第096回国会 衆議院 予算委員会第三分科会 第3号

これは丸山ワクチンの真相の一部である。

○小林(進)分科員 厚生省にお伺いいたしますが、ことしの二月の十二日にピシバニール、クレスチン、丸山ワクチンの臨床の成績を発表されました。 それからこれは昨年の七月十日にもピシバニール、クレスチンの臨床の成績を発表をされました。

まず、昨年の七月十日のデータはだれが作成をして、いつ発表されたものなのか、まずそこからひとつお伺いをいたしたいと思います。 大臣から答えてもらいたい。

○森下国務大臣 私がまず答えるべきでございますけれども、この件につきましては薬務局長より答弁をさせます。

○持永政府委員 昨年の七月に発表いたしましたピシバニール、クレスチンの臨床成績のまとめでございますけれども、これは丸山ワクチンの承認前の段階で発表をしたものでございまして、これはいずれも申請データ、そういったものを中心にしたものでございます。

○小林(進)分科員 その丸山ワクチンは関係なしだよ。 七月十日に発表したデータは、だれが作成して、何年の何月に発表したものを昨年の七月十日に発表したのかと聞いているのだ。 時間がないからぱっぱっと答えろ。

   〔亀井(善)主査代理退席、主査着席〕

○持永政府委員 薬事審議会でまとめたものでございます。

○小林(進)分科員 厚生省が作成して、薬事審議会がピシバニール、クレスチンをいわゆる認可するための資料として出した。 このデータに基づいてピシバニール、クレスチンは認可になったのだろう。 そうだとすれば、この資料を作成したのは五十年か五十一年か。

○持永政府委員 そのとおりでございます。

○小林(進)分科員 それを一々おれが言わなければならぬような答えはやめろ、時間がないから。 三十分しかないからと先ほどから言っているじゃないか。

それならば、七月十日に発表をしたこの資料は、これはいわゆる薬事審議会がこれに基づいて両薬をいわゆる保険薬として認めたのだから、これは公文書だろう。

○持永政府委員 公のものでございます。

○小林(進)分科員 公のものと公文書とどう違うんだ。 そういうこわっぱ役人みたいな返事をするのをやめろ。 今度ことしの二月十二日に発表されたピシバニールとクレスチン、丸山ワクチンの臨床のデータ、去年の七月十日のと同じ品物なんだろう。

○持永政府委員 今回発表いたしましたピシバニールとクレスチンのデータでございますけれども、これは昨年の段階で公表したものと多少数字のとり方その他が違っております。

○小林(進)分科員 どうして違うの。

○持永政府委員 昨年のデータは、ピシバニールでございますけれどもピシバニールにつきましては、単独投与の有効率の数字で申請者が出しました全症例が四百七例ございます。 四百七例ございました中で、昨年のデータにつきましては、主な投与経路、いろいろな形での投与がございますけれどもその中で、静脈それから腫瘍それから胸・腹腔、そういった症例について整理をしたものでございます。 この症例の中には、筋肉内投与でございますとか皮下投与でございますとかそういったものは含まれておりません。 一方、昨年の七月の数字は、実は一人の患者さんに複数の投与をした例が幾つかございます。 その複数の投与をした場合には、その複数をそれぞれ一つずつ計算をしたという形になっております。

今回のことしの二月に新聞に出ましたものは、単独の投与の症例が四百七ございまして、その四百七例についてまとめたものでございます。 したがいまして、この中には、先ほど申し上げました昨年の七月の段階で入っておりませんでした筋肉内投与あるいは皮下投与、そういったものも今回の症例の中には入っているということになっております。

○小林(進)分科員 丸山ワクチンは、クレスチンとピシバニールと一緒になって国民は全部興味を持って見ているものなんだ。 それを、君たちが去年の七月十日に、かくのごとくピシバニールとクレスチンは効果がありますと発表したその公文書というのを、同じものを、いま聞いてみると、薬事審議会に出したという公文書、その出していたものと全く内容も違えば数字も変えたものを、厚生省が勝手に修正をして加減をしたり乗除をしたりして、そしてこれを世間に発表している。 どういう意味なの。 これ一向支障ないの。 厚生省というのはそういうのを自由にやる省なの。

○持永政府委員 今回の二月の新聞公表は、実は丸山ワクチンについていろいろ御議論がございました、その中で、ピシバニール、クレスチンについて審議概要を公表しろ、こういうような御指摘もございまして、それに基づいてやったものでございます。 その中で、ピシバニール、クレスチンにつきましても、当然薬事審議会の御審議を経て公表しております。 この場合に、クレスチンの場合につきましては、症例全患者につきまして、全患者を一とした形で整理しましたために、数字の整理の上でピシバニールの従来のやり方が、先ほど申し上げましたように、一部の投与を除いておりますとか、あるいはダブり、重複を計算しているとかいうようなことがございましたために、そういったものを整理してクレスチンと整合性のある形での数字をまとめたということでございます。

いずれにいたしましても、有効率は、これも先生御承知と思いますが、単独につきまして、ピシバニールを見てみますと、昨年の七月に出したものは三六%になっているということでございます。

○小林(進)分科員 ともかく、もう時間がないのだから僕はこの問題は議論をしないが、いやしくも公文書だ。 しかも、きちっとした数字を挙げて出しているものだ。 文章ならば、一字一句を違えたとか、あるいは修辞を違えたとか、形容詞を違えたというならばいいけれども、数字だよ。 数字を変えるということは、厚生大臣、千字を違うのも一字を違うのも違いには間違いないのだ。 こういうような数字を――これはみんなでたらめですよ。 ピシバニールなんて一字や二字の修正じゃないですよ。全部と言っていいくらい数字を変えている。 しかも効用率だって一体何だ。 去年の七月十日、これを薬事審議会に出してその認可をとるときの有効率は三六%じゃないか。 それで、ことしの二月十二日かのものになると、有効率は幾らになっている。三四・六だろう。有効率まで変わっているじゃないか。 この有効率なんというものは、〇・一%だって患者やこの薬を活用する者にとっては生き死にの問題だ。 われわれが、丸山ワクチンは百分の一%の効果があるか、二%の効果があるかといま争っているさなかで、君らは平気で三六%有効率がありますの、三四・何%でございますのと、勝手にみんな修正をしておる。 統計と称する数字が君たちの恣意によって左右でたらめやられてたまるかね、一体。 こんなことは私は了承できません。 時間がないから議論はしないけれども、でたらめです、こんなことは。 しかも公文書だ。 公文書というものをその後、君たちの手管によって自由に上げたり下げたりしておる。 こんなことは悪質も悪質の最たるものです。

そこで言うけれども、そういうわけで、君たちは薬事審議会に出した公文書というものを、こういう悪意をもって、ピシバニールのみならずクレスチンにおいても一カ所訂正しているから、これは私は了承できない。 これはまた改めて議論をする。

それから、次に言うけれども、一体このデータの作成者はだれかというのは厚生省だな、七月十日のデータの作成者は厚生省だろう。 厚生省がつくって薬事審議会に出して、それで認可になったのだろう。 それから二月十二日の変更したデータも、これは厚生省だろう。 薬務局がつくったんだな。 薬務局というものはそのとおりだ。 いつでも大衆をごまかすようにやっているんだ。 間違いないな。 私の言うことがうそだと思ったらうそだと言ってくれ。 私の言うことが本当だったら黙っていてよろしい。 それは認めたことになる。

繰り返して言うけれども、厚生大臣、これは人間の命に関することですよ。 その効率が何%あるかなんかということは、これを見る人にとっては生死に関する重大問題。 それを三六%の効率がありました、今度はこっちに来たら三四%の効率でございました、勝手に効率の比率までみんな変えているというような、そんな数字をわれわれは一体信ずることができますか。

それから、速記録間違うと悪いから言ってみますが、二月十二日のデータはピシバニールの効率は三四・六%、七月十日の薬事審議会に出した文書では三六%。 それからクレスチンの方は両方同じなんです。 二一・五%という効率を上げておる。

そこで、第二問としてお聞きするけれども、この三四・六%なり二一・五%の効率があるという君たちのデータがある、このデータに基づいて使用している認可後の治療において、一体このデータどおりの効果が発揮されたかどうか。 どうせ君たちはそれが商売だから追求をしたと思うが、追求の結果をひとつ教えてもらいたい。 われわれもやっているんだから。

○持永政府委員 認可後の追求と先生おっしゃいますが、認可後私どもが具体的に症例に当たって、どのくらいの有効率があったという具体的な数字はつかんでおりません。 ただ、少なくとも薬事審議会において議論をされた上で両剤とも認可されたわけでございますので、その薬事審議会の認可に当たっての内容どおり有効率があると私どもとしては考えておるところでございます。

○小林(進)分科員 実にずうずうしい答弁を君やるね。 実際、薬事審議会のデータが出たから何も追求しないで、それはもうそれだけの効果が出たものと君は考えているわけだ。 君はいまそう言ったんだ。 それでよろしい。 しかしわれわれの方は、これは生き死にの問題だから、あらゆる手を伸ばして、友人、知人からわれわれの仲間に全部手を伸ばして聞いているけれども、ピシバニールあるいはクレスチンが三四%も二一%も効果がありますなんて返事が来たのは、悪いけど一件もない。 それは私は病院を通じ、あるいは診療所を通じ、開業医を通じ、聞いているけれども、君が言うように効果があると考えるなんて返事を持ってきた専門家は一人もいない。 どっちが一体悪いんだ。 われわれはもう緻密に返事を聞いている。 また、君が言うように審議会が決めたデータだから間違いないといったら、何で一体その審議会で決めた薬を何百種類も廃棄をしたり、やめたり、取り下げたり勝手にやる必要があるんだ。 第一、どの薬を審議会が通しても君らは次から次へと廃棄をしておきながら、ピシバニールに関する限りは、審議会で決めたのだからこれは必ずそのとおりあるものと確信する、君たちが言っていることは朝令暮改もひどいじゃないか。 矛盾だらけじゃないか。 それほど審議会の言うことが権威があったら、何で一体審議会で認めた薬を何百種類も廃棄したり、取りやめにしたりする必要があるんだ。 君たちがわれわれを愚弄しているという証拠を私は挙げて言っている。 だから、いまも言うように、たまの一件でもよろしい、ピシバニール、クレスチンを使ってこれくらいの効果はございました――われわれの方は、あんなものは全く効き目がありませんという返事がだっとはね返ってきているんだ。 しかしそれを君は必ずデータどおりに効果があると言うのだから、一件でもよろしい、その実績を示してくれ。 ないと言うならば、それは返事を求める必要はない。 次の質問に進みます。

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「時間がない」と繰り返し言いながら、質疑の時間に根拠のない持論を一方的に演説する小林(進)分科員の癖は相変わらずのようである。

小林(進)分科員は、「今度ことしの二月十二日に発表されたピシバニールとクレスチン、丸山ワクチンの臨床のデータ」と「昨年の七月十日にもピシバニール、クレスチンの臨床の成績を発表」の数値の差を問題としている。 しかし、持永政府委員の「昨年の段階で公表したものと多少数字のとり方その他が違っております」という説明には何らおかしな点はない。 元のデータを修正すれば改ざんにあたるが、元のデータをそのままで、集計方法を変えることは改竄にはあたらない。 公表する段階で精査して、その時点で最も妥当と思われる集計方法を採用することは当然の処理だろう。 その結果として、数値が全く違うものになって承認の妥当性が揺らぐようなことがあれば、承認取消を検討すべきとは言えるかもしれない。 しかし、「三六%」と「三四・六」ならば誤差の範囲であり、承認の妥当性が揺らいでいるとは言い難い。

小林(進)分科員が「丸山ワクチンは百分の一%の効果があるか、二%の効果があるかといま争っているさなか」と発言したことが本当であるなら、丸山ワクチンには承認すべき薬効がないことになる。

「あらゆる手を伸ばして、友人、知人からわれわれの仲間に全部手を伸ばして聞いているけれども、ピシバニールあるいはクレスチンが三四%も二一%も効果がありますなんて返事が来たのは、悪いけど一件もない」は、おそらく、本当のことであろう。 しかし、申請データでは「三四・六%なり二一・五%」の奏効率(画像判定で半分以下に腫瘍が縮小した人の割合)が示されている以上、承認されるのは当然であろう。 これに対して「どっちが一体悪いんだ」と問うても申請された側にわかるわけがないし、「君たちが言っていることは朝令暮改もひどい」ということにもならない。

「その審議会で決めた薬を何百種類も廃棄」は意味不明である。 「審議会」は承認申請の審査をするだけで医療機関ではないのだから「薬を何百種類も廃棄」することなどあり得ない。

持永政府委員が「認可後私どもが具体的に症例に当たって、どのくらいの有効率があったという具体的な数字はつかんでおりません」と説明しているのに、「一件でもよろしい、その実績を示してくれ」は無茶苦茶である。 そもそも、「一件」の「実績」を示しても、それは「ピシバニールあるいはクレスチン」の効果を全く裏付けないので意味がない。

○小林(進)分科員 実にずうずうしい答弁を君やるね。


追試の件として、君たちはがん集学的治療研究財団というものをつくらされたのかつくったのか、つくったんだろう。 自民党の八田代議士が、丸山ワクチンもこのがん集学的治療研究財団のいわゆる研究薬の中に加えてもらえないか、これは厚生大臣を通じ、彼が懇切丁寧な申請書を出したわけでありますが、それをどう取り扱うか、この中に加えてすることにしたのか、それは土足でけって却下したのか、無視したのか。 これは厚生大臣にお伺いしましょう。 あなただって御返事ができるでしょうから。 どうですか。

○持永政府委員 まず、丸山ワクチンの開発問題でございますけれども、医薬品の開発は、先生も御承知と思いますが、従来、医薬品メーカーがみずから開発計画を持って推進しているわけでございます。 それで、丸山ワクチンにつきましても、丸山先生とゼリア新薬工業が中心になりまして今日まで開発したわけでございまして……(小林(進)分科員「そんなことは何も聞いてない。 人の聞かないことを言うなよ。 時間もないんだから」と呼ぶ)

先ほど要望のございました中に、国が助成してがん集学的治療研究財団に研究を依頼したらどうかという御要望がございましたけれども、これにつきましては、いま申し上げましたように、国が直接助成するというのは、これはなかなかむずかしい問題だというふうに考えております。

○小林(進)分科員 あれ、君はいつの間に変わっちゃったんだ。 嫌なのが出てきたな、これは。

それで、一つ言うのだけれども、君に何も助成しろと言っているのじゃないんだよ。 助成はしている。 大鵬だの三共だの中外だのというのが金を出し合ってこういう研究財団をつくったことはわかっているのだ。 君ら監督官庁、主管官庁として、ピシバニールやクレスチンだけじゃなくて丸山ワクチンもその中に入れることのあっせんをしてくれという申し入れをどう扱ったかと聞いているのだ。 ごまかさぬで、時間がかかるのではっきり言え。

○大谷政府委員 この財団は、臨床の場で用いられますところの種々の集学療法の最適効果の組み合わせを研究する財団でありまして、製造承認されたものを用いる旨、財団に設けられた委員会で申し合わせが行われています また、そういった意味で、規格及び試験方法が未確立な段階で財団が集学的治療研究の一環に組み入れるということはきわめて困難ではないか、こういうことがございます。

したがいまして、丸山ワクチンをこの財団が使用して研究するかどうかにつきましては、財団の運営の基本にかかわる事柄でありますし、また、すでにこの事業が進行中でもございますので、財団の自主的判断に任せるべき性格のものではないか、このように考えるわけでございます。

○小林(進)分科員 こういうのは官僚答弁と言うのだ。 私は、やったかやらないかと聞いているのだよ。 じゃ、いまの答弁はやらぬということなんだな、君たちは。 われわれ国会議員の仲間が、これを研究の中に加えてくれと言ってあっせんを依頼したことに対して、何らのモーションも起こさなかったということなんだな。 それじゃ、そのようにひとつとりましょう。 君たちは、自分たちの気に食わないことは、どんなにわれわれが誠実を込めて文書で提出をしても、それを一片の価値も認めないで何もモーションを起こさなかったということだ。 わかった。 それが厚生官僚の実態だ。 また改めてひとつけんかする。

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持永政府委員の「医薬品の開発は、先生も御承知と思いますが、従来、医薬品メーカーがみずから開発計画を持って推進している」「国が直接助成するというのは、これはなかなかむずかしい問題」という回答は正論である。

小林(進)分科員の「君ら監督官庁、主管官庁として、ピシバニールやクレスチンだけじゃなくて丸山ワクチンもその中に入れることのあっせんをしてくれ」とする要求は不正を行えと言っているに等しい。 「大鵬だの三共だの中外だのというのが金を出し合ってこういう研究財団をつくった」のであれば、それは完全に民間の任意団体である。 「その中に入れる」かどうかは民間の任意団体どうしで決めるべきことであり、「監督官庁、主管官庁として」「あっせん」することは不正な圧力をかけることになる。 それは、大谷政府委員の「財団の自主的判断に任せるべき性格のもの」という回答通りである。

○小林(進)分科員 こういうのは官僚答弁と言うのだ。


それから、次に言う。 次には、クレスチンだけは、薬事審議会でたったの三回の審議会で許可になっておる。 これは一体三回とはどういうことですか。 どうしてこんなたった三回ぐらいで許可になったんだ。 その理由を、早く

○持永政府委員 クレスチンにつきましては、五十年の十月二十九日、五十一年の三月二日ということで、抗悪性腫瘍剤調査会で審議が行われています。

○小林(進)分科員 なぜたった三回くらいの審議でこれが許可になったんだ。 それを聞いているのじゃないか。

○持永政府委員 この審議の結果、医薬品としての有効性が判断されたということだと思います。

○小林(進)分科員 余り調子のいいことを言うなよ、君。 このクレスチンを推進してつくった本人がここで言っている。 この本の中にこれは言っている。 「クレスチンはたったの三回の審査で認可になっていますが、何故ですか。」という質問に対して、「ピシバニールに較べて副作用が少なかったからです。」、こう答えているのです。 副作用が少ない。 ないとは言わないのだ。 だから、たった三回ぐらいの、さっさっさっと拍手で終わったということなんだ。 なぜ一体こういうふうにして、ピシバニールやクレスチンなどはたった三回ぐらいの安易なやり方で――君は、薬事審議会は権威がある、権威があると言うけれども、内容を見れば全く権威も何もないじゃないか。 さっさっさっと通過している。 余りあっさり通過したから、どうしてこれは通過したのだと言ったら、副作用が少ないから通過したのだと言う。 させてもらった塚越本人、彼は自分でつくって自分で審査委員になっているのだから間違いない。 こういう回答をしている。 ここでも君たちの答弁のインチキがあることは明らかです。 いいですか、これ見てください。 これまた後日のけんかの種。

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第094回国会 衆議院 社会労働委員会 第20号には、小林(進)分科員も参加していた。 そこでは、次のような発言がある。

  • 追求者側の山下(徳)委員は従来基準では「丸山ワクチン」の「有効性が確認できない」と発言している。
  • 山下(徳)委員の質問に対して山崎説明員が「クレスチン、ピシバニールはすでに従来の基準でパスしております」と回答している。
  • 追求者側の菅委員は「いろいろな方と話」の内容として「従来と同じであればがんが縮小する効果は丸山ワクチンには認められない」と発言している。

「薬事審議会でたったの三回の審議会で許可」のは、このように従来基準をパスするデータが提出されていたからであり、その話は小林(進)分科員も聞いていたはずである。 「副作用が少ないから」は、ピシバニール等との違いを説明したものであろう。 小林(進)分科員は、それを丸山ワクチンとの違いと勘違いしたようだ。

○小林(進)分科員 こういうのは官僚答弁と言うのだ。


それからまた、次に一つ申し上げましょう。

悪性腫瘍に対する免疫療法剤の評価法に関する研究という、そういう特別の基準を設けて、いわゆるピシバニールやクレスチンと同等の基準において一体どうして丸山ワクチンの審査をやらなかったのか。 いま言うように、ピシバニールやクレスチンは三回とか安易な形で従来の認可方式をたどってきて、丸山ワクチンの場合になったら、途端に、 いままでのいわゆる認可方式、審査方式を全部やめて、そして私がいま言った新しい長ったらしい研究の基準を設けて、そうして一々これをつぶしていった。 一体どうしてこの審査方法に差別を設けたのか、どうして差別を設ける必要があったのか、お聞かせ願いたい。

○持永政府委員 丸山ワクチンにつきましての一般臨床試験成績の評価につきましては、日本癌治療学会の癌化学療法効果判定基準というものに基づいて判定されたわけでございますが、 これはクレスチン、ピシバニールも同様でございます。認可基準は異なっておりません。

それから丸山ワクチンの場合には、単独使用での有効性が確認されなかったというような経緯がございまして、その有効性の確認のために他剤との併用における試験をさらに行うことが必要であるというふうになったわけでございます。

○小林(進)分科員 それは君の言うとおりで、後の方だけでよろしい、単独使用とかなんとか。 みんな変えちゃったじゃないか。 クレスチンやピシバニールと全然やり方を変えて、別な基準でやったじゃないか。 そのとおりなんだ。 ――もういいです、時間がないから。 それでいいです。 君たちがインチキだということが一つ一つみんなわかってきたわけなんだから。

そこでお伺いしますが、いままでは計算上は抗がん剤が百二十有種類、これが許可になっている。 それを申請して許可になるまで、この間にけちをつけられたものは一つもない、私の調査では。 効くも効かないもないよ。 単に私どもはピシバニールだのクレスチンだのと言っているけれども、これだけじゃない。 これに準ずるもの百二十種類だ。 厚生省は一つもけちをつけたものはありません。 全部さっさっさっと許可をされているが、それを却下したものは一つでもありますか。 あったら教えてもらいたい。 却下をしていない。 したなんと言ったらインチキだ。 にもかかわらず、丸山ワクチンだけについて、こうまで、単独投与の場合だなんだ云々だとけちをつけながらも、審査を変えて、基準まで変えて、そうして却下をしている理由は一体どこにあるか、聞かせてもらいたい。

○持永政府委員 丸山ワクチンにつきましては、これも先生すでに御承知のことでございますが、薬事審議会の答申で、現段階では有効性を確認することはできない、こういう答申があったわけでございます。 その答申を受けまして、厚生大臣としては、薬事審議会のそういう答申がある以上は、それを尊重するという立場をとらざるを得ないわけでございまして、そういう意味合いで、薬事審議会のそういう答申がありました以上、厚生大臣としてこれを承認するわけにはいかなかった、こういう経緯でございます。

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「単独使用での有効性」とは、腫瘍縮小効果のことを指していると思われる。

小林(進)分科員は「ピシバニールやクレスチンと同等の基準において一体どうして丸山ワクチンの審査をやらなかった」「いままでのいわゆる認可方式、審査方式を全部やめて」「審査方法に差別を設けた」「みんな変えちゃった」「クレスチンやピシバニールと全然やり方を変えて、別な基準でやった」「審査を変えて、基準まで変えて」と主張するが、何を根拠にそう主張しているのか。 第094回国会 衆議院 社会労働委員会 第20号には、小林(進)分科員も参加していた。 そこでは、次のような発言がある。

  • 森井委員の「クレスチンを御審査なさったときには、癌治療学会基準というのがあって、それでおやりになった」「丸山ワクチンの場合は、この基準でおやりになったのか」との質問に対して桜井参考人は「そのとおりでございます」と回答している。
  • 森井委員の「クレスチンと条件が違っておるのですね」との質問に対して桜井参考人は「違っておりません」と回答している。
  • 追求者側の山下(徳)委員は従来基準では「丸山ワクチン」の「有効性が確認できない」と発言している。
  • 山下(徳)委員の質問に対して山崎説明員が「クレスチン、ピシバニールはすでに従来の基準でパスしております」と回答している。
  • 追求者側の菅委員は「いろいろな方と話」の内容として「従来と同じであればがんが縮小する効果は丸山ワクチンには認められない」と発言している。

ようするに、新基準は丸山ワクチンの敗者復活戦として設けられたと明確に説明されているのである。 その話は小林(進)分科員も聞いていたはずである。

第094回国会 衆議院 社会労働委員会 第20号において、小林(進)委員(小林(進)分科員)が「梅原先生も同じ国立熱海病院にいらっしゃるんだから、反対の者を入れるんなら賛成の者も入れて均衡をとってしかるべき」「あなたは勇気があります、ごりっぱであります」と信奉する梅原参考人も丸山ワクチンは従来基準をパスできないこと、そして、それゆえに申請時に従来基準に沿ったデータを提出しなかったことを認めている。 どうして、都合の悪いことは信奉対象の説明であっても採用しないのだろうか。

持永政府委員も、新基準は丸山ワクチンの敗者復活戦として設けられたことを再度説明している。 尚、第094回国会 衆議院 決算委員会 第9号によれば、腫瘍縮小効果のデータが提出されたのが1981年2月で、比較臨床試験の結果が提出されたのは1981年5月であるから、「丸山ワクチンの場合には、単独使用での有効性が確認されなかったというような経緯がございまして、その有効性の確認のために他剤との併用における試験をさらに行うことが必要であるというふうになった」は正確ではない。 既に説明した通り、本委員会で、丸山ワクチンの申請資料を作成した梅原誠一参考人は、腫瘍の縮小を目安とする化学療法剤の効果判定基準は不適当であると考えたから学会の基準を用いなかったと証言している。 また、同じく、丸山ワクチンの申請資料を作成した佐藤博参考人も同様の証言をしている。 以上のことから、腫瘍縮小効果がないとする申請者側の自己申告に基づいて比較臨床試験の結果が良好であれば承認することとしつつも、念のため、並行して腫瘍縮小効果のデータも取得し、案の定、腫瘍縮小効果がなかったものと推測できる。

○小林(進)分科員 時間が来ましたから、主査、先を急ぎますけれども、君、百二十種類もけち一つつけないで認可している。 却下したものが一つもない中で、君たちは薬事審議会というものを隠れみのにして、こうやって丸山ワクチンだけを却下しているが、それではそのいわゆる審議会の出したデータについて、東北ブロックあるいは東海ブロック、後藤博士その他の教授が、われわれが出したデータをなぜそのまま採用してくれないかと言っている。 これに全部けちをつけた。 全部けちをつけたのは審議会じゃないよ、厚生省だよ。 君たちがけちをつけたんだよ。 第二期だの三期だのと言って、後藤教授にはそういうけちのつけ方をしたり、あるいは東海の、東海大学ですか、中部ブロックにおける分には、いわゆる封筒方法でやった、その正確度が、一部開封されたとかという理由で不採用にしているが、その問題も、わずかな、こんなつめのあかほどのことである。 問題にならぬものにけちをつけて、これを却下する理由にしている。 私が先ほど言うように、今度は、君たちが出したデータはこのとおり、直してはならない数字までもみんな変更し修正をし、そうして問題を出している。 これは悪党のやる仕事と言わないでまともな人間のやる仕事と言えるかね。 これは、もうそれでいい。

そこに対して後藤教授も東海の諸君も、厚生省あるいは薬事審議会のやり方は了承できないと言って文書でもって異議の申し立てをしている。 これに君たちがどれだけ対応したか。 その異議の申し立てさえも軽く受け流しているじゃないですか。 そういう失敬なやり方があるか。 それは了承できませんよ。

そこで、もう時間が来ましたから申し上げるのだが、厚生大臣、こういう悪者どもの役人におどされたら、あなたの政治生命は終わりますよ。 あなたに申し上げますが、あなたは厚生大臣になる前までは国会における丸山ワクチンを推進し、認可をし、保険薬とする一つの団体、政党を超越した団体の中の有力なメンバーだった。 しかも、あなたは大幹部であった。 そして、われわれと一緒になってこれを実現しよう、推進しようということで一生懸命おやりになった……。

○海部主査 どうぞ、どうぞ。 お続けください。 最後までどうぞお続けください。 小林先生、どうぞ。

○小林(進)分科員 いいですか。

そういうことをおやりになったので、あなたはまた厚生大臣として――役人がでたらめだ。 有効なる資料は全部けちをつけて、そしてみんな効力がないようにしてしまったり、そして今度は資料の数字まで変更してしまった、これをやっているのです。 こういう諸君だ。 こういう諸君の言に乗せられていまこれをそのままに見逃されていると、あなたの政治生命は終わりになりますよ。 野にあれば丸山ワクチン推進論者の第一人者であった。 今度は、その地位につけば、たちまち手のひらを返してこれを阻止するような形をとられたならば、本当にあなたの政治生命は終わります。 そこはひとつ考えていただいて、これを許可するような方向に持っていっていただきたいと思います。

そこで私は言うのです。 厚生省は、大鵬薬品工業の何とかという薬も非常に危険性があると言ったら再審をするという態度に出ていられるのだね。 ならば、この丸山ワクチンについても、状況も変わったのだから、薬事審議会のメンバーもかわったのだから、いま一度調査をするというお考えはあるかないか。 たとえば私どもその後全部追跡をしておりますけれども、くどいようだが東北の後藤教授のやっているあのブロック、東海でやっているブロック、その後の経過も、丸山ワクチンを使用した者はみんな生きているのです。 千日たってもまだぴんぴんして生きている。 他のいわゆる抗がん剤あるいは化学剤を使った者は全滅です。 全部死んでいるのです。 そういうデータを彼らは努めて追求しようとしないのです。 こんな者は大企業の回し者と言っていいです。 いかに侮辱されたっていいです、薬務行政が正当の方向に動かないのだから。 世間はみんな不思議に思っている。 というわけで、いまそういう情勢にあなたも立っておられますし、厚生省自身も丸山ワクチンのその後、治療した者の結果というものをちっとも見ようともしなければ採用しようとしない、これでは百日たったところで問題の解決になりません。 どうかひとつ、これを森下厚生大臣の大臣権限でいま一度薬事審議会にかけていただいて新しいデータを集めていただきたい。 そのデータの一つとして、いま丸山ワクチンは、おれが注射してやると認可証を取れば、日本大学に行って講習を受けてそれから治療ができることになっておる、その医者を厚生省は治験者として認定をする、こうなっておる。 いま治験者が数千人いるか一万人いるかわかりませんけれども、治験者として認定をしたのならば、そのデータは、これは厚生省が認めたお医者さんが上げた資料だから、あなた方が当然データとして採用する資格があるはずだ。 その治験者たる医者が丸山ワクチンを使った、その資料をあなた方は集約して再審査のときのデータにしてそれをちゃんと審議会にかけて、そしてこの問題をいま一度審査していただく、これが私の最後の質問の趣旨です。 これをやっていただけるかどうか。

○森下国務大臣 丸山ワクチンにつきましては、小林議員おっしゃったとおりでございまして、私も八田先生から以前にいろいろ知識は承っておりますし、そのグループに属したことも事実でございます。

そこで、ただいま厚生大臣でございますので、その立場を離れまして申し上げなければいけないということも御理解願いたいわけですが、薬事法に基づく治験薬として現在供給継続を図っております。 中央薬事審議会の附帯意見に基づいた試験が行われ、新たに得られた資料により改めて審議が行われることを期待しております。

以上申し上げまして、御答弁にかえさせていただきます。

衆議院会議録情報 第096回国会 予算委員会第三分科会 第3号

第094回国会 衆議院 社会労働委員会 第20号において、小林(進)委員(小林(進)分科員)の質問に対して、桜井参考人は「特別部会の段階でこれをがんとして訂正をいたしました」「私たちはやはりそれはII期として計算をいたしました」「御申請のとおりであります」と回答している。 この回答を聞いていたなら、小林(進)分科員は「われわれが出したデータをなぜそのまま採用してくれない」「異議の申し立てさえも軽く受け流している」が真実でないことを知っているはずである。

小林(進)分科員は「一部開封されたとかという理由」を「わずかな、こんなつめのあかほどのこと」「問題にならぬもの」と主張する。 しかし、「一部開封されたとかという理由」は統計データの信頼性を大きく損なう問題である。 第094回国会 衆議院 社会労働委員会 第20号において、佐藤参考人が「同じように胃がんであるとか肝臓がんであるとかと言いましても、同じような形で、同じような広がり方をしておりましても、それぞれ個性があって、違う細胞である」と説明しているとおりの被験者で比較臨床試験をするためには、両群への振り分けに偏りがないようにするための無作為化は必須である。 この場合は、無作為化が適切になされなければデータは全く信用できなくなる。 「東海の、東海大学ですか、中部ブロックにおける分」では、その無作為化のために封筒法を利用した。 それが「一部開封された」のであれば、無作為化が崩れるのであり、統計データの信頼性を大きく損なう。 これは、小林(進)分科員の主張するような「わずかな、こんなつめのあかほどのこと」「問題にならぬもの」では決してない。

第094回国会 衆議院 社会労働委員会 第20号においては、以上を踏まえて、「東海の、東海大学ですか、中部ブロックにおける分」の比較臨床試験について、桜井参考人は次のように証言している。

  • 「全体で見ますとわずかな差であり」「統計的に有意」
  • 「胃がんの手術ができなかった患者では全然差は出なかった」
  • 「腹膜転移の」「ない方の患者さんでは差がない」
  • 「腹膜転移の」「ある方の患者さんでは差がはっきりある」(「症例が二十例くらい」)

総合的な評価として「その背景に、そういうような封筒法違反もあるので、その封筒法違反の大きいほどそういう無作為の比較臨床試験の正確度というものは落ちる」を理由として「医学的に現在のがんの治療の段階で有意義であろうかということの判定で、有意義ではないであろうという結論がある」としている。 ようするに、「全体で見ますとわずかな差」は、封筒法違反によって生じた見かけの有意差であるのか、それとも、治療効果によって生じた真の有意差であるか区別がつかないので、効果の証拠とはならないという意味である。 また、「腹膜転移のある群」についても、「症例が二十例くらい」で「もう一度大きな数字でやったらば大変有意の差が出るのではないかという見解もありました」が、数が少ないので統計誤差でないとも言えないということである。

これらの科学的説明が全く理解できないのであれば、敗者復活戦が設けられた事実に着目すればよかろう。 敗者復活戦まで新規に設けたという事実こそが、丸山ワクチンの審査に不正がなかったことを示す決定的な証拠である(丸山ワクチン関連国会議事録参照)。

以上の通り、小林(進)分科員の主張する「直してはならない数字までもみんな変更し修正」「有効なる資料は全部けちをつけて、そしてみんな効力がないようにしてしまったり、そして今度は資料の数字まで変更してしまった」などという事実が存在しないことは第094回国会 衆議院 社会労働委員会 第20号において十分に説明されている。

小林(進)分科員は「東北の後藤教授のやっているあのブロック、東海でやっているブロック、その後の経過も、丸山ワクチンを使用した者はみんな生きている」と主張するが、それが真実ではないことは明らかである。 第094回国会 衆議院 社会労働委員会 第20号の証言によれば、最終的には全員が亡くなっている。


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