代替医療

原則 

代替医療を容認する条件として、次の4つの条件を提唱します。

効果 

米国の国立機関が20年以上研究しても、がんに対する治療効果のある代替医療はひとつも見つかりませんでした。 一方で、鍼灸などの歴史あるものの中には、生存率向上には全く寄与しないものの、がんの症状を緩和する効果が認められるものもありました。

権威あるJournal of the National Cancer Instituteに通常医療と代替医療の効果を比較した論文が掲載されています。

全患者 乳がん 精巣がん 肺がん 大腸がん

JNCI: Journal of the National Cancer Institute, Volume 110, Issue 1, 10 August 2017, Pages 121–124

通常療法との比較では、精巣がんを除いて、代替医療の方が有意に劣っていました。 精巣がんも、代替医療の方が優れていることを示されていません。 残念ながら、無治療との比較はできていないので、代替医療に何らかの治療効果があるかどうかはこのデータからは読み取れません。 しかし、全般的に、通常医療と比較して代替医療の方が劣ることは示されています。

代替医療の安全性と有効性の詳細は以下のリンク先で調べてください。

これらに記載されていないようなものは、最近出てきたものや全く無名なものでしょうから、当然、まともな実績などあるわけがありません。

歴史 

代替医療は、その名の通り、かつては、通常医療を代替することを期待されていたものです。

1980年代後半、米国議会で通常医療では不十分であることが指摘され、米国下院エネルギー・商業衆議院委員会委員長のJohn Dingellは米国連邦議会技術評価局(Office of Technology Assessment)にUnconventional Cancer Treatments (異端のがん治療、いわゆる代替療法)の調査を求めました。

A diagnosis of cancer can transform abruptly the lives of patients and those around them, as individuals attempt to cope with the changed circumstances of their lives and the strong emotions evoked by the disease. While mainstream medicine can improve the prospects for long-term survival for about half of the approximately one million Americans diagnosed with cancer each year, the rest will die of their disease within a few years. There remains a degree of uncertainty and desperation associated with “facing the odds” in cancer treatment.

がんの診断は、生活変化の状況と病気によって引き起こされた強い感情に個人が対処しようとするため、突然、患者や彼らの周りの人々の生活を変えることができます。 主流医学は、毎年がんと診断された約100万人のアメリカ人の約半分の長期生存率を改善することができますが、残りは数年以内に死亡するでしょう。 がん治療における「勝算に直面する」ことに関連して、ある程度の不確実性と絶望が残っています。

To thousands of patients, mainstream medicine’s role in cancer treatment is not sufficient. Instead, they seek to supplement or supplant conventional cancer treatments with a variety of treatments that exist outside, at varying distances from, the bounds of mainstream medical research and practice. The range is broad—from supportive psychological approaches used as adjuncts to standard treatments, to a variety of practices that reject the norms of mainstream medical practice. To many patients, the attractiveness of such unconventional cancer treatments may stem in part from the acknowledged inadequacies of current medically-accepted treatments, and from the too frequent inattention of mainstream medical research and practice to the wider dimensions of a cancer patient’s concerns.

何千人もの患者にとって、がん治療における主流医学の役割は十分ではありません。 代わりに、彼らは主流の医学的研究と実践の範囲から外れて、様々な隔たりで存在する様々な治療法で従来のがん治療法を補完または代替しようとしています。 その範囲は広く、標準的な治療法の補助として使用される支持的な心理学的アプローチから、主流の医療行為の規範を否定する様々な行為まで幅広くあります。 多くの患者にとって、このような異端のがん治療(いわゆる代替療法)の魅力は、現在医学的に認められている治療に対する認識の不備、主流の医学研究のあまりにも頻繁な不注意、および、がん患者の関心事をより広い次元で実践することから生じる。


Recognizing this, the Chairman of the U.S. House of Representatives Committee on Energy and Commerce, John Dingell, asked OTA to review the issues surrounding unconventional treatments: the types of unconventional cancer treatment most available to American citizens and how people access them, costs and means of payment, profiles of typical users of unconventional treatments, legal issues, and the potential for enhancing our knowledge about the efficacy and safety of these cancer treatments. A group of Members of Congress, led by then-Congressman Guy Molinari, also asked OTA to examine a particular unconventional treatment—Immuno-Augmentative Therapy-and to design a clinical trial protocol to permit valid evidence of efficacy and safety to be gathered.

これを認識して、米国下院エネルギー・商業衆議院委員会委員長のJohn Dingell下院議員は、OTAに、異端のがん治療(いわゆる代替療法)をめぐる問題を検討するよう求めた。 これらのがん治療の有効性と安全性についての私達の知識を高めるために、アメリカ国民に最も利用可能な異端のがん治療(いわゆる代替療法)の種類、それらにアクセスする方法、費用と支払い方法、異端の治療(いわゆる代替療法)の典型的な使用者のプロファイル、法的問題、そして、その可能性について。 Guy Molinar下院議員 (当時) が率いる議員グループは、免疫増強療法という特殊な異端の治療(いわゆる代替療法)を検討し、有効性と安全性の有効な証拠を集めるための臨床試験プロトコルを策定するようOTAに求めた。

Front Matter - Unconventional Cancer Treatments/OTA-H-405 - プリンストン大学

調査した結果、実に様々なUnconventional Cancer Treatments (異端のがん治療、いわゆる代替療法)が使われていることが判明しましたが、いずれも、安全性や有効性の客観的評価はされていませんでした。 米国連邦議会技術評価局(OTA)は、1990年に、報告書“Unconventional Cancer Treatments”/OTA-H-405(偽医療推奨者はOTAレポートと呼んでいる)をまとめ、無作為化比較試験を含む通常医療と同等の研究手法で代替医療を客観的に評価する必要性を議会に報告しました。

Unconventional cancer treatments have received only cursory examination in the research literature, making an objective assessment of their efficacy and safety exceedingly difficult.

異端のがん治療(いわゆる代替療法)は研究文献では大雑把な検討しか受けておらず、その有効性および安全性の客観的評価を極めて困難にしている。

Front Matter - Unconventional Cancer Treatments/OTA-H-405 - プリンストン大学


Opportunities may exist to gather valid informa- tion about the efficacy and safety of unconventional cancer treatments; these are largely unexplored. The same types of study that are used to determine the safety and effectiveness of mainstream treatments— including ultimately randomized clinical trials— would be required to determine the value of uncon- ventional treatments.

異端のがん治療(いわゆる代替療法)の有効性と安全性に関する有効な情報を集める機会があるかもしれません。 これらは主に未踏です。 主流の治療法の安全性と有効性を決定するために使用されるのと同じ種類の研究(無作為化比較試験を含む)が、異端のがん治療(いわゆる代替療法)の価値を決定するために必要とされる。

A potentially useful tool for beginning to evaluate unconventional treatments is the “best case review, which could be a first step toward prospec- tive clinical trials. There may also be ways to gather some information about possible hazards of uncon- ventional treatment, by opening a “registry” into which cases with appropriate documentation could be entered. Conventional physicians would probably be the main contributors to this.

異端のがん治療(いわゆる代替療法)の評価を開始するための潜在的に有用なツールは、「best case review」です。 これは、将来の臨床試験への第一歩となる可能性があります。 適切な文書と例を入力することができた「記録」を開くことで、異端のがん治療(いわゆる代替療法)による起こり得る危険についての情報を集める方法もあるかもしれません。 通常の内科医がおそらくこれに貢献しているでしょう。

OTA’s experience with IAT was discouraging, but it may not be a good example of the way in which an unconventional treatment might enter the evalua- tion system. Burton did not seek the evaluation, and he never became fully engaged in seeing it move forward. Other practitioners or their supporters, such as Burzynski, and the Gerson Clinic personnel, have attempted to initiate some form of evaluation, with assistance from experts, and these efforts suggest that other practitioners might be interested in doing so as well.

OTAのIAT(免疫増強療法)に関する経験は落胆するものでしたが、これは異端のがん治療(いわゆる代替療法)が評価システムに入る可能性がある方法の良い例ではないかもしれません。 (IAT提唱の)Burtonは評価を求めなかった、そして彼はそれが前進するのを見ることに完全に関与するようにはならなかった。 (アンチネオプラストン療法提唱の)Burzynskiのような他の開業医または彼らの支持者、そしてゲルソン病院職員は、専門家からの援助を得て何らかの形の評価を開始しようと試みました、そしてこれらの努力は他の開業医もそうすることに興味があるかもしれません。

Chapter12 Evaluating Unconventional Cancer Treatments - Unconventional Cancer Treatments/OTA-H-405 - プリンストン大学

これを受けて、1991年に国立衛生研究所代替医療局(National Institute of Health, Office of Alternative Medicine)が設立され、米国は国を挙げて代替医療の研究に取り組みました。 さらに、1998年に国立補完代替医療センター(National Center for Complementary and Alternative Medicine)に組織改変され、より本格的な研究体制に移行しました。 しかし、20年以上研究しても、がんに対する治療効果のある代替医療はひとつも見つりませんでした。 一方で、鍼灸などの歴史あるものの中には、生存率向上には全く寄与しないものの、がんの症状を緩和する効果が認められるものもありました。 そのため、2014年にalternative(代替)という言葉を外した国立補完統合衛生センター(National Center for Complementary and Integrative Health)に改称され、通常医療を補完する役割として、諸症状のコントロールに主眼が置かれるようになりました。


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