第096回国会 衆議院 社会労働委員会 第3号

これは丸山ワクチンの真相の一部である。

○菅委員 退職金制度というものを企業年金化していくという方向が阻害されることがないように、大臣においても御留意をぜひお願いいたしたいと思います。

それでは次に問題を移りまして、昨年来特に丸山ワクチンの認可申請をめぐる中央薬事審議会の審議をめぐって、この委員会でも何度か議論を繰り返してきたわけですが、さきの村山大臣また園田大臣が、ある程度落ちついた段階でそうした中央薬事審議会の審議の内容の公開をするということを約束されていたわけであります。 それに対して、ことしの二月十二日に中央薬事審議会調査審議結果というこういう書面を新聞記者会見の席上で発表されたようで、翌日の新聞にはそのことがかなり大きな記事としてあらわれているわけです。

この資料が発表されたことは、一つは大臣の約束の実施かと思いますけれども、この資料は果たして厚生省の責任で発表されたのか、中央薬事審議会の責任で発表されたのか。

また、これは新たにつくられた資料というふうにお見受けをしますけれども、その作成の主体や責任はどこなのかということが一つ。

そしてもう一つは、これでその約束の公開をやったと、これですべてやったんだということで考えておられるのかどうか。 特に中央薬事審議会の中でも調査会報告書とか特別部会報告書とか、いろんな報告書が中の審議の段階においても作成されているはずですけれども、そういう生の資料は発表しないで、こういうつくられたものが発表されたのはなぜか、この点についてお伺いしたいと思います。

○持永政府委員 去る二月に新聞に出ました中央薬事審議会のピシバニール、クレスチン、それから丸山ワクチンの審議概要についての御質問と思いますが、まず中央薬事審議会の調査審議につきましては、丸山ワクチンの申請をめぐりまして、国会でいろいろと御議論がございました。 その中で、中央薬事審議会について非常に密室的な審議をやっているじゃないかというような御意見がございました。

ただ、先生も御承知のとおり、中央薬事審議会の場合には、個々の医薬品の審査という案件を審査するわけでございますから、委員の方々の発言の自由を保障する必要がございますし、またその審議の内容につきましては、個人の秘密あるいは企業の秘密といった部分もあるわけでございます。 ただ、全体として何も公開しないと申しますか、審議概要もわからないというのはおかしいではないかという御議論もございましたので、昨年の十月に中央薬事審議会の委員の改選がございましたその機会に、私ども、中央薬事審議会の公開問題について審議会でいろいろと御議論いただいたわけでございます。 したがって、その御議論の過程で、中央薬事審議会におきます調査審議の内容につきましては、先ほど申し上げましたようにいろいろと問題がございますけれども、そういった問題に支障がない範囲内で、必要に応じて調査審議結果をまとめて公表するという方針を中央薬事審議会で決定されたわけでございます。 それに従いまして今回の公表がされたということでございますが、いま申し上げましたように、そういったことで中央薬事審議会の決定を受けた形での公表でございます。

今回の公表につきましては、中央薬事審議会に常任部会というのがございますが、それの了承を得まして公表したものでございまして、その公表は、中央薬事審議会の事務局でございます厚生省がまとめたものでございます。

それから、調査会の報告書とか、そういった中間の段階のものをなぜ公表できないか、こういうような御質問でございますけれども、中央薬事審議会におきます調査会の報告書というものは、先生も十分御承知のことと思いますけれども、最終的な審議結果ではございませんで、審議の過程のものでございます。 したがいまして、その内容が個別の案件に係るものでございますし、また先ほど申し上げましたとおり、個人の秘密あるいは企業の秘密といったものに該当するものもございますので、一般的に公表することは適当ではないということで、こういったことも中央薬事審議会で御決定を見ておりますし、そういった形での現在の公表のあり方というのは、中央薬事審議会の審議結果を概要として公表するということになっておるわけでございます。

○菅委員 結局、厚生省の責任で公表したと考えていいのですか、それとも中央薬事審議会の責任ですか。 それだけ簡単に答えてください。

○持永政府委員 中央薬事審議会の了承を得て厚生省が公表したということで御理解をいただきたいと思います。

第096回国会 衆議院 社会労働委員会 第3号

何故、「中央薬事審議会のピシバニール、クレスチン、それから丸山ワクチンの審議概要」「そういう生の資料」が必要なのか。 第094回国会 衆議院 社会労働委員会 第20号でも山崎説明員が「企業秘密の問題が、製剤の方面について多少残っております」として申請データの全面公開は難しいと回答している。 承認基準と丸山ワクチンの申請データがあれば、丸山ワクチンの審査が妥当に行われているかはチェックできる。 承認基準が明確であれば、それが医学的に妥当な基準かどうかもチェックできる。 第094回国会 衆議院 社会労働委員会 第20号の菅委員の質問内容を見る限り、既に、丸山ワクチンの申請データは入手しているようである。 それだけあれば、丸山ワクチンの検証は十分に可能である。 にもかかわらず、丸山ワクチンの検証に不要な入手しにくい情報に固執するのは何故か。

○菅委員 ここにも公表された資料があるのですけれども、この資料を読んでいると、非常にいろいろな問題で、わからないというかおかしなところがたくさん出てくるわけです。

たとえば一つだけ事例を挙げてみますと、SSM、いわゆる丸山ワクチンというものについて私が聞いているところでは、いまがんに対して非常に効果があるのではないかと言われるインターフェロンを誘発する作用があるのではないかということが言われていると思うのですけれども、そういうことが抗悪性腫瘍剤調査会の中で審議をされたのではないか、またその調査会報告書には出ているのではないかと思うのですが、この報告書の中にはそういうインターフェロンがどうであるなんということは一言も出ていないのですね。

このインターフェロンについては審議の過程の中で議論があったのですか、なかったのですか。

○持永政府委員 先生いま御指摘のインターフェロンの問題でございますけれども、これにつきましては、申請の資料にはそういうものがあったかもしれませんが、調査会の報告書の中ではそういったものは一切触れられておりません。

○菅委員 もう一回確認しますけれども、調査会報告書の中にはインターフェロンに関する記載はないと言われるのですね。 ――急いでください、時間がありませんから。

○持永政府委員 調査会報告書にはございません。

○菅委員 私が入手した資料がもし間違っていれば間違っているのかもしれませんけれども、調査会報告書のある部分の抜粋を引き写したものがここにあるのです。 この中を見てみますと、たとえば「インターフェロン産生を含む広義の自己防衛機構の促進にあるとしている。」とか、 またSSM五ミリグラムを投与すると、五時間後の血中には幾ら幾らのインターフェロンが計測されたとかという記載が、抗悪性腫瘍剤調査会の七月十日の調査会報告書の中にちゃんと出ているということがあるのですけれども、どうですか。

○持永政府委員 それは先生、いまあれされているのは、申請書に出ている内容じゃないかというふうに理解をいたしております。

第096回国会 衆議院 社会労働委員会 第3号

「SSM五ミリグラムを投与すると、五時間後の血中には幾ら幾らのインターフェロンが計測された」は、丸山ワクチンに効果があることを期待させる事実であるが、丸山ワクチンの効果を何ら証明しない。 だから、「審議の過程の中で議論が」なかったとしても何ら不思議ではない。 持永政府委員の説明は、菅委員の「審議の過程の中で議論があったのですか、なかったのですか」との質問への回答である。 だから、「調査会の報告書の中ではそういったものは一切触れられておりません」とは、「審議の過程の中で議論」としては記載されていないということだろう。 「審議の過程の中で議論」以外の「申請書に出ている内容」の紹介として「インターフェロンに関する記載」の存在まで否定する意図はなかったと思われる。

○菅委員 それじゃ、この場で改めてSSMに関する抗悪性腫瘍剤調査会の調査会報告書の提出を求めたいと思います。

委員長、ぜひ取り計らっていただきたいと思います。

○持永政府委員 先ほど申し上げましたとおりに、調査会の報告書というのは、審議過程の中間的な段階のものでございますので、これを一般的に公表するということは、私どもとしては適当でないというふうに考えておるわけでございます。

第096回国会 衆議院 社会労働委員会 第3号

何故、「SSMに関する抗悪性腫瘍剤調査会の調査会報告書の提出」が必要なのか。 承認基準と丸山ワクチンの申請データがあれば、丸山ワクチンの審査が妥当に行われているかはチェックできる。 承認基準が明確であれば、それが医学的に妥当な基準かどうかもチェックできる。 第094回国会 衆議院 社会労働委員会 第20号の菅委員の質問内容を見る限り、既に、丸山ワクチンの申請データは入手しているはずである。 それだけあれば、丸山ワクチンの検証は十分に可能である。

○菅委員 そうしますと、これは完全な水かけ論になるわけですよ。

じゃ、もう一つ事例を挙げましょうか。 毒性についての中身が、この調査結果にはほとんど出ていない。 概論的にここに「毒性試験等について種々の観点から調査審議が行われたが、」その有効性、安全性を確認するにはいまだ資料が不十分であった。 たとえば特殊毒性とか一般毒性とか、そういう毒性についての議論というのは調査会でなかったのか、調査会の報告書で特別部会に上がってないのか、その点はどうですか。

○持永政府委員 SSM注射液の場合には、毒性についての議論は余りなかったようでございます。

○菅委員 少なくとも私が聞いている話では、議論がなかったのではなくて、大体大丈夫だということであったと思うのです。 皆さんが公表された資料の中では、「有効性と安全性を確認するには未だ資料が不十分であり」云々と、有効性の方はいろいろ議論があることはわかりますけれども、安全性についてもそういう言い方をしているのですね。 議論がなかったのじゃなくて、副作用については特にその弊害が認められないということじゃないですか。

○持永政府委員 副作用につきましては、先生御指摘のとおり、SSMの注射液は、余りそういった弊害はないというようなことであったというふうに理解いたしております。

○菅委員 それじゃ、何でこんなこと書いてあるのですか。 安全性を確認するには、いまだ資料が十分じゃないという書き方が、皆さんが発表された文書の中に出ているじゃないですか。 毒性試験等についてもやったけれども、十分じゃないからさらに研究が必要だ。 有効性だけじゃなくて、安全性についてもそういうふうに書いてあるじゃないですか。

○持永政府委員 ここで書いてございますのは、本来の有効性と安全性を確認するにはいまだ資料が不十分であるということで、有効性、安全性両方につきまして資料が不十分だということを言っておるわけでございます。

○菅委員 幾ら何でも、そういういいかげんな言い逃れはやめてくださいよ。 この部分は第三項目で、「本剤の基礎的研究資料については、一般薬理作用、効力を裏付ける動物試験及び毒性試験等」、この後からが臨床試験のいろいろな問題に入るわけですが、少なくともこの「有効性と安全性」の安全性については、副作用の基本的な問題が入っているはずですよ、基礎的な、まさに基礎的なものが。 それは調査会報告書に入っているはずですよ。 どうですか。

○持永政府委員 調査会報告書に一部入っております。

第096回国会 衆議院 社会労働委員会 第3号

菅委員の証言によれば、「調査結果」に書かれていることは「その有効性、安全性を確認するにはいまだ資料が不十分であった」であって、「安全性を確認するには、いまだ資料が十分じゃない」ではない。 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下「薬事法」)第14条第2項第3号では、「その申請に係る効能又は効果を有すると認められないとき」「その効能又は効果に比して著しく有害な作用を有することにより、医薬品又は医薬部外品として使用価値がないと認められるとき」のいずれかに該当するとき「承認は、与えない」としている。 第095回国会 参議院 社会労働委員会 第3号において、持永和見政府委員も「医薬品というのは、有効性の問題と安全性の問題の両方の面から比較考量して医薬品の承認が決められる」と証言している。 このように、安全性は「その効能又は効果に比して」判定されるものであって、安全性単体では評価の対象とならない。 だから、「調査結果」には「有効性、安全性」とセットで書かれているのである。 「余りそういった弊害はない」ということは副作用が小さいことを意味するが完全に零であることまでは意味しない。 そして、「その効能又は効果」が零であれば極わずかな副作用であっても許容できないので、「余りそういった弊害はない」では不十分である。 だから、有効性が明らかになっていない以上、「その効能又は効果に比して」どうかという判定はできないのである。

○菅委員 結局私が申し上げたいのは、翌日の読売新聞に、「丸山ワクチン、有効率低い」「二・六%、試験更に必要」とか、二・六%の効果しかないんだという言い方で、新聞紙上でもかなり数字が飛び交っているわけです。 これは薬務局長、まだいまのポストにおられる前ですけれども、昨年の段階でも、三%以下とか、いろいろな数字がこの件については飛び交ったわけです。

この皆さんが出されたものを見てみると、単独療法の中で、いわゆる腫瘍縮小効果が三十九例中一例申請データにはあると書いてあるけれども、それも実は認められなかった。 簡単に言いますと、腫瘍縮小効果は一件も認められなかったということが書いてあるのです。 わざわざ二・六ということが、これは新聞社の責任だと言えばそうかもしれないけれども、しきりにそういう数字になってくる。

皆さんのところは自分たちに都合のいいというか悪いというかそこだけピックアップをして強調していて、先ほどのインターフェロンの話は未確認ですけれども、私が入手している資料であれば確実に議論がされている、動物実験がされている。 そういうものが全部落ちている。 これでは公開どころではなくて情報操作じゃないですか。 どうなのですか。

○持永政府委員 私どもとしてはそういう気持ちでこの資料をつくったわけではございません。 あくまでも国会の論議を踏まえた形で中央薬事審議会の概要をまとめてそれを公表するという形でつくったものでございまして、先生がおっしゃるように情報操作というような形でつくったつもりはございません。

第096回国会 衆議院 社会労働委員会 第3号

「腫瘍縮小効果が三十九例中一例申請データにはある」なら、単純に奏功率にして約2.6%である。 しかし、「一例」にしか過ぎないなら、第094回国会 衆議院 社会労働委員会 第20号で梅原参考人が言及した自然退縮例である可能性が否定できないので、「腫瘍縮小効果は一件も認められなかった」とする評価は妥当である。 これが、3900例中100例であるなら、効果は弱いが腫瘍縮小効果が認められると言えるだろうが、「三十九例中一例」ではそのような評価はできない。

既に説明された通り「先ほどのインターフェロンの話」は丸山ワクチンの効果を何ら証明しない。 「概要をまとめてそれを公表するという形」であれば、何ら効果の証明とならない「先ほどのインターフェロンの話」は省略されていてもおかしくはない。 一方で、腫瘍縮小効果は従来からある承認基準であるから、「そこだけピックアップをして強調」されるのは当然であろう。 これを「これでは公開どころではなくて情報操作」と言うのは言いがかりであり、「先生がおっしゃるように情報操作というような形でつくったつもりはございません」という回答の通りである。

○菅委員 薬務局の皆さんはよく御存じだと思いますが、このときの審議の中で、当時の桜井座長にも参考人でおいでいただいて話を聞いたときに、抗悪性腫瘍剤調査会の段階でいろいろな議論があった後、その中のデータについて、それをつくられた学者の人がそういうふうな認定の仕方は間違っているということで、これは議事録にもありますけれども、桜井座長がそれについては特別部会の方で訂正をいたしましたという言い方もされているわけです。 そして、よく御存じのように、最終的な答申は非常に重要な附帯決議がついたわけです。

しかし、皆さんが発表されたこの結果を見ますと、「なお一部の臨床試験実施責任者から行われた申請資料内容の訂正申し入れについても、参考資料として医薬品特別部会及び常任部会において慎重に審議が行われたが、その内容は本剤の有効性に関する最終的な結論に影響するものではないと判断された。」こんなふうにまだ書いてあるわけです。

しかし、実際には最終答申にどう書いてあったか。 有効性については確認できないけれども、決して無効ではないのだということを一言わざわざ入れているのです。 あと有効性を確認するためにはこういうことをやってほしいということまで入れているのです。 調査会段階でそれだけの差が出ているわけです。

それを皆さんが発表されたときには、いろいろ検討したけれども、そんなのは一顧だに値しないみたいな書き方をしているわけです。 これはどういうことなのですか。

○持永政府委員 薬事審議会の答申は、先生も御承知のとおり、現段階では有効性を確認することはできないという答申になっておるわけでございます。 ここで言っております「本剤の有効性に関する最終的な結論」というのは、現在出されたデータ、出された資料から薬事審議会としてはそういうような判断をしたわけでございまして、そういった意味で「本剤の有効性」というのは答申の本文にかかわるものだと御理解いただきたいと思います。

第096回国会 衆議院 社会労働委員会 第3号

第094回国会 衆議院 社会労働委員会 第20号において、桜井参考人は「その中のデータについて、それをつくられた学者の人がそういうふうな認定の仕方は間違っている」などとは一言も言っていない。 桜井参考人は「その値が数学的に有意でも、有意義であるかどうかは診療医が決めることであるというのが佐久間先生の意見でございました」と、「それをつくられた学者の人」の話が正しいという前提で説明している。 また、桜井参考人が「特別部会の方で訂正をいたしました」としたのは、「確実な診断つまり組織診断がしてない」「II期の胃がんであれば手術ができるのではないか」等の具体的理由の明確な疑義に対してであり、「後になって後藤教授から、組織診断ができた、それから肝臓に転移が出た」「II期というのはこういう理由で手術はしなかった」等の報告が後から出てきたことによって、それらの疑義が晴れたことを指している。

「なお一部の臨床試験実施責任者から行われた申請資料内容の訂正申し入れについても、参考資料として医薬品特別部会及び常任部会において慎重に審議が行われたが、その内容は本剤の有効性に関する最終的な結論に影響するものではないと判断された」は、第094回国会 衆議院 社会労働委員会 第20号における証言と完全に一致している。 「そんなのは一顧だに値しない」というよりは、結論を左右するほどの大きな差ではなかったということである。

「最終答申」に書いてあることは「決して無効ではないのだ」ではなく、無効とは断定できないということである。 効く証拠もないが効かない証拠もない、というだけのことにすぎない。

○菅委員 大臣、よく御理解いただきたいのですけれども、私この問題でいろいろな方の話を伺ったのですが、情報の公開ということの持つ意味を十分に理解していただいていないのじゃないかという感じが非常にしたわけです。

昨年来のこの委員会の議論の中でも、中央薬事審議会がある結論を出すと――結論が是か非かという問題は確かに専門家の皆さんの審議で決められるとすればそれはそれとして尊重しなければいけないと思うのです。 しかし、その審議そのものが公正に行われていたのか、出された資料がちゃんと判断されていたのか、どういうふうに判断されていたのか、それについていろいろと疑義が出てきたわけです、委員の問題、いろいろな問題で。 そういうことに対して、それではできるだけ公表しましょう、公開しましょうということで出てきたわけです。 しかし、公表されたものは、また新たに公表のためにこうやって資料をつくって、少なくとも私が入手している腫瘍調査会の報告書とかそういうものの中からは重要なところでたくさんの項目を落とし、部分的なところだけはちゃんと並べてある、そういうものになっているわけです。

ですから、こういう形で情報公開をしたのだと言われると、極端に言えばしないよりもっと悪くなる。 つまり、行政に都合のいいところだけピックアップをして公表し、都合の悪いところは押さえてしまうわけです。 そして、中身を見せてくれと言ったら、個人の何とかとか企業の何とかで見せられない。 この問題は人間の安全にも関することですし、この調査会報告書はぜひ出していただきたい。

私は、昨年の審議の中では、ピシバニールの調査報告書とクレスチンに関する報告書は厚生省から直接にいただきました。 そういう事例もありますし、別にそれを見たからといって、その内容は必要であればまたあれしますけれども、そのクレスチン、ピシバニールの調査会報告書と今回出されたこの審議結果というのは、語句を含めてほとんど同じです。 それらは調査会報告のまますいすいといって答申になっていますから、それはわかります。

しかし、今回出されたSSM、丸山ワクチンに関する報告書だけは、審議結果だけは非常に大きく変わっていますし、重要なところが記載されていない、私の入手している資料によればそうなっています。 しかし、これが確かに本物であるかどうかと言われれば私もわからない。 これはどうしても出していただかなければこのまま納得するわけにはまいりません。

○森下国務大臣 丸山ワクチンの問題につきましては、昨年大きな問題になりまして、附帯決議等が付与されたわけでございまして、ただいま治験薬として実験を続けております。

ただいま、情報公開という線で調査結果を出せというようなお話がございました。 薬務局長の方から企業秘密とかいろいろございまして出せないということでございますし、この点私は、直ちにここで出しますと言うことははばかりたいと思います。 ただ、この丸山ワクチンの問題は社会問題、医療問題、政治問題等、余りにも大きな問題になったことでございます。 私としては、中央審議会の権威もございますし、また厚生省としてもこの問題を公正に取り扱って、そしていろいろ疑義のあった点も解明いたしたいという気持ちでおるわけでございまして、できるだけ早くこの研究結果が出るように期待しております。

そういうことで、この資料、調査結果を出せるか出せないかは、関係者とよく相談をいたしまして後刻また御連絡いたしたい、このように思っております。

○菅委員 大臣の積極的なと理解したい御答弁ですのでその結果を待ちたいと思いますけれども、少なくとも私の言っている資料はどうしても理事会なり何なりに提出をして――いまのでは全く議論が食い違っているわけです。 そのままの形でこのままおさめるわけにいきませんので、理事会の中でもこの資料要求についてどう扱うか、ぜひ委員長の方でお取り計らいいただきたいということを申し添えて、私の質問を終わりたいと思います。

第096回国会 衆議院 社会労働委員会 第3号

菅委員は「その審議そのものが公正に行われていたのか、出された資料がちゃんと判断されていたのか、どういうふうに判断されていたのか、それについていろいろと疑義が出てきた」と主張する。 しかし、少なくとも、丸山ワクチンに限って言えば第094回国会 衆議院 社会労働委員会 第20号で「審議そのものが公正に行われていたのか」「出された資料がちゃんと判断されていた」「どういうふうに判断されていたのか」等は明確に説明されている。 「丸山ワクチンに関する報告書だけは、審議結果だけは非常に大きく変わっています」理由も明確に説明されている。 菅委員らが、聞く耳を持たずに、「なぜなのか、何度聞いてもわからない」等の難癖をつけているだけである。


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