第100回国会 衆議院 行政改革に関する特別委員会 第2号

これは丸山ワクチンの真相の一部である。

○草川委員 それじゃ、いまの御答弁では、薬価にも当然反映をするというお気持ちがあるということがわかったわけでございますが、いまも触れましたように、新しい薬がどんどん出てくるわけです。 総理も何かいま薬を飲んでおみえになるようでございますけれども、昔は一つの菌をやっつける薬というのが、非常によく効いた薬があるのです。 ところが、いまの薬価をどんどん下げてまいりますと、よく効く薬というのはもう生産をしても売れませんから、メーカーはやめてしまうわけです。 そして第三世代というように、あれもこれもというように幅の広く効く薬というのが開発をされていくわけです。 ですから、いま言ったように、昔は一グラム三千円ぐらいの薬が、いまはもう六千円ぐらいに高い薬しか残らなくなってくるわけです。 お医者さんもやむを得ずその薬を使わざるを得ないという情勢があるわけであります。 だから私は、新しい薬の開発は非常に結構だけれども、慎重な指導というのがあっていいのではないか、こう思うわけであります。

そして総理は、がん対策について非常に熱心であります。 私もそれはもう絶対的に支持をいたします。 特に私どもは、かねがね丸山ワクチンの問題なんかもやってきているのです。 そしてこれは超党派で、自由民主党の先生方を中心にとは申し上げませんけれども、皆さんと一緒になって丸山ワクチンの早期収載を訴えておりますけれども、いまなおこれは認められていないのです。 それは、いま言ったようなこの薬事審議会の先生方に邪魔をされておるからです。 本当に公平な審査というのを与えられるような、そういう審議会をつくらないと私はだめだと思うのです。 そして、私がいま大学の教授の方々ともよくお話をしますと、草川君、僕たちばかり余り非難してくれるなと言うのですね。 予算がない、こう言うわけです。 フラスコ買うにも、あるいは学会へ行くにも予算がないと言うわけです。 だからわれわれはやむを得ず製薬メーカーの方々からの寄附というのですか、サービスで行くのだ、こう言うわけです。

だからこそ、昔からいまの大学には受託研究費という制度があるじゃないか。 厚生大臣にこれはお伺いしますけれども、厚生省にも私どもは三年前に非常に強く指摘をして、国立病院にいろいろな研究材料が持ち込まれたら受託研究費といって予算に上げなさい、そして決算で落としなさい、そうすれば研究をしていただきたいといってお金を持ってきた場合でも堂々と公の場でこの会計処理ができるならいいじゃないか、こういうことを申し上げておるわけです。 ところが、残念ながらいま全国の国立大学あるいは全国の国立病院を探してみましても、少しふえておりますけれども、件数は話にならないくらいに国立大学も国立病院も少ないのです。 私は、受託研究制度というものを公にして、これをもっと大きく採用するならば、今日の不祥事はないと思うのですが、その点どうでしょう。 厚生大臣から答弁してください。

○林国務大臣 国立病院などの受託研究は、草川先生からの御指摘がございまして、昭和五十七年から所要見込み額を予算に計上し、適切な運用に努めているところでございます。

受託研究というのは、先生の御指摘のとおり、民間から試験委託します、そしてそれを国庫に一遍入れます、それで今度使う、こういうことですから、実は、私も厚生大臣になりましたときに、やはりこの辺は改善しなければいかぬ、こういうふうな話をしましたら、草川さんから実は話があって、こういうことをやっているのだということで、私も非常に意を強うするところがあったわけでございます。

ちなみに申しますが、予算といたしましては、五十七年度が四億五千三百万円、五十八年度が四億五千三百万円でございますが、五十九年度では七億一千五百八十四万三千円、こういうふうな形で要求をするという形にいましております。 私はこういった制度をやることがやはり医者及び医療界における不正を晴らすための一つのステップだろう、こう思っておるところであります。

○草川委員 ぜひこの受託研究費制度というのは大きく採用していただきたい。 ただ、先生方にお話をするとめんどうくさいと言うのですよね。 だけれども、そのめんどうくさいという時代は過ぎましたよ。 ぜひこれは国立大学の附属病院も、あるいは国立病院も採用していただいて、今日のようなスキャンダル事件が起きないようにしていただいて、しかもそれを公平に扱っていただきたい。 丸山ワクチンのように、要領の悪い先生は、いつまでたったってこれはおりないのですよ。 だから少し厚生省本当にヘルプしてもらいたいと思うのです。 そして本当に対がん、がんにならないように早期発見をするようにし、そして手術をすべきものは手術をしながら、国の医療費の総枠を抑えていくように努力をしていただきたいと思うのです。

第100回国会 衆議院 行政改革に関する特別委員会 第2号

草川委員は「この薬事審議会の先生方に邪魔をされておる」と主張する。 しかし、第094回国会 衆議院 社会労働委員会 第20号等の証言により、丸山ワクチンは不可解なほどの異例の優遇措置を受けたものの、効果を証明するデータを提出できなかったことにより承認されなかったことが明らかとなっている。


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