抗がん剤の発がん性

はじめに 

このページは化学療法(抗がん剤)の一部です。

抗がん剤による二次発がんの事実 

殺細胞性(従来型)の抗がん剤には僅かながら発がん性があることはまぎれもない事実です。 そのことはタブーでも何でもなく公開された情報です。

「抗がん剤は増がん剤」の嘘 

偽医療推進者は「抗がん剤は増がん剤」と揶揄します。 しかし、抗がん剤による二次発がんには10年以上かかることから、10年以上生存した人だけが悪影響を受けます。 そして、二次発がんの確率はそれほど高くないので、実際に抗がん剤によって二次発がんする人は極僅かです。 よって、その抗がん剤が効く患者であれば、治療効果の恩恵は二次発がんの損失を大きく上回ります。

もちろん、がん患者でない人にとっては百害あって一理なしです。 とくに、日常的に抗がん剤を扱う医療関係者は、長期に渡って害に晒され続けるため、二次発がんの危険性が高くなります。 だから、医療関係者向けに取り扱いに注意するよう指示する文書が出されています。 偽医療推進者は、その事実をもって、抗がん剤の治療を受けるべきではないと主張します。 しかし、それを鵜呑みにする前に、何故、それが医療関係者だけに向けられた注意なのかをよく考えることです。 「患者の命を弄んでいる」などの馬鹿げた陰謀論を信じる前に。

「米国政府公式文書が抗がん剤を否定している」の嘘 

偽医療推進者は、米国政府機関の報告書等に「抗がん剤は増がん剤」と書かれていると主張します。 しかし、以下の通り、「米国政府公式文書が抗がん剤を否定している」は偽医療を正当化するために偽医療推奨者が用意した創作です。

OTAレポート 

偽医療推進者は、米国連邦議会技術評価局(Office of Technology Assessment)の1990年のOTAレポートが抗がん剤を否定していると主張します。 しかし、偽医療推奨者は、年間30〜40件公表されるレポートのうち、どのレポートであるのか明らかにしません。 どういうわけか、偽医療推進者は、裏付けとなる証拠を一切出さないのです。

OTAレポートを参照して貰えばわかる通り、該当するレポートは"ota_h_405/unconventional_cancer_treat"しかありません。 そして、これは、生存期間や生存率を改善しても完治するとは限らないこと、薬剤耐性と副作用があることなどによる治療の限界について言及したに過ぎません。 治療効果を否定する記述はなく、逆効果であるとも書かれていません。 偽医療推奨者の主張は、薬事法違反で逮捕歴のある健康食品輸入販売業者の今村光一氏の書籍にのみ記載されている内容です。 今村光一氏が、治療の限界について言及した記述を抗がん剤を否定する内容に作り変えたと考えられます。

「がんの病因学」(NCI) 

偽医療推進者は、米国国立がん研究所(NCI)の「がんの病因学」という文書に書かれていると主張します。 しかし、偽医療推進者は、原典のタイトルすら明らかにしません。 どういうわけか、偽医療推進者は、裏付けとなる証拠を一切出さないのです。 検索 - NCIで、米国国立がん研究所(NCI)が公表している文書を検索できます。 しかし、不思議なことに、病因学を意味するEtiologyやAetiologyで検索しても、それらしい文書はヒットしません。

「米国議会で抗がん剤は無力だと証言された」の嘘 

偽医療推進者は、米国国立がん研究所(NCI)の所長だったVincent Theodore DeVita, Jr. (ヴィンセント・デヴィータ)氏が抗がん剤は無力だと1985年の米国議会で証言したと主張します。 本当にそのような発言があったなら、米国議会の議事録に載っているはずです。 しかし、偽医療推進者は、何月何日の何委員会で証言したのか明らかにしません。 どういうわけか、偽医療推進者は、裏付けとなる証拠を一切出さないのです。

通常医療と闘う偽医療を参照して貰えばわかる通り、当のDeVita氏は米国がん学会誌のCancer Researchに掲載した論文のPassage of the Cancer Act of 1971 and Beyond (1971年以降のがん法の成立)の項で米国でのがんの死亡率の低下の原因の半分は主に化学療法を含むがん治療の進歩によるものと書いています。 よって、DeVita氏が抗がん剤は無力だと証言するとは考えられません。 ただし、OTAレポートと同様、治療の限界について言及した可能性はあります。 そして、それは、抗がん剤の開発にさらなる予算を投じるべき理由となるので、DeVita氏が証言する動機となり得ます。 おそらく、偽医療推奨者は、治療の限界について言及した証言を抗がん剤は無力だという内容に作り変えたのではないでしょうか。 以上の通り、「抗がん剤は増がん剤」は偽医療を正当化するために偽医療推奨者が用意した創作です。

尚、この件がDavid Sidransky (デビッド・シドランスキー)氏のこととして語られることがあります。 David氏は1984年にヒューストンのベイラー医科大学で医学博士号を取得しているので、1985年の段階で米国国立がん研究所(NCI)の所長となることは不可能です。 米国国立がん研究所(NCI)の公式記録でも、1980年〜1988年の所長はDeVita氏です。 よって、David氏が1985年に米国国立がん研究所(NCI)の所長として証言することは不可能です。

「抗がん剤が毒ガスから作られた」は本当のことだが… 

最初の抗がん剤がマスタードガス(毒ガス)から作られたことも歴史的事実です。 そのことは医療関係者が普通に大学や専門学校で教えられるようです。 しかし、それは使い方次第では毒も薬になることを示しているだけです。 医薬品の価値は、何から作られたかではなく、副作用(意図しない作用)を上回る効果があるかどうかで決まります。 だから、毒ガスから作られたという事実では、抗がん剤を否定する根拠には全くなりません。

抗がん剤の限界 

尚、確かに、抗がん剤で完治が見込める症例は限られます。 偽医療推進者は「延命では意味がない」と主張しますが、偽医療では完治どころか延命すら見込めません。 そして、完治も延命の一種にすぎません。 何故なら、人は不老不死にはなれないからです。 つまり、延命の価値を否定しては、完治の価値をも同時に否定することになります。

抗がん剤の損得 

抗がん剤に限らず、どんな薬にもプラス面とマイナス面があります。 だから、薬を使用する場合は、トータルの損得を考える必要があります。

健常者にとっての損得 

健常者にとっては、治療効果が見込めず、プラス面が全くありません。 そして、抗がん剤には強いマイナス面があります。 そのため、通常の医薬品の治験の第1相試験は健常者を対象としますが、抗がん剤の第1相試験はがん患者を対象とします。

がん患者にとっての損得 

抗がん剤を使うべきかどうかは、トータルの損得を考える必要があります。

  • 当該患者にとって効果があるかどうか
    • なければ使う意味はない
    • あるなら↓
  • 当該患者にとってプラス面がマイナス面を上回るかどうか
    • マイナス面の方が大きければ使う意味はない
    • プラス面の方が大きければ試す価値はある

殺細胞性(従来型)の抗がん剤の発がん性については次のことが言えます。

  • 一定程度の発がん確率はあるが、それほど高くはない
  • 新たながんの発症は10年以上先になる

通常、抗がん剤は5年生存率を改善する目的で使用されます。 10年以上先の新たながんの発症を気にして治療を拒否した結果、今罹患しているがんで5年以内に死ぬのでは本末転倒です。


このページへのご意見ははじめてのがん治療BBSにどうぞ。

メニュー

医療制度

  • 医療制度問題
  • 医療費

がん治療

情報選別法

注意を要する“治療”法

外部リンク