第093回国会 参議院 社会労働委員会 第7号

これは丸山ワクチンの真相の一部である。

○小平芳平君 とにかく患者さんは苦しい毎日を送っている、御本人も家族も苦しい毎日を送っているわけですので、厚生省としても真剣に取り組んでほしいと思います。

それから次に、週刊誌や新聞でよく出ます丸山ワクチンについてですね。 丸山ワクチンについては、五十二年に私が質問をしたときには、あと半年ぐらいでどちらかにめどがつくというような御答弁があったんですが、それから三年ほどたちましたがどうでしょうか。

○政府委員(山崎圭君) お答え申し上げます。

丸山ワクチンにつきましては五十一年の十一月二十七日にゼリア新薬工業という会社から製造承認申請が出されました。 これまでに中央薬事審議会におきまして五回にわたりこの問題について調査、審議が行われております。 そういう経緯でございますが、申すまでもなくその医薬品の承認に当たりましては、申請者から提出されました基礎実験でございますとかあるいは効力を裏づける試験でございますとか、あるいは臨床試験、こういった資料を総合的に審議、評価してなされると、こういう運びになっておるわけでありまして、丸山ワクチンにつきましても提出されました資料について、そういう過去五回にわたっていろいろ審議されました結果、残念ながらといいますか、総合的評価においてその有効性を確認するにはまだ資料が不十分であるとされたと、これが結論でございまして、さらに当該申請者に対しまして追加資料を出すように、そういう要請をしているところでございます。 したがいまして、今後のめどといたしまして、見込みといたしましては、必要な資料が提出された時点で改めてこの審議会におきまして審議が続けられると、こういうことでございます。

○小平芳平君 総合的に医学的に判断されなくてはならないことは私もそのとおりに思います。 そうでなくてはならないと思う。 が、しかしこの丸山ワクチンは実に効果があると思って使っている人のためには、早く容易に入手できるようにしてほしいという念願があるわけですね。 かといって、あれは効果はないんだというような医学界の御意見、まあ効果がないと言い切ってしまえるかどうか、とにかくそういう疑問をはさむ意見もあるわけですね。 それが絶えずニュースになるわけです。 ですから、まじめにというか、ちゃんと服用している人にとっては実に苦々しい思いでニュースを見なきゃならないというような場合もあろうかと思うんですね。

まず、ことしの五月十六日に当時の野呂厚生大臣がしかるべき権威の人と会って客観的にそのお話を聞こうとなさったと。 しかし、国会解散でだめになったというような報道がありますが、これはいかがですか。

○政府委員(山崎圭君) 申しわけありません。 私ちょっとそのことを承知しておりません。

○小平芳平君 じゃ、厚生大臣が一人で勝手にそういう動きをしたのでしょうかね。

○政府委員(山崎圭君) 少なくとも私薬務局長の立場としては、当時の野呂大臣のそういう御意向を承っておりません。

○小平芳平君 園田厚生大臣は陳情を受けられましたですね。 そういうふうに報道されておりますが、篠原教授らが署名を持って園田厚生大臣に陳情したということが出ておりますが、大臣としてどう処置されましたか。 また、今後どう処理されるおつもりか伺いたい。

○国務大臣(園田直君) 私、就任後篠原教授初め十名近くの方々が数万の署名を持っておいでになりました。 そこで私は、この薬の効果については一方には薬害の陳情も受けておるし、簡単にできるものではないし、大臣が政治的判断によって右左言うわけにはまいりませんと、しかしまた一方、私自身は私の選挙区の方々でやはり丸山ワクチンの話を聞かれて、ぜひ治療してみたい、もしきかなくても、それで死んだら本望だ、こういうことで私を通じて、丸山先生にお会いしたことありませんがお願いをして、選挙区に送ってその半数は治り、そしてあとの時期おくれの人も痛みがなくなって治ったという例があるし、それから外務大臣しておりますときの私の運転をしてもらった方の奥様がやはりがんでありまして、数回手術されたが見込みがなくて、私は慰めの言葉を言っておったわけでありますが、この人が丸山ワクチンを聞いて治してもらって、いまでは非常に元気になっておられるという実情があるわけであります。 かつまた薬務局長の話を聞くと、皆さんが薬害はないと、弊害はないと、こういう話は薬務局長から聞いております。 したがいまして、薬のことでありますから大臣が感情によってどうこうするわけにはまいりませんけれども、そのような実績があるし、かつまたほかにいっぱいそういう方がおありで薬害がないとなれば、これはなかなかのことでありますから薬務局長にはぜひひとつ手続に従って、資料が足りなければその資料をそろえてこいと、好意的に援助をしてやって資料をそろえて審議会で通るように、好意的に処置をしてくれということを薬務局長には頼んでおるところでございます。

○小平芳平君 よくわかりました。 私もいろいろ効果があるというお話を聞いているわけでありますが、しかし、そういうことで大臣がおっしゃるように政治が左右すべき問題じゃないわけですが、どこまでも医学上、薬学上の問題として薬務局長どうですか、もう一回見通しをおっしゃってください。

○政府委員(山崎圭君) 先ほどお答え申しましたとおり、現在追加資料の提出というものを待っているところでございまして、その提出がされました時点におきまして、改めて中央薬事審議会の場で審議が行われる、こういう運びになるわけでございまして、先生御指摘のとおり、全くこれは医学薬学という専門的な立場からの御審議を待たなければならない性質のものであると、かように考えております。

参議院会議録情報 第093回国会 社会労働委員会 第7号

「総合的に医学的に判断されなくてはならないことは私もそのとおり」「そうでなくてはならない」と言いながら、「実に効果があると思って使っている人のためには、早く容易に入手できるようにしてほしい」では完全なダブルスタンダードである。

「その半数は治り、そしてあとの時期おくれの人も痛みがなくなって治ったという例」「この人が丸山ワクチンを聞いて治してもらって、いまでは非常に元気になっておられるという実情」は体験談の類であり何ら効果の証明にはならない。

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