丸山氏の息子の主張

これは丸山ワクチンの真相の一部である。

丸山氏の長男の名前を自称する人(以下、「丸山氏の息子」)の主張 

丸山ワクチンを肯定的に取り上げている本はわずかです。

帯津良一先生 伊丹仁朗先生 中井久夫先生 柳原和子氏の著書に限られます。

丸山ワクチン有効のデータ - - 丸山茂雄の丸山ワクチンでがん治療・がん予防

帯津良一氏も伊丹仁朗氏も科学的根拠のない怪しげな“治療法”をすすめる人たちである。 中井久夫氏は精神科医であってがんの治療に関しては素人である。 柳原和子氏はノンフィクション作家であって医者ですらない。

厚生省(現厚労省)が「有効性を判定するデータが不十分」という言い掛かりをつけて不認可にしそうだという情報を得た当時の国会議員は 1981年7月30日に 衆議院「社会労働委員会」を開き 午前10時から 夕方6時過ぎまで 丸山ワクチン問題だけを集中的に 審議しました。


この日の「社会労働委員会」は 党派にかかわらず丸山ワクチンに関心のある国会議員VS厚生省官僚と薬事審議会座長 という形になりました。

「有効性を確認できた データを提出したのだから それで十分だろう。

それを不十分であると主張するのは不公正と不公平があるからだ。」というのが 出席国会議員の主張でありました。

丸山ワクチン有効のデータ - - 丸山茂雄の丸山ワクチンでがん治療・がん予防

丸山氏の息子の主張が全く意味不明である。

丸山氏の息子は「厚生省官僚と薬事審議会座長」が「有効性を確認できた データを提出した」にも関わらず「それを不十分であると主張する」と主張する。 本当に「有効性を確認できた データを提出した」のであれば、「有効性を判定するデータが不十分」は意味不明である。 「厚生省官僚と薬事審議会座長」は本当にそんな意味不明なことを言っているのか。

第094回国会 衆議院 社会労働委員会 第20号の証言を検証すると、有効性を示すデータは1つも提出されていないことがわかる。 つまり、「厚生省官僚と薬事審議会座長」は「有効性を確認できた データを提出」していないから、「有効性を判定するデータが不十分」としているのである。

実質7時間の長い審議でしたから 厚生省官僚と薬事審議会座長の作り上げたシナリオは崩れ「有効性を確認するデータは提出された。」という結論にたっしたと思ったのですが 8月14日に発表された厚生省の結論は 国会の集中審議をまったく無視して厚生省官僚の筋書き通りに「有効性を確認するデータが不十分」という前もって出来あがっていた結論どおりとなり 不認可としました。

丸山ワクチン有効のデータ - - 丸山茂雄の丸山ワクチンでがん治療・がん予防

丸山氏の息子は「『有効性を確認するデータは提出された。』という結論にたっした」と主張する。 しかし、第094回国会 衆議院 社会労働委員会 第20号の証言を検証すると、有効性を示すデータは1つも提出されていないことがわかる。

まず、従来基準に沿ったデータについては次のように説明されている。

  • 丸山ワクチンも他の抗がん剤も「日本癌治療学会基準」に基づいて腫瘍縮小効果を判定した(丸山ワクチン擁護側の証人も認めている)
  • 丸山ワクチンの申請時は腫瘍縮小効果のデータが提出されていなかった(丸山ワクチン擁護側の証人も認めている)
  • 腫瘍縮小効果のデータは追加データとして提出されたが、丸山ワクチンには腫瘍縮小効果が見られなかった(丸山ワクチン擁護側の証人も認めている)

敗者復活戦を新規に設けて比較臨床試験を行ったが、その結果は次のように説明されている。

  • 愛知がんセンターのランダム割付(封筒法)違反による偏りなのか、治療効果なのか区別がつかない
  • 東北大学の臨床試験は、後層(がんの大分類、小分類、病期、治療歴等)別では、差がないか、あるいは、標本数が少なすぎる

その他の提出データについては丸山ワクチンの効果に記載したとおりである。

  • 「丸山らがまとめてきたデータ」は、治療効果がなくても半数以上が「有効」となる独自の効果判定基準であって効果の証明とはならない
  • 「山形の加納医師の臨床結果」は、切除手術を行った患者の5年生存率であるが、丸山ワクチンに治療効果がなくても達成できる数値だった
  • 梅原誠一氏が昭和五十一年に厚生省中央薬事審議会に報告書したとするデータは効果判定基準がデタラメすぎて効果の証明とはならない
  • 「服部隆延先生の論文」は、比較臨床試験ではない他の論文との比較であるが、比較する両者の層(がんの大分類、小分類、病期、治療歴等)が揃っておらず、丸山ワクチンの効果を証明したとは言えない。

「党派にかかわらず丸山ワクチンに関心のある国会議員」の中には有効性を主張する者もいたが、いずれも、体験談動物実験や主観的断定によるものであり、科学的には「有効性を確認するデータは提出された」とは言えない。 「厚生省官僚と薬事審議会座長」の説明内容をすり替えたり、「なぜなのか、何度聞いてもわからない」と都合の悪いことを無視する姿勢が認められるので、「党派にかかわらず丸山ワクチンに関心のある国会議員」は「『有効性を確認するデータは提出された。』という結論にたっした」と主張するかもしれない。 しかし、客観的に見れば「『有効性を確認するデータは提出された。』という結論にたっした」とは到底言えない。

丸山氏の息子は「国会の集中審議をまったく無視して」と主張する。 しかし、既に説明した通り、この「国会の集中審議」の結論は「有効性を確認するデータが不十分」とするものであるから、「8月14日に発表された厚生省の結論」がこの「国会の集中審議」を踏まえていることは言うまでもない。

役所が要求するデータをそろえて出すと あれが足りない これが不足だと言って次々に 無理難題をだして認可をしないようにしましたがあまりに露骨にやりすぎて 国会の介入を招いてしまったのです。

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丸山氏の息子は「役所が要求するデータをそろえて出す」と主張する。 しかし、第094回国会 衆議院 社会労働委員会 第20号の証言によれば、丸山ワクチンの申請時には「役所が要求するデータ」を全く出していない。 丸山ワクチン擁護者の梅原参考人も佐藤参考人も「役所が要求するデータ」を申請時に出していないことを認めている。

丸山氏の息子は「あれが足りない これが不足だと言って」と主張する。 しかし、「役所が要求するデータ」を出していないなら、「役所が要求するデータ」が「足りない」「不足だ」と言われるのは当然である。

丸山氏の息子は「無理難題をだして認可をしないようにしました」と主張する。 しかし、第094回国会 衆議院 社会労働委員会 第20号の証言によれば、従来基準をパスできない丸山ワクチンの敗者復活戦として「比較臨床法によって延命効果を出してみたらどうか」と忠告したとされている。 丸山ワクチン擁護者の佐藤参考人も「したがって延命効果を要求されることは当然でございます」と認めている。 であれば、どこにも「無理難題」など存在しない。

しかし 厚生省は 国会の介入があったとしても 役所の決めた政策は断固死守するという官僚特有の行動様式をとったので 不認可という「名」をとった代わりに 担当者の「首」を差し出しました。

「首」を差し出したのは厚生省の官僚だけではありません。

薬事審議会の主だったメンバー約70数名も入れ替わりました。

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丸山氏の息子は「不認可という『名』をとった代わりに 担当者の『首』を差し出しました」と主張する。 しかし、第095回国会 参議院 社会労働委員会 第3号によれば、「この十月の末日がたまたま薬事審議会の二年という任期の期日に該当する」と説明されている。 従来の委員が再任されなかったことは、この「国会の集中審議」の影響が考えられるが、「不認可という『名』をとった代わり」ではない。 「薬事審議会の委員の改選に当たりましては、従来から国会でいろいろ御議論になったこと、あるいは従来からの閣議了解事項を適切に運用する、そういうような立場で委員の選任を行っている」と説明されている通り、委員の選定は政府の権限であるから、政府の最良次第で幾らでも「国会の集中審議」での要望を反映する余地がある。 しかし、医薬品の承認については、いくら「国会の集中審議」で要望があろうとも、効果を証明しないものは承認できない。 「不認可」を正当化したければ、「不認可」とする正当な理由を示せばよいのであって、「担当者の『首』を差し出」す必要は全くない。 また、「担当者の『首』を差し出」しても、「不認可」とする正当な理由を示せなければ、「不認可」を正当化できるわけではない。 つまり、丸山ワクチンが「不認可」かどうかとは関係なく、「薬事審議会の委員」の人選に「国会の集中審議」で不服意見が出たから再任しなかっただけであって、「不認可という『名』をとった代わり」でも何でもない。

国会審議は本会議だけではなく 各委員会を含めると 毎年膨大な量になると思うのですが さすが国権の最高機関ですから その議論を余すところなく 記録してあります。

以前だったら 国会審議の議事録を 一般人のわたしが読むことなどありえなかったと思うのですがインターネットの時代ですから今では  簡単に 1981年7月30日の衆議院社会労働委員会の議事録を読むことができます。

お時間のある方は 「国会会議録検索システム」から「簡単検索」に入り 第94回通常国会 衆議院 社会労働委員会 7月30日をみると その日の審議を全て読むことができます。

そうすると 厚生省とがん学会主流派の権威達が いかに丸山ワクチンの認可を阻止しようとしていたかがよくわかります。

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丸山氏の息子は「厚生省とがん学会主流派の権威達が いかに丸山ワクチンの認可を阻止しようとしていたかがよくわかります」と主張する。 しかし、第094回国会 衆議院 社会労働委員会 第20号の証言によれば、丸山ワクチンは次のような優遇措置を受けている。

  • 申請データに致命的な不備があるにも関わらず、即却下とせずに、追加データの提出を待った
  • 丸山ワクチンのためだけに、わざわざ、敗者復活戦のための「新たに認可基準を設けた」
  • 敗者復活戦でダメだった後、有償治験扱いで事実上の供給の道を作った

これを見れば、「丸山ワクチンの認可を阻止しよう」としたどころが、真相は全くの逆であることがわかる。

解説 

この議事録を本当に読んだなら「いかに丸山ワクチンの認可を阻止しようとしていたかがよくわかります」という結論が導けないことは明らかである。 これは、確証バイアスと言うよりは、都合の悪い話からは目を逸らしているだけだろう。 確かに、確証バイアスは誰に対しても判断に影響を与える。 いくら中立的・客観的に努めようとしていても、確証バイアスを100%完全に封じ込めることは不可能である。 だから、双方の証拠レベルが拮抗している情報の評価は、確証バイアスによって左右されやすい。 しかし、いくら確証バイアスに囚らわれようとも、中立的・客観的に努めようとする確固たる意志があれば、どちらか一方の証拠レベルが圧倒している情報の評価を逆転させることはあり得ない。 どちらか一方の証拠レベルが圧倒しているにも関わらず、読み手がその評価を逆転させるとすれば、その主たる原因は、確証バイアスではなく、読み手の中立性・客観性の欠如である。

提出データと基準 

初めから根拠もなく「前もって出来あがっていた結論どおりとなり 不認可としました」と決めつける立場を崩さないならば話は別だ。 しかし、「国会審議の議事録」で真偽を検証しようとする気が少しでもあるなら、どんなデータがどんな基準によって「有効性を確認するデータが不十分」と判断されたかについて調べようとするだろう。

では、この「国会審議の議事録」では、どんなデータがどんな基準によって「有効性を確認するデータが不十分」と判断されたと証言されているのか。

桜井参考人は「クレスチンのことにつきましては、」「評価の方法は日本癌治療学会基準というものを使っておりました」と証言し、「丸山ワクチンの場合は、この基準でおやりになったのかどうなのか」との質問には「そのとおりでございます」と回答し、「クレスチンと条件が違っておるのですね」との質問には「違っておりません」と回答している。 山崎説明員も「その単独療法を見る基準というのは癌学会の基準とかそういうもので見る」、「クレスチン、ピシバニールはすでに従来の基準でパスしております」、「丸山ワクチンについては、」「第一次、第二次の審査におきましては、クレスチン、ピシバニールと同様の目で単独療法、併用療法という一般臨床試験の結果を見たところどうもぐあいが悪かった」と証言している。 村山国務大臣も「丸山ワクチンは、前に申請されたそのときには日本癌学会の判定基準によった」、「それで、残念ながら縮小効果が見られない」と証言している。

一方で、丸山ワクチンの申請データの実験の一部を実施した梅原参考人も「腫瘍の縮小を目安とする化学療法剤の効果判定基準は不適当であると考えた」から「効果判定基準として学会提唱の基準を用いなかった」と証言している。 同じく丸山ワクチンの申請データの実験の一部を実施した佐藤参考人も「従来の制がん剤は直接効果を目標として一次効果を判定する」「今回のものは直接効果がございません」「今回のものは全く直接効果をうたっておりません」と証言しており、基準に沿ったデータを提出していないことと基準をパスしないことを認めている。

つまり、申請書類に「役所が要求するデータ」が全く含まれていないことは、「厚生省官僚と薬事審議会座長」も申請データ取得者も双方が等しく証言しているのである。 だから、「あれが足りない これが不足だ」と言われるのも当然だろう。 また、丸山ワクチンが従来基準をパスできないことを「厚生省官僚と薬事審議会座長」も申請データ取得者も双方が等しく証言している。 杓子定規に従来基準を適用したことが不適切だと主張するなら事実を捻じ曲げてはいないが、「役所が要求するデータをそろえて出す」は明らかな捏造である。

村山国務大臣は「残念ながら縮小効果が見られない」「あるいはデータが統計的に不備である」から「比較臨床法によって延命効果を出してみたらどうか、こういう忠告をした」と証言し、新基準が敗者復活戦であることを明言している。

一方で、「党派にかかわらず丸山ワクチンに関心のある国会議員」のうちの一人の山下(徳)委員は「丸山ワクチンについては、」「どうも有効性が確認できない」ので「厚生省の最大の好意」として「これをクリアすればクレスチン、ピシバニールと同じような条件のものはクリアできなくてもいいよ、こういうふうに好意的におやりになったと私は理解します」と、新基準が敗者復活戦であることを明らかに認識した発言をしている。 同じく「党派にかかわらず丸山ワクチンに関心のある国会議員」のうちの一人の菅委員も「それじゃ従来と同じにやりましょう、従来と同じであればがんが縮小する効果は丸山ワクチンには認められないから、それならだめですよ。」と、丸山ワクチンが従来基準をパスできなかった説明を認識したうえで延命効果のデータをとったことを発言しているのだから、当然、延命効果基準が敗者復活戦であることを明らかに認識している。

このように丸山ワクチンが従来基準をパスできないので、少しでも承認される可能性を追求するために、新たに敗者復活戦を設けたのである。 そのことを「厚生省官僚と薬事審議会座長」も「党派にかかわらず丸山ワクチンに関心のある国会議員」も双方が等しく証言している。 その敗者復活戦の基準の妥当性の検討が不十分であると主張するなら事実を捻じ曲げてはいないが、「無理難題をだして認可をしないようにしました」は明らかな捏造である。 丸山ワクチンの申請データの実験の一部を実施した佐藤参考人も「今回のものは全く直接効果をうたっておりませんので、したがって延命効果を要求されることは当然でございます」と証言しており、「無理難題」ではないことを認めている。

敗者復活戦を新規に設けたという事実こそが、丸山ワクチンの審査に不正がなかったことを示す決定的な証拠である。 何故なら、「厚生省官僚と薬事審議会座長の作り上げたシナリオ」に基づいて「前もって出来あがっていた結論どおり」に「言い掛かりをつけて不認可」を目論んでいるなら、丸山ワクチン関連国会議事録で解説している通り、それと完全に逆行する敗者復活戦を設けるわけがないからである。 敗者復活戦や有償治験は、丸山ワクチンに対する破格の優遇措置を示していることは明らかである。

敗者復活戦のデータ 

丸山ワクチンの効果に記載した通り、「厚生省官僚と薬事審議会座長」の説明が理解できたなら、敗者復活戦のデータは効果の証拠とはなっていないことが明らかである。 理解できないなら、当然、敗者復活戦のデータが効果の証拠となっているかどうかも判断不能である。

従来基準および敗者復活戦以外のデータ 

残念ながら、従来基準および敗者復活戦以外のデータの評価について「厚生省官僚と薬事審議会座長」は説明していない。 丸山ワクチンの効果に記載した通り、データの内容を知っていて、かつ、科学的知識のある人なら、これが効果の証拠とはなっていないことを理解できる。 しかし、それらを持ち合わせていない人には、効果の証拠となっているかどうかは判断不能である。

その他 

それ以外の話は、根拠のないゴシップと何らかの不正があったと印象を抱かせる事実だけにすぎない。

何らかの不正があったと印象を抱かせる事実も、クレスチンやピシバニールに関するものであり、かつ、不正の証拠としては全く足りていない。 そして、丸山ワクチンとは直接関係がない。

まとめ 

以上の通り、この「国会審議の議事録」では、丸山ワクチンを差別していない決定的な証拠と不確かな周辺事実が示されている。 これをもって「いかに丸山ワクチンの認可を阻止しようとしていたかがよくわかります」と主張するなら、その人は真実に目を向けようとする姿勢が全くない。 先に述べた通り、どちらか一方の証拠レベルが圧倒しているにも関わらず、読み手がその評価を逆転させるとすれば、その主たる原因は、確証バイアスではなく、読み手の中立性・客観性の欠如である。 信じたい話は根拠のない話でも無条件で受け入れ、信じたくない話は確固たる根拠があっても受け入れない、という姿勢が判断を狂わせているのである。 真実を見極めたいなら、自分が何を信じたいかではなく、根拠レベルがどの程度あるかで判断すべきだろう。


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