巷間非常に飛んでおるわけでございます。 そういうような点についてはどうお考えになられますか。
○本橋政府委員 がんの免疫療法剤の有効無効という判断の中心のところは、腫瘍の縮小効果というところにあろうかと思うわけでございます。 先生御指摘のクレスチンあるいはピシバニール等につきましては腫瘍縮小効果が見られたわけでございますが、 丸山ワクチンにつきましてはまだ腫瘍縮小効果についてのデータが提出されておらないということでございまして、現在その提出を待っておるところでございます。
第094回国会 衆議院 社会労働委員会 第20号において、桜井参考人は「日本癌治療学会基準というものを使っておりました」と説明し、村山大臣は「日本癌学会の判定基準」は「縮小効果あるいは自覚、他覚症状等のもの」と説明している。 丸山ワクチン擁護者の梅原参考人も「学会提唱の基準」「腫瘍の縮小を目安とする化学療法剤の効果判定基準」と同様の発言をしている。 「丸山ワクチンにつきましてはまだ腫瘍縮小効果についてのデータが提出されておらない」が本当のことであるならば、丸山ワクチンは申請時は従来基準に基づいたデータを提出しなかったことを意味する。
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