丸山ワクチンの真相

真相 

資料を元に結論をまとめると次のようになる。

項目 記事 真相
「従来の基準」「丸山ワクチンは間違いなく認可されていた」丸山ワクチンは基準を満たしてなかった
差別「露骨な“丸山潰し”があった」取り扱いに差を設けていることはない
追加資料の要求理由「丸山ワクチンを狙い撃ちにした、“苛め”」基準を満たすデータが提出されてなかった
「新基準」「認可基準を上げて、丸山ワクチンを弾いた」丸山ワクチンの敗者復活戦として新基準を作った
東北大学の臨床試験「立派なもの」証拠不十分(症例の偏り多し、胃がんでは効果なし、その他の症例は数が少な過ぎ)
東海地区の臨床試験(記載なし)証拠不十分(無作為割付違反あり、差が小さいので割付違反の影響ではないと言い切れない、明確な差が出る症例ではサンプル数が少な過ぎる)
診断問題「初めから、これは潰そうという話」組織診断がなかった、組織診断提出後は診断結果を認めた
動物実験丸山ワクチンの有効性を否定するために重箱の隅を突いた医療倫理の問題を指摘しただけで丸山ワクチンの有効性は別

陰謀論を主張する人は、「丸山ワクチンが効く」という結論ありきで話を組み立てている。 本当に「丸山ワクチンが効く」のであれば、とっくの昔に承認されているはずである。 しかし、今日まで、丸山ワクチンは、がんの治療薬として承認されたことは1度もない。 これでは、「丸山ワクチンが効く」という結論と事実が矛盾してしまう。 この矛盾を解消するには、「効くにもかかわらず承認されない特殊事情」が必要になる。 言い替えると、「丸山ワクチンが効く」と主張するためには、そうした矛盾解消の「特殊事情」が必要である。 だから、「丸山ワクチンが効く」と主張したい人は、丸山ワクチンが陰謀で潰されたとする話を捏ち上げたのである。 しかし、そうした陰謀論は、何ら根拠がないし、事実関係とも明らかに矛盾する。 矛盾だらけの陰謀論よりは、素直に「薬効が認められないから承認されなかった」と解釈した方が極めて自然であるし、事実とも一致する。

詳細は検討資料のとおり。

検討資料等 

週刊誌記事 

ここで紹介する週刊誌記事は永瀬隼介(当時は祝康成名義)記者も分かった上での完全な捏造であろう。

ツッコミ所は多々あるが、そこは軽く紹介するだけにしておく。

  • 匿名の主観的感想や丸山ワクチンの「認可」とは関連性がない話が殆ど
  • 肝心なこと=丸山ワクチンには効果があるのかないのか?が一切書いていない
  • 厳し過ぎる「新基準」を作っては、製薬会社の首を絞めるので、「官民癒着」のシナリオと矛盾する
  • 開発者の人柄絶賛と患者の利益をないがしろにする行為は明らかに矛盾している

それらに対して、次は唯一の決定的な証言である。

さて、当の桜井欽夫は、今なお囁かれる数々の疑惑に対してどう答えるのか? 東京三鷹市の閑静な住宅街にある自宅で、88歳になる桜井は取材に応じた。「女房が死んで1人暮らしだから、この広さでも十分」と語る自宅は木造平屋建ての、こぢんまりとした古い家である。

「みんな大豪邸でも構えていると思うらしいんだよね。もう建ててから50年近くになるよ。敗戦記念建築って呼んでいるんだ。三鷹にも、さすがにこんな家はないからね」

歯切れのいい口調で語る桜井は、疑惑のクレスチンにまつわる、こんな話を披露する。

「右翼が騒ぎ出したことがあってね、クレスチンで儲けてけしからん、ということらしい。“街宣車で行くぞ”という電話があって、警察にも相談したけど、結局来なかった。この家を見て呆れたらしいね」

薬事審の新基準については「あれは丸山ワクチンが出てきたから作ったもの」と認めつつ、こう語る。

「あのとき、免疫の基準というものはこれでいいのか、という世論が起こってくる。それでインターナショナルな情報を集めて作ったんです。厚生省に、丸山ワクチンを認めない基準を作れ、と言われたわけじゃない

だが、自らが開発に関与したクレスチンの爆発的なヒットも大きく影響した、という。

クレスチンが馬鹿売れするから、大蔵省が“こんなに税金はつぎ込めない”と悲鳴をあげ、厚生省を攻撃したんだ。困った厚生省は調査会に任せちゃったわけだな」

早い話が、調査会は大蔵省と厚生省の意を汲んで、丸山ワクチンを不認可にする新基準を設けた、というわけだ。

丸山ワクチンはなぜ「認可」されなかったのか。(下) - 週刊新潮

唯一の決定的な証言であるにも関わらず、何故か、本人の核心部分の証言が隠匿されている。 どういうわけか、「あれは丸山ワクチンが出てきたから作ったもの」、「大蔵省が“こんなに税金はつぎ込めない”と悲鳴をあげ、厚生省を攻撃した」との証言まで得ておきながら、大蔵省が厚生省をどのように攻撃し、それが丸山ワクチンの「認可」に対してどのように作用したか、核心部分では本人の証言を一切紹介していないのだ。 そして、「丸山ワクチンを不認可にする新基準を設けた」という記者の印象だけが述べられている。 しかも、「丸山ワクチンを認めない基準を作れ、と言われたわけじゃない」と証言者が明言しているのに、それに反する印象を語るのは何故か。

後で紹介する国会議事録を見れば明らかな通り、「新基準」は「丸山ワクチンを不認可にする」ためのものではなく、旧基準を満たさない丸山ワクチンの敗者復活戦として設けられている。 それが、大蔵省が「厚生省を攻撃」し「困った厚生省は調査会に任せちゃった」結果として生まれたものであるならば、この大蔵省からの圧力は丸山ワクチンの敗者復活戦を設ける方向に作用したことになる。 だからこそ、何ら悪びれることもなく「歯切れのいい口調」で取材に応じられるのであろう。 だから、この取材に応じた本人も、国会議事録と同じような証言をしたと推測できる。 当然、「新基準」が丸山ワクチンの敗者復活戦であったことも語っているだろう。 しかし、この記者は、自分が作ったシナリオに都合の悪い部分の本人の証言は故意に隠し、足りない部分は、シナリオに合うように記者の印象を語ることで、真相を180度捻じ曲げているのである。

よく考えれば、「クレスチンが馬鹿売れ」したからと言って、「丸山ワクチンを不認可にする新基準」を作っても全く意味はない。 「クレスチンが馬鹿売れ」する限り、「大蔵省が“こんなに税金はつぎ込めない”と悲鳴をあげ」る状況には変わりがない。 そして、「丸山ワクチンを不認可」にしたところで、「クレスチンが馬鹿売れ」を止められるわけではない。

むしろ、逆である。 「同じ免疫療法剤」で「クレスチンの3分の1から4分の1でも売れてくれれば、と考え」る程度であれば、クレスチンと比較して特別に優位な点はないと考えられる。 であれば、普通に考えて、後から出た医薬品が先に出た医薬品よりも高い薬価になることはないはずである。 「クレスチンの手ごわい競合商品になったに違いない」のであれば、丸山ワクチンを「認可」すれば、少しは「大蔵省が“こんなに税金はつぎ込めない”と悲鳴をあげ」る状況の改善が期待できる。 だから、丸山ワクチンの敗者復活戦を設けたのだろう。

そう、記者は真相を全て知らされたうえで、それを紹介することもなく、真実を180度捻じ曲げたのだ。 取材で聞いた話を紹介したうえで、それに疑問を呈するなら分かる。 しかし、都合の悪い話を隠して、かつ、真逆の証言を得られたかのように偽装するのは、完全な捏造である。

一方、丸山ワクチンは、51年の申請から53年にわたって計3回、厚生省薬務局から追加資料の提出を求められ、しかも資料提出の直後、今度は薬事審と厚生省に比較臨床試験までやらされている。 その結果が56年の不認可とは、どう考えても丸山ワクチンを狙い撃ちにした、“苛め”である。

丸山ワクチンはなぜ「認可」されなかったのか。(下) - 週刊新潮

記者は真実を知っていたはずなので、次のことを当然把握していたはずである。

  • 申請時に当時の基準に沿ったデータを添付しなかったので「計3回、厚生省薬務局から追加資料の提出を求められ」た
  • 「追加資料」は当時の基準を満たさなかった(腫瘍縮小効果がなかった)ので「厚生省に比較臨床試験までやらされ」た
  • 「比較臨床試験」でも効果を証明できなかったので「56年の不認可」となった

それらを知っていたなら、「丸山ワクチンを狙い撃ちにした、“苛め”」どころか、破格の優遇措置であることも分かるはずである。 何故、この記者がこのような捏造記事を書いたのかは分からない。 しかし、この捏造記事のおかげで、丸山ワクチンの真相がハッキリした。

真相をまとめると次のようなことであろう。

  1. 「クレスチンが馬鹿売れ」しすぎて大蔵省から圧力が掛かった。
  2. しかし、今更、承認取り消しも薬価引き下げも難しい。
  3. その代わりに、もっと薬価の安い新薬を承認すれば財政支出は減らせる=大蔵省も納得。
  4. ちょうど、類似薬の丸山ワクチンが申請してきたので承認しちゃおう。
  5. …! さすがにここまでデータが杜撰だと承認は難しい。
  6. 「追加資料」を出させても基準を満たすデータを出してこない。
  7. しょうがないからアメリカから輸入した「比較臨床試験」をやらせてみよう。
  8. やっぱ、ダメじゃん!…勘弁してよ
  9. 門前払いにすると大蔵省に顔が立たないから、有償治験扱いで継続審議にしておこう。
  10. ……………
  11. そろそろホトボリ冷めたろうからクレスチンは効能限定ね。
  12. 触らぬ神に祟りなしなので丸山ワクチンはそのままにしておこう。

国会答弁 

詳細は丸山ワクチン承認基準丸山ワクチン効果に記載することとし、ここでは要約のみを紹介する。

○本橋政府委員 がんの免疫療法剤の有効無効という判断の中心のところは、腫瘍の縮小効果というところにあろうかと思うわけでございます。 先生御指摘のクレスチンあるいはピシバニール等につきましては腫瘍縮小効果が見られたわけでございますが、 丸山ワクチンにつきましてはまだ腫瘍縮小効果についてのデータが提出されておらないということでございまして、現在その提出を待っておるところでございます。

第087回国会 社会労働委員会 第16号


○村山国務大臣 公正な審査という問題を中心にしてお話し申し上げますと、私が聞いている限りでは、丸山ワクチンは、前に申請されたそのときには日本癌学会の判定基準によった。 その場合のあれはやはり縮小効果あるいは自覚、他覚症状等のものであって、その基準はもう御存じだと思いますが、それでやりました。 それで、残念ながら縮小効果が見られないということ、あるいはデータが統計的に不備であるということで、それならせめて、ちょうどアメリカで盛んになりました比較臨床法によって延命効果を出してみたらどうか、こういう忠告をしたというふうに聞いております。

それで延命効果の結果は今度の調査会が報告したとおりでございまして、評価はいろいろあるだろうと思います。

第094回国会 社会労働委員会 第20号


○持永政府委員 丸山ワクチンにつきましての一般臨床試験成績の評価につきましては、日本癌治療学会の癌化学療法効果判定基準というものに基づいて判定されたわけでございますが、 これはクレスチン、ピシバニールも同様でございます。認可基準は異なっておりません。

それから丸山ワクチンの場合には、単独使用での有効性が確認されなかったというような経緯がございまして、その有効性の確認のために他剤との併用における試験をさらに行うことが必要であるというふうになったわけでございます。

第096回国会 予算委員会第三分科会 第3号

申請前に承認基準(「日本癌治療学会の癌化学療法効果判定基準」)は分かっていたはずのに、どうして、その承認基準に沿ったデータを出さないのか。 独自基準のデータをどれだけ揃えようとも、審査機関の承認基準に沿ったデータを出さないのならば、門前払いを受けるのは当然である。 そんな子供でも分かることが、どうして、丸山ワクチン申請者には分からなかったのか。

  1. 申請時には承認基準に沿ったデータがなかった
  2. 後から承認基準に沿ったデータの提出をさせたが、そのデータには効果が見られなかった
  3. 敗者復活戦としての新基準を設けた(「比較臨床法によって延命効果を出してみたらどうか」)が、丸山ワクチンはその基準もクリアできなかった

申請時には承認基準に沿ったデータがないのだから、その場で、即座に、承認しないという判断が下されてもおかしくはない。 しかし、実際には、そんな容赦ない判断が下されることはなく、その場での判断を保留して、データの追加提出を認めたのである。 丸山ワクチンは、その追加データでは全く効果がなかった。 それでも、承認しないという判断が下されることはなく、新たに敗者復活戦まで設けている。 敗者復活戦の結果が芳しくないので、どのような症例でデータを取れば良いのかアドバイスし、研究継続の要請まで行なっている。 ここまで見ると、何度も次の機会が与えられたことが明らかである。 そして、何度やってもどうしても薬効が証明できないから、最終的に却下されたのである。 それがどうして、陰謀で潰されたという話になるのか。

丸山ワクチンに「認可」すべき薬効があるのかどうかはサッパリ分からない。 しかし、週刊新潮の記事がほとんどデタラメであることは良く分かった。 少なくとも、次の2つは大嘘である。

  • 「従来の基準なら、丸山ワクチンは間違いなく認可されていた」
  • 「クレスチンとピシバニールが認可された後、薬事審は急遽、認可基準を上げて、丸山ワクチンを弾いた」

真相は次のとおりである。

  • 日本癌学会の判定基準では、クレスチンやピシバニールは効果があったが、丸山ワクチンには効果がなかった。
  • 丸山ワクチンの敗者復活戦のために「比較臨床法によって延命効果を出してみたらどうか」と忠告した。
  • 「丸山ワクチンの場合には、単独使用での有効性が確認されなかった」ので「他剤との併用における試験」を追加で行なうこととなった。

「陰謀の当事者の主張は信用できない」と言う人がいるかもしれないが、それは、この問題の本質ではない。 この問題の本質は週刊新潮の記事が当事者の主張をねじ曲げてあたかも言質を取ったように装っていることにある。 良く考えてみると良い。 特定の会社や個人の利益の為に国民に害を為す陰謀を企み、国会答弁で口裏を合わせてその陰謀を隠そうとする大悪党ならば、週刊誌記者にも本当のことを話すはずがない。 もしも、国会答弁で嘘をついているならば、週刊誌記者に対しても同じ嘘をつくはずである。 よって、国会答弁で丸山ワクチンを優遇したと主張するならば、当然、週刊誌記者にも同じように話しているはずである。 それなのに、週刊誌記者は、当事者の主張とは違うシナリオを組み立て、そのシナリオと矛盾する発言を意図的に隠して、あたかも、そのシナリオを当事者自身が認めたかのように偽装している。 これでは、この記者の書いた記事は信用に値しない。

また、双方の主張は、具体性の差が明らかである。 国会答弁では、「日本癌治療学会の癌化学療法効果判定基準というものに基づいて判定」し、丸山ワクチンには腫瘍縮小効果や症状緩和効果がないから、「従来の基準」を満たしていないとしている。 一方で、週刊新潮の記事には、「従来の基準なら、丸山ワクチンは間違いなく認可されていた」としか書かれておらず、どのようなデータがどのような基準でどのように「間違いなく認可されていた」のか一切書かれていない。 よって、両者の主張の説得力は段違いと言えよう。

丸山ワクチンの審査 

次の3つの条件を全て満たす限り、丸山ワクチンの審査は適正であったと言える。

  • 他の薬も丸山ワクチンも同じ承認基準で審査した
  • 丸山ワクチンの申請データが承認に不利になる改ざんを受けていない
  • 当時の審査基準で判定すれば丸山ワクチンの申請データは効果なし判定となる

言い替えると、「承認されるべき薬が陰謀や圧力によって潰された」と主張するためには、この3条件のいずれかを崩す必要がある。 そして、そのためには、次の資料を入手すれば良い。

  • 他の薬や丸山ワクチンの申請データ
  • 当時の審査基準

これらの資料は、全て、国会議員の権限で容易に入手可能な情報である。

衆議院規則

第五十六条の二 委員会は、審査又は調査のため、事務局の調査局長(第八十六条の二第一項において「調査局長」という。)又は法制局長に対して、その審査又は調査のために必要な調査(以下「予備的調査」という。)を行い、その結果を記載した報告書を提出するよう命ずることができる。

第五十六条の三 四十人以上の議員は、連名で、委員会が前条の命令を発するよう要請する書面を、議長に提出することができる。

②議長は、前項の書面の提出を受けたときは、これを適当の委員会に送付する。

委員会は、前項の規定による書面の送付を受けたときは、当該要請に係る前条の命令を発するものとする。ただし、当該要請に係る予備的調査が国民の基本的人権を不当に侵害するおそれがあると認めるときは、この限りでない。


国政調査権の発動には多数派である与党の賛成が必要不可欠と思われていますが、実際には野党がこの権限を行使して予備的調査を行い、証拠を積み上げて国民を前にして与党に突き付け、国政調査権発動に有無を言わさない作戦を取ることも可能なわけです。

証人喚問・国政調査権の基礎知識 - All About

たとえば、陰謀を追求する側は、山下徳夫(自由民主党)、八田貞義(自由民主党)、小林進(日本社会党)、森井忠良(日本社会党)、菅直人(社会民主連合)、草川昭三(公明党)、米沢隆(民社党)、小沢和秋(日本共産党)等であり、野党議員がその多数を占めていた。 与党の陰謀を追求するためであれば、「四十人以上」の連名は野党の団結で十分に実現可能な人数であろう。 にもかかわらず、国会議事録には先の3条件のいずれかが崩された記録はない。

次の条件を全て満足するにもかかわらず、国会証言が嘘である証拠を国会議員が提示できないならば、その国会証言に嘘がないと考えるのが妥当である。

  • 国会議員が陰謀を暴く強い意思を持っている
  • 国会議員の権限で容易に入手可能な情報で事の真偽が判断できる

丸山ワクチン問題は何度も国会で取り上げれているし、丸山ワクチンの審査を検証するのに必要な資料は容易に入手可能であるから、ワクチン関係の国会答弁には嘘がないと結論付けられる。 この結論は、たとえ、陰謀や圧力が存在したとしても、変わる余地がない。 よって、陰謀や圧力の有無とは無関係に丸山ワクチンの審査は適正に行なわれたと結論づけられる。

他の免疫療法剤との関係 

週刊新潮の記事についても同じことが言えるのだが、クレスチンやピシバニールと絡めた話については、次の答弁が正論だろう。

○砂原参考人 ピシバニールでしたか非常に早く許可になったけれども、丸山ワクチンは三年もかかるのはとおっしゃるのですけれども、 先ほどから申し上げましたように、私は丸山先生も個人的によく存じ上げているしするのですけれども、やはり新しいこういう薬を開発するという手続をちゃんとなさる準備がなかった。 それから会社の方もそういうことに対して、恐らく新しい製品の開発の経験がないのでしょうが、それでデータがそろっていなかったということだと思うのです。 確かに私たちが見てもそうなんです。


ただ、私は、先ほどの小林議員の御質問の最後におっしゃったことに答えるといたしますれば、だから丸山ワクチンをいいかげんに通せとおっしゃるのは論理の逆立ちであって、それならクレスチンやピシバニールをやめさせろと言えばいいわけだと私は思う。

第094回国会 社会労働委員会 第20号

たとえ、クレスチンやピシバニールの承認が不適切だったとしても、それは、丸山ワクチンを承認すべき理由とはならない。

治験薬であること 

「厚生労働省が治験を承認したのだから効果が期待できる」と主張する者もいる。 しかし、治験は届出制度であって許認可制度ではない。

薬事法第八十条の二 治験の依頼をしようとする者は、治験を依頼するに当たつては、厚生労働省令で定める基準に従つてこれを行わなければならない。

2 治験の依頼をしようとする者又は自ら治験を実施しようとする者は、あらかじめ、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に治験の計画を届け出なければならない。 ただし、当該治験の対象とされる薬物又は機械器具等を使用することが緊急やむを得ない場合として厚生労働省令で定める場合には、 当該治験を開始した日から三十日以内に、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に治験の計画を届け出たときは、この限りでない。

3 前項本文の規定による届出をした者は、当該届出をした日から起算して三十日を経過した後でなければ、治験を依頼し、又は自ら治験を実施してはならない。 この場合において、厚生労働大臣は、当該届出に係る治験の計画に関し保健衛生上の危害の発生を防止するため必要な調査を行うものとする。

4 治験の依頼を受けた者又は自ら治験を実施しようとする者は、厚生労働省令で定める基準に従つて、治験をしなければならない。

5 治験の依頼をした者は、厚生労働省令で定める基準に従つて、治験を管理しなければならない。

6 治験の依頼をした者又は自ら治験を実施した者は、当該治験の対象とされる薬物又は機械器具等について、 当該薬物又は機械器具等の副作用によるものと疑われる疾病、障害又は死亡の発生、当該薬物又は機械器具等の使用によるものと疑われる感染症の発生その他の治験の対象とされる薬物 又は機械器具等の有効性及び安全性に関する事項で厚生労働省令で定めるものを知つたときは、その旨を厚生労働省令で定めるところにより厚生労働大臣に報告しなければならない。 この場合において、厚生労働大臣は、当該報告に係る情報の整理又は当該報告に関する調査を行うものとする。

7 厚生労働大臣は、治験が第四項又は第五項の基準に適合するかどうかを調査するため必要があると認めるときは、 治験の依頼をし、自ら治験を実施し、若しくは依頼を受けた者その他治験の対象とされる薬物又は機械器具等を業務上取り扱う者に対して、 必要な報告をさせ、又は当該職員に、病院、診療所、飼育動物診療施設、工場、事務所その他治験の対象とされる薬物又は機械器具等を業務上取り扱う場所に立ち入り、 その構造設備若しくは帳簿書類その他の物件を検査させ、若しくは従業員その他の関係者に質問させることができる。

8 前項の規定による立入検査及び質問については、第六十九条第五項の規定を、前項の規定による権限については、同条第六項の規定を準用する。

9 厚生労働大臣は、治験の対象とされる薬物又は機械器具等の使用による保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため必要があると認めるときは、 治験の依頼をしようとし、若しくは依頼をした者、自ら治験を実施しようとし、若しくは実施した者又は治験の依頼を受けた者に対し、治験の依頼の取消し又はその変更、治験の中止又はその変更その他必要な指示を行うことができる。

厚生労働大臣が治験の中止や変更を指示できるのは、薬事法第八十条の二第9項に基づいて「保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため必要がある」と認められる場合だけである。 厚生労働大臣には、保健衛生上の理由以外の理由での治験を中止させたり計画を変更させる法的権限はない。 つまり、次の3つの条件を全て満たせば、どんな物であろうとも治験を実施することが可能である。

  • 厚生労働大臣に治験実施届を提出した
  • 提出日から30日経過した
  • 保健衛生上の理由による治験の中止又はその変更その他必要な指示がなかった

薬事法には「厚生労働省令で定める基準」に従って治験を実施しなければならないとされているが、「厚生労働省令で定める基準」にも薬効の科学的証明を義務づける規定はない。 「厚生労働省令で定める基準」に該当する物は、薬事法施行令薬事法施行規則医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令であろう。 これらには、毒性試験の実施や副作用の報告が義務づけられている他は、治験の実施手順が定められているだけであり、何処にも薬効の科学的証明を行なえとは書かれていない。

以上のとおり、治験薬であることは、何ら薬効の科学的根拠にはならない。

認可?許可? 

ネット上では「認可」という言葉を使ってるサイトが多いが、薬事法では「承認」という用語を使っている

薬事法第十三条 医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器の製造業の許可を受けた者でなければ、それぞれ、業として、医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器の製造をしてはならない。


薬事法第十四条 医薬品(厚生労働大臣が基準を定めて指定する医薬品及び第二十三条の二第一項の規定により指定する体外診断用医薬品を除く。)、医薬部外品(厚生労働大臣が基準を定めて指定する医薬部外品を除く。)、 厚生労働大臣の指定する成分を含有する化粧品又は医療機器(一般医療機器及び同項の規定により指定する管理医療機器を除く。)の製造販売をしようとする者は、品目ごとにその製造販売についての厚生労働大臣の承認を受けなければならない。

では、薬事法の「承認」は認可なのか?許可なのか? この答えを出すには、認可と許可の言葉の意味を正しく理解する必要がある。

許可

誰もが持っている本来の自由に対して、法令によってある行為が一般的に禁止されているときに、特定の場合にこれを解除し、適法にその行為をすることができるようにする行政行為のこと。

許可は、本来の自由を回復させる行為であり、新たな権利を与える行為ではないため、原則として行政側は法定の基準に合致する限り許可しなければならない。

例:各種営業許可、自動車の運転免許など

認可

行政庁が第三者の事業や契約などの法律行為を補充してその法律上の効力を完成させる行政行為のこと。

行政庁が法定の基準に照らして認可しない限り、効力が生じない。 認可を受けずに行われた法律行為は原則として無効である。

例:電気、ガスなどの料金や鉄道、バスなどの運賃の決定、変更

許可と認可の違い - 行政書士 葵法務事務所

用語 法律行為の成立要件 禁止事項の解禁
認可○→行為の有効性に影響あり×→罰則なし
許可×→行為の有効性に影響なし○→罰則あり

薬事法の「承認」は、禁止事項の例外を認める制度であり、かつ、処罰の対象にもなる。 また、製造行為を法律で無効とすることは出来ないから、薬事法の「承認」は、法律行為の成立要件ではない。 よって、薬事法の「承認」は、明らかに、許可であって認可ではない。

薬事法第八十四条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一  第四条第一項の規定に違反した者

二  第十二条第一項の規定に違反した者

三  第十四条第一項又は第九項の規定に違反した者

法律の文言としても「認可」とは書かれていないし、意味としても「認可」ではない。 それでは、何故、「認可」と書くのか。 それは、最初に間違って「認可」と書いた者の主張を、そのまま掲載しているからである。 ようするに又聞きした内容を自ら検証もせずに鵜呑みにしているのである。 よって、「認可」という言葉を使ってるサイト等の記述は信用しない方がよい。 又聞きでいい加減なことを言ってるサイトよりは、自ら、法律や国会議事録等の資料を検証した方がよい。

公式サイト 

生存曲線については国会審議と出所が同じデータであるので検証を省略する。 2013年の公式サイト には 丸山ワクチンの5年以上使用率 が掲載されている。 これは、丸山ワクチンの効果の証拠となるだろうか。

データを検証するために、丸山ワクチンを使わなかった場合の推定5年生存率を求め、5年以上使用率と比較する。 5年生存率の推定には、全国がん(成人病)センター協議会加盟施設における5年生存率を用いる。 全国がん(成人病)センター協議会加盟施設における5年実測生存率に丸山ワクチン使用者の病期比率に当てはめて換算した5年生存率を求める。 ただし、使用者の病期比率の公開されている胃がん、肺がん、腸がん、乳がんについてのみ検証する。 他のがん種については、病期比率が公開されていないので検証しようがない。 尚、データの不明部分は丸山ワクチンになるべく有利となるよう、病期比率のうち「再発」はIV期としてカウントする。 また、「不詳」は判明している比率と同じ比率と推定する。

丸山ワクチンの5年以上使用率と同一病期比率における丸山ワクチン未使用の5年生存率

このグラフから読み取れることは次のとおり。

  • 使用者が死ぬまで丸山ワクチンを止めないと仮定すると、丸山ワクチンは5年生存率を3〜5割低下させる。
  • 丸山ワクチンを使用しても5年生存率が悪化しないと仮定すると、少なくとも3〜5割の使用者は途中で丸山ワクチンを止めている。

このデータからは丸山ワクチンに何の効果もないとは言えないが、このデータが丸山ワクチンの何らかの効果を示しているとも言えない。

超トンデモ 

ものすごい超トンデモを見つけたので紹介しておく。

きちんと読むと、途中、読者のミスリードを意図したのだろうか、こじつけやいろいろと論理の飛躍があり、苦笑するしかない。 一部を指摘しよう。

「丸山ワクチンの真相」批判の「真相」(苦笑) - 柊まいーん先生の○○○攻略講座

本当に「読者のミスリード」「こじつけ」「論理の飛躍」があるなら、それを指摘してもらうのは大いに結構なのだけど…

この記事は(一部の人には一定の)効果があるという大前提で書かれていて、記事の主題はあくまでも「認可」されなかったかどうかである。 この指摘は的外れである。

「丸山ワクチンの真相」批判の「真相」(苦笑) - 柊まいーん先生の○○○攻略講座

この人には「(一部の人には一定の)効果があるという大前提」の真偽を検証しなければならないことが分からないようだ。 効果がなければ「『認可』されなかった」のは適切な判断であり、陰謀論でも何でもない。 陰謀論が成立するためには、丸山ワクチンに効果がなければならない。 何の根拠も示さずに「(一部の人には一定の)効果があるという大前提」を置いていることがおかしいという指摘が全く伝わっていない。 それとも、根本的前提が間違っていたら全ての話がひっくり返るということが分からないのだろうか。

たとえばこの記事でも引用している下記リンク先の、国会でのやりとりを初めから全部通読すると、普通の読者の方には、週刊誌記事のほうが妥当と思えるのでは無かろうか。 全然「要約」ではない。

「丸山ワクチンの真相」批判の「真相」(苦笑) - 柊まいーん先生の○○○攻略講座

具体的に効果の証明、あるいは、不利益な取り扱いを示す根拠を示している部分を挙げて、これに対する明確な回答がないというなら分からないでもない。 しかし、主観的に「妥当と思える」かどうかを論点としているのは馬鹿げている。 まともな根拠をあげられない人ほど主観に頼りたがる。

まず、次のような話は全く根拠のならないので採り上げる意味がない。

  • 何をもって「有効」「治癒」と見做したのか不明確な「有効率」「治癒率」
  • 「延命効果を主とする」と主張しながら全く延命効果を計っていない
    • 「主観的なもの」も「有効例」にカウントできることを自認している
    • これは、客観性のある延命効果を計っているならあり得ないこと
    • 「カルノフスキーの判定基準」がKarnofsky PSのことなら、これは延命効果ではない
  • 抗がん剤投与事例であるのに、根拠もなく、抗がん剤に効果はなかったと決めつけている
  • 確率を計っていない症例報告の数々
  • 「何か有効性があるような気がする」
  • 「何処其処の誰某も○○と言っている」

追求者側は、政府側の既説明内容を全く踏まえておらず、聞く耳を持たない押し問答を繰り返している。

例えば、東海地区のデータについては次のように説明されている。

  • 無作為割り付け違反が多かった
  • 違反件数が多いと、それを除外しても偏りが大きくなる
  • 差が非常に小さいので、統計的偏りの影響を無視できない

東北地区のデータについては次のように説明されている。

  • 数と実験デザインに問題あり
  • 胃がんが大部分でその他の症例が混じっている
    • 全体でみると有意差があるように見えるが…
    • 胃がんでは差はないと研究者自身も認めている
    • その他は数が少なすぎる
  • 腹膜転移のある患者について可能性が認められるが、数を増やした追加の実験が必要

これは数学的には有意差があるが医学的に効果があったとまでは認められないという説明である。 しかし、これに対する追求では「愛知の問題は封筒法等々いろいろ問題はあったけれどもある程度の効果があったということも認められています」「東北のデータについてもある程度の効果があったということを認められておる」と説明の趣旨がすり替えられている。 当然、即座に、説明者側から「数学的に言いますと、全経過中、二点のところで有意になるような差がある」としながらも「それをどういうふうに医学的に評価するかということは別問題」と返されている。 すると、「その判断の理由を聞いている」と、既に説明されている内容を蒸し返している。 「なぜなのか、何度聞いてもわからない」と言う前に、まず、説明の内容を持ち帰って、しっかりと勉強してくるべきだろう。

あと、東北地区のデータについて、「膵臓がんを膵臓の慢性炎症だろうということで扱われたことを、もう一回ちゃんとそうだということを前提として審議をされることを強く望みたい」と言っていることも、既に説明されたことを全く踏まえていない。 膵臓がん事例は、ごく一部であり、統計的に意味がないことは説明されているのだから、「そうだということを前提」としても、結論は変わらないのであるし、当然、「そうだということを前提として審議」された結果として、有効性が認められていないのである。

丸山ワクチンの審査についても、次の説明が何度なされても無視されている。

  • 丸山ワクチンは申請時にデータがそろっていなかった
  • 丸山ワクチンもクレスチンと同じ条件で同じ「癌治療学会基準」で審査した
  • 丸山ワクチンは「癌治療学会基準」で効果が認められないので試験結果のデータを求めた

同じ条件同じ基準で審査して効果が認められなかったので、丸山ワクチンのためにわざわざ敗者復活戦を行ったという話を何度もしているのに、追求者側は全く聞く耳を持たない。 「癌治療学会基準」がどういうもので、どんな資料を提出したかを明らかにしたうえで、あるいは、明らかにするよう説明を求めて、同じ条件同じ基準で審査されたかどうか検証するならわかる。 しかし、そうした過程をすっ飛ばして、「非常に厳しい要求が丸山ワクチンの場合にされておる」「丸山ワクチンだけについて、こうまで、単独投与の場合だなんだ云々だとけちをつけながらも、審査を変えて、基準まで変えて、そうして却下をしている」と決めつけて聞く耳を持たないのでは、議論をしようとする意思が見られない。

資料とした提出したと主張する論文が「それは資料として入っておらなかったと存じます」と言われたからと言って、「大きな声を出して大変恐縮」と後から謝罪するほど、声を荒げる理由もわからない。 「日本の癌学会の正式な化学療法剤の雑誌にも掲載をされておる」もので、かつ、それが丸山ワクチンの効果の証明となるものなら、ギャーギャー騒がずとも、再度提出すれば済むことである。

クレスチン等の承認過程への疑惑をしつこく追求しているが、「だから丸山ワクチンをいいかげんに通せとおっしゃるのは論理の逆立ち」とは砂原参考人の指摘する通りであろう。

こんなお粗末な追求で「週刊誌記事のほうが妥当と思える」と思えるなら、その人にはまともな判断力は期待できない。

そもそも「要約」という言葉の意味すらまともに分かっておられない人の作成した記事は信用しないほうがいい、と断じておきたい。

「丸山ワクチンの真相」批判の「真相」(苦笑) - 柊まいーん先生の○○○攻略講座

効果や陰謀論の真偽とは関係のない部分をそぎ落とし、関係のある部分のみを抜粋したことが「要約」にならないと言うなら、どうすれば「要約」になるのか教えてもらいたい。

丸山ワクチンに有利になるようデータを作成したと匂わせているが、この「再発」の数字は、一切リンク先のデータには示されていない。

「丸山ワクチンの真相」批判の「真相」(苦笑) - 柊まいーん先生の○○○攻略講座

確かに、 2015年の公式サイト から病期比率が表示されなくなっている(尚、リンク先は過去のアーカイブに修正した)。 しかし、次のようなことを考えれば、リンク先の情報が変更されただろうことは容易に予想できるはずである。

  • リンク先の内容は、リンク先の都合でいつでも変更できる
  • 引用元を明示しているなら、嘘やごまかしをしても意味がない
  • 否定的立場で嘘やごまかしをする気なら、効果がないという結論を示すはず(データに意味がないことしか言ってない)

ご自分の洞察力の低さを棚に上げる前によく考えるべきだろう。

この、同一病気比率における丸山ワクチン未使用5年生存率の計算の仕方がさっぱり不明である。 同記事でリンクしてある「全国がん(成人病)センター協議会加盟詞説における5年生存率(1998~2002年診断症例)」の個別の数字と、同記事のグラフのメモリが示す数字、数字に加工処理をしているので、まったく一致しない。


この手の統計処理を施す場合は、具体的な計算処理法を明示した上でグラフ化するのが最低限の常識だと思うのであるが、そうした常識も持ち合わせていないようだ。

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「使用者の病期比率の公開されている胃がん、肺がん、腸がん、乳がんについてのみ検証する」という文言と全国がん(成人病)センター協議会のデータが全て病期比率が公開されていることから、病期比率を揃えた加重平均を取る「具体的な計算処理法」は採用していることは「最低限の常識」で考えれば明らかであろう。

そもそも、この補正は「丸山ワクチン使用者は末期患者が多いから普通の生存率とは比較できない」という主張への対応として、丸山ワクチン側に不利になる要因を取り除くためのものである。 生データと比較すれば、全国がん(成人病)センター協議会のデータは、平均よりかなり生存率が下がって、Ⅳ期の数値にかなり近いことが分かるはずである。 否定的立場で嘘やごまかしをする気があるなら、このような細工をしないことくらいは普通に気づかないだろうか。

本来、こういうことは効くと主張する側がするべきことである。 自分たちがやるべきことを怠っておいて文句を言うのは筋違いであろう。

丸山ワクチンの数字については、同サイトの記事から、以下の点について留意して見ないといけない。

  • ワクチンを使用する人のほとんどが3,4期からであり、そうした事情から使用期間30日未満は除く(30日持たなかった末期の人は数字から除く)
  • 表は単純集計のため、「3年未満」の中には、回復によりワクチンを終了した人や途中で追跡調査ができなくなった人が含まれる→効果があったかどうかについて、3年以上、5年以上使用率より数字がすこしばかり期待出来る可能性がある。

「丸山ワクチンの真相」批判の「真相」(苦笑) - 柊まいーん先生の○○○攻略講座

「回復によりワクチンを終了した人や途中で追跡調査ができなくなった人が含まれる」等の都合の良い想像は、「効果があったかどうかについて」「すこしばかり期待出来る可能性がある」ことを全く示さない。 「30日持たなかった末期の人は数字から除く」のでは、丸山ワクチンに有利なようにデータを加工しているのであり、益々、そんなことは言えない。

このサイトで指摘していることは、どうとでも解釈できるデータでは何の根拠にもならないということである。 一部、リンク先から除外されたデータにより詳細が分からなかったとしても、その趣旨は十分に伝わるように書いてあるはずである。

「効く」と主張する側は、実際に治療を施して、効果があったという事例から、確証を得て発言しているようだ。

それに対し、「効かない」と主張する側は、公開されているさまざまなデータを根拠に、「効く」と主張する側の効果があった案件は、確率論、統計学的には「幸運な例外」であるとして処理しているようだ。


以後、前者を「肯定派」、後者を「否定派」として、話を進めたい。

「丸山ワクチンの真相」批判の「真相」(苦笑) - 柊まいーん先生の○○○攻略講座

本当に効果があったのかどうかを確かめもせずに「効果があった」と決めつけ、そうした主観だけの「確証」だけをもって「『効く』と主張する側」を「肯定派」と定義するのは分かる。 しかし、「公開されているさまざまなデータを根拠」に判断している者を「否定派」と定義するのでは日本語が滅茶苦茶である。

「肯定派」について、まず批判をしておくと、

「丸山ワクチンの真相」批判の「真相」(苦笑) - 柊まいーん先生の○○○攻略講座

他人を批判する前に、まず、自分自身を批判すべきだろう。 根拠もなく「一定の確率で癌患者にプラスに作用することがある」と決めつける姿勢を正さなければ、他人を批判する資格はない。

確かに過去において、かなり多くの奇跡的な事例(有名なのは小松製作所の元会長であり、厚生労働大臣も務めたことのある河合良成氏の親族の老婦人の事例。 これは丸山ワクチン関係の本をみると結構取り上げられているようである)がある。

こうした事例を効能として吹聴するのはまあやむを得ないとして、問題はそれを読んだ人が、丸山ワクチンを接種すれば必ず癌が治ると勘違いしてしまうことであろう。

「丸山ワクチンの真相」批判の「真相」(苦笑) - 柊まいーん先生の○○○攻略講座

「奇跡的な事例」とやらは様々な可能性を考慮しなければならない。

真偽を検証しないのでは体験談レベルの話でしかない。 よって、「小松製作所の元会長」「親族の老婦人」の事例をいくら挙げても、「実際に治療を施して、効果があったという事例」にはならない。 「こうした事例を効能として吹聴する」ことは詐欺である。 これは、「必ず」かどうか以前の問題である。

ハッキリと断っておくが、丸山ワクチンがほぼ確実に期待できないと考えるだけの根拠がある。 丸山ワクチンは申請に不備がありながらも徹底的に優遇されて、それでも、根拠を示せなかったのである。 申請時に根拠となるデータを出さず、追加で求められたデータも根拠になっておらず、追加基準を設けた敗者復活戦でも根拠を示せなかった。 そして、有償治験薬という形で数十万人が使用したと喧伝しながら、「効果があった」とする根拠は未だに示していない。 にもかかわらず、割り付け違反で効果無効と判定された治験結果や、何の根拠にもならない長期使用率を示して、効果があると吹聴している有様である。 大した有害性はないことと、安価なために容認されているだけであり、医薬品としてはその基本姿勢から論外なのである。 「それほど高くない一定の確率で癌患者にプラスに作用することがある」などという勘違いを吹聴することは全くの無責任である。