第136回国会 衆議院 厚生委員会 第19号
これは丸山ワクチンの真相の一部である。
○竹村泰子君 先ほど見ていただきました病院と助産所の出産の分布、助産所は余り偏りがないのに病院は平日の昼間に集中している、病院が陣痛促進剤の使用などにより病院の都合のいいように出産時期をコントロールしている、まさにそのデータであると思います。 このような危険を伴う、必ずとは言いませんが、危険を伴う例が多くあるものを使う、こうしたコントロール、病院の都合による患者不在のまさに医療ではないかというふうに思います。 今、調査をし直しているというふうなお返事でしたけれども、ぜひこういったことをきちんと調査し、そして自然に反するような、そういうことをなるべく医療の現場でしなくてもいいような、そういう行政指導をしていただきたいと痛切に思うわけでございます。
では、もう余り時間がなくなりましたので、丸山ワクチンについてちょっとお伺いをしたいと思います。
これは、実は菅大臣が社労委員でいらっしゃった間非常に熱心に丸山ワクチンのことを質問しておられまして、私も議事録をまた改めて拝読いたしました。 丸山ワクチンのことはもう詳しく言わなくても皆さんおわかりだと思いますけれども、丸山ワクチンが使用され始めましてからもう十七、八年、そして今は三十二万人に及ぶ患者、そして紹介医師数も二万数千名に達している。 使用患者のほとんどは末期のがんであり、しかもほかの既存の治療では効果が得られなかったためにこの丸山ワクチンを使ってかなり日常的にとてもいい結果を得ている方が多いということで、丸山ワクチンの今の有償治験という中途半端な形、これをいつまで続けていくのか、私は菅大臣にお考えを聞かせていただきたいと思います。
この壁は一般に四つぐらいあるのではないかと、これを承認に導けない壁は。腫瘍の縮小率、これがやっぱりきちんと出せない。 それから、なぜ効能があるのかが解明できていないということ。 それから、厚生省の医療費抑制の壁もあるのではないかとか、あるいは中薬審と学会の間に製薬メーカーの影がちらちらというふうないろいろな壁があるというふうに聞いておりますけれども、菅大臣が一番お詳しいと思いますのでお考えを聞かせていただきまして、三十二万人の人々のために継続をしてほしい、決してその使用を打ち切らないでほしい、そして承認に向けて御決断をいただきたいというお願いでございます。 大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(菅直人君) 今、竹村さんがおっしゃったように、私もこの件についてはかなり早い時点から社会労働委員会などで取り上げてまいりました。
それはそれとしまして、現在の状況を、まだ詳細には把握しておりませんが、一応の状況を御報告申し上げますと、丸山ワクチンにつきましてはゼリア新薬工業が昭和五十六年の中央薬事審議会答申で附帯意見が付されているわけであります。
一つは、医薬品の恒常性を確保するため、規格及び試験方法の確立。 二つ目は、動物実験の不備な点の充足、また人への至適用量の設定。 三つは、新たな臨床試験成績の収集。 こういったことについて検討を行ってきており、一の規格及び試験方法、二の動物実験は終了している。 そういうことでいえば三がまだ継続しているということになるわけです。
臨床試験については、丸山ワクチンの抗がん剤としての効果を実証するに足る資料を得るため、期間を区切って試験を行っているわけですが、現在四回目の延長中で、この有償治験の期間が平成九年度末に、次の一つの延長されているところが平成九年度末でありまして、このときをめどにして有償治験の臨床試験を継続している、こういう状況になっております。
この件につきまして私もまだ詳細にその後の動きを調査しておりませんので今私が個人的な思いで物を言うということもできませんが、この有償治験という形がやや異例の形であるということは御指摘のとおりですし、また一方では大変長い時間にわたって多くの人に使われているということの実際の状況もよく承知をいたしておりますので、どういう形でこの承認申請について検討が、さらに必要なことについてどう検討すべきところが残っているのかについてはもう一度よく状況を把握してみたいと、このように考えております。
○竹村泰子君 ありがとうございます。
今の問題では例えば抗がん剤の副作用被害が随分報告されております。 例えば効き目が強いと言われている抗がん剤イリノテカン、そのイリノテカンによる臨床試験で副作用による死亡が五十五人に上っていたというふうな報道がされているような、ほかにも抗がん剤、ソリブジンも抗がん剤との併用でありましたし、たくさんの被害が報告されている中で、やはり丸山ワクチン、一生懸命がん患者のために頑張ってきたと思うんですね。
ですから、ぜひ大臣の御決断をお願い申し上げたいのと、それから薬事審をやはり大臣の御英断で改革するべきであると先ほど申し上げましたけれども、ぜひ大きな改革を目指して大臣に頑張っていただきたい。
最後に、もしよければ一言お答えいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(菅直人君) 先ほどの答弁の続きにもなりますが、厚生省として今後の臨床試験の進捗を見守り、試験データが提出された場合に適切に審査を行うこととしているというのが現在の状況であります。
中央薬事審議会のあり方につきましては、実はつい数日前、中央薬事審議会の南原会長と高久会長代理にお会いをいたしまして、中央薬事審議会の公開のあり方、あるいは今後中央薬事審議会で薬の承認という問題だけでなくてまさに薬事行政のあり方などについて議論をいただく場合には、今のように薬の専門家だけではない、もうちょっと幅広い人を加えていただいた方がいいのではないかと。 これはもしかしたら厚生省として考えなきゃいけないことかもしれませんが、まず当事者である会長、会長代理ともお話をさせていただきました。
中央薬事審議会、先ほど来の議論のように大変大きな組織でありますが、逆に言いますと皆さんは忙しい本業をお持ちの方でありますので、その中央薬事審議会全体が医療行政の中でどういう位置づけになって、どうなっているかというシステム的な考え方で参加をいただいているというよりも、自分の専門の分野でそれぞれ参加いただいているものですから、そういった問題を含めて、ある意味では一緒になって今後の中薬審のあり方については考えてみたいと、そういう趣旨で割とざっくばらんなお話をさせていただきましたので、今後の中薬審の改革の一つの取っかかりになるのではないかと期待をいたしております。
○竹村泰子君 ありがとうございました。
竹村泰子氏は、「承認に導けない壁」の1つが「腫瘍の縮小率、これがやっぱりきちんと出せない」と主張する。 しかし、丸山ワクチン関連国会議事録では、「腫瘍の縮小率、これがやっぱりきちんと出せない」から、新基準の敗者復活戦を設けたと明言されている。 よって、この敗者復活戦をパスすれば良いのであり、この時点では「腫瘍の縮小率、これがやっぱりきちんと出せない」ことは「承認に導けない壁」にはなり得ない。
竹村泰子氏は、「承認に導けない壁」の1つが「なぜ効能があるのかが解明できていない」と主張する。 しかし、丸山ワクチン関連国会議事録で紹介した範囲では「なぜ効能があるのかが解明」が求められたことは一度もない。 そもそも、「効能がある」ことが証明されていないのであり、だから承認されないのだと明確に説明されている。
竹村泰子氏は、「承認に導けない壁」の1つが「厚生省の医療費抑制の壁」と主張する。 しかし、丸山ワクチンは効果を証明していないので、「厚生省の医療費抑制の壁」以前の問題である。
竹村泰子氏は、「承認に導けない壁」の1つが「中薬審と学会の間に製薬メーカーの影」と主張する。 しかし、丸山ワクチン関連国会議事録では、丸山ワクチンが適正に審査されたことが明確に説明されている。 従来基準において適正に審査し、従来基準をパスしない丸山ワクチンのために前例のない敗者復活戦を設けたことは、丸山ワクチン擁護者の参考人達も認めている。
竹村泰子氏は、「効き目が強いと言われている抗がん剤イリノテカン、そのイリノテカンによる臨床試験で副作用による死亡が五十五人に上っていたというふうな報道」を引き合いに出して、「丸山ワクチン、一生懸命がん患者のために頑張ってきた」と主張する。 しかし、それは丸山ワクチンを承認する理由にはならない。 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第14条第2項第3号では「その効能又は効果に比して著しく有害な作用を有することにより、医薬品又は医薬部外品として使用価値がないと認められるとき」に「承認は、与えない」としている。 第095回国会 参議院 社会労働委員会 第3号で持永和見政府委員も「医薬品というのは、有効性の問題と安全性の問題の両方の面から比較考量して医薬品の承認が決められる」と説明している。 だから、「副作用による死亡が五十五人」であろうとも、それが「効果に比して著しく」なければ、すなわち、「副作用による死亡が五十五人」を上回る効果が認められば承認されるのである。 効果を証明していない丸山ワクチンは、「比較考量」以前の問題である。
第094回国会 衆議院 社会労働委員会 第20号、第095回国会 参議院 社会労働委員会 第3号で丸山ワクチンを承認しないのはおかしいと激しく詰め寄っていた菅直人氏も、厚生労働大臣になった途端に、これまでの官僚や大臣達と同じ答弁をしている。 それはそうだろう。 これまでの経緯について、知識等の不足で菅直人氏が理解できなかった部分も含めて、官僚達から懇切丁寧に説明されれば、疑問を挟む余地などありはしないのだから。 グウの音も出ないほど正論を突きつけられたら、その正論以外の答弁ができるわけがない。
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