科学的根拠

基本 

まず、科学的根拠があるのかどうかを確認しましょう。 科学的根拠とは、効く原理を説明することではなく、人間に試して効くことを証明することです。 そして、効くことを証明するとは、病状が改善した症例を示すことではなく、治療と病状改善の因果関係があることを示すことです。 そのためには、統計的に意味のある臨床データが必要です。 証明は「メカニズムは解らないが効く」で十分ですが、治療効果を標榜しながら通常医療として採用されないものは「メカニズムは立派だが効かない」ものばかりです。

詳細は健康情報を評価するフローチャート等を参考にしてください。

成分や療法の定義 

成分が明らかな物どおしは同一物かどうか区別できます。 また、製造方法が明らかな物どおしも同一物かどうか区別できます。 では、成分や製造方法が不明な物は、何をもって同一物かどうか区別するのでしょうか。

同一物かどうか区別できない物は、言い替えると何物なのか得体の知れない物ということです。 そのような物に対しても効果を確かめることは可能ですが、どんな物質の効果を確かめたのかは定かではありません。 つまり、同一物かどうか区別できない限り、オリジナルの物質の効果を実証しても、再生産した物に対する実証にはなりません。 たとえ、同一の商品名であっても、オリジナルと再生産物が同一物であると立証できない限り、オリジナルの実証データは再生産物の実証データには成り得ません。

まとめると、同一物かどうか区別できない物、つまり、何物なのか得体の知れない物の効果を実証することは不可能です。 言い替えると、効果を実証するためには、同一物かどうか区別できること、何物なのか分かることが必須条件です。

特殊能力 

個人の特殊能力に依存する療法は、科学的に実証不可能です。 なぜなら、事の真偽と無関係に、必ず、実験の結果が成功になるからです。

本物の能力者であれば実験は成功するでしょう。 しかし、イカサマ師であっても実験は成功します。 なぜなら、失敗したりトリックを暴かれたりするような実験に参加するイカサマ師は居ないからです。 イカサマ師が実験に参加するのはトリックを確実に成功させる絶対的自信があるからです。

どちらにしろ、成功した実験結果からは本物かも知れないしイカサマ師かも知れないとしか言えません。 療法の定義が明確であれば、中立的な第三者の検証が可能です。 しかし、個人の特殊能力に依存する療法では、第三者の検証ができません。 これでは実験は何の証明にもなりません。

立証責任 

日本に限らず、欧米でも、治療法の効果を示すのは、提唱者や使用者の責任です。 だから、効く証拠がないのに効かない証拠を求めたり、相手の無知のせいにして効く証拠の提示を拒んだり、立証責任を転嫁するような話は要注意です。 陰謀論を持ち出して社会から抹殺されたとする言い訳も、お金がなくて医薬品申請ができないなどの言い訳も、どちらも効くと主張しながら効果を立証しようとしない立証責任の転嫁です。 本当に効果があるなら臨床試験にかかる費用|医薬品申請を考慮しても十分に承認は可能です。 このように、未承認医薬品の宣伝を禁じた薬事法の規定は合理的な物であり、国民の知る権利を侵害してはいません。


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