丸山ワクチンの真相
真相
資料を元に結論をまとめると次のようになる。
| 項目 | 記事 | 真相 |
|---|---|---|
| 「従来の基準」 | 「丸山ワクチンは間違いなく認可されていた」 | 丸山ワクチンは基準を満たしてなかった |
| 差別 | 「露骨な“丸山潰し”があった」 | 取り扱いに差を設けていることはない |
| 追加資料の要求理由 | 「丸山ワクチンを狙い撃ちにした、“苛め”」 | 基準を満たすデータが提出されてなかった |
| 「新基準」 | 「認可基準を上げて、丸山ワクチンを弾いた」 | 丸山ワクチンの敗者復活戦として新基準を作った |
| 東北大学の臨床試験 | 「立派なもの」 | 証拠不十分(症例の偏り多し、胃がんでは効果なし、その他の症例は数が少な過ぎ) |
| 東海地区の臨床試験 | (記載なし) | 証拠不十分(無作為割付違反あり、差が小さいので割付違反の影響ではないと言い切れない、明確な差が出る症例ではサンプル数が少な過ぎる) |
| 診断問題 | 「初めから、これは潰そうという話」 | 組織診断がなかった、組織診断提出後は診断結果を認めた |
| 動物実験 | 丸山ワクチンの有効性を否定するために重箱の隅を突いた | 医療倫理の問題を指摘しただけで丸山ワクチンの有効性は別 |
陰謀論を主張する人は、「丸山ワクチンが効く」という結論ありきで話を組み立てている。 本当に「丸山ワクチンが効く」のであれば、とっくの昔に承認されているはずである。 しかし、今日まで、丸山ワクチンは、がんの治療薬として承認されたことは1度もない。 これでは、「丸山ワクチンが効く」という結論と事実が矛盾してしまう。 この矛盾を解消するには、「効くにもかかわらず承認されない特殊事情」が必要になる。 言い替えると、「丸山ワクチンが効く」と主張するためには、そうした矛盾解消の「特殊事情」が必要である。 だから、「丸山ワクチンが効く」と主張したい人は、丸山ワクチンが陰謀で潰されたとする話を捏ち上げたのである。 しかし、そうした陰謀論は、何ら根拠がないし、事実関係とも明らかに矛盾する。 矛盾だらけの陰謀論よりは、素直に「薬効が認められないから承認されなかった」と解釈した方が極めて自然であるし、事実とも一致する。
詳細は検討資料のとおり。
検討資料等
週刊誌記事
まずは、黙って、次を読んでもらいたい。
これを読んで、「製薬会社の陰謀で丸山ワクチンを不認可にするとはけしからん」と思った人は、以下を読もう。 「それっぽい陰謀論を展開してるけど、肝心なことが書いてないよ」と思った人は、続きを読んでも釈迦に説法にしかならない。
さて、この週刊新潮の記事には一番肝心なことが書かれていない。 その肝心なこととは、丸山ワクチンは効果があるのかないのか?である。 以下、説明の為に、ただの想像や関連性がない話を除いて引用する。 そうすると、記事は非常に短くなる。
昭和51年、丸山は製造認可を申請するが、56年、厚生大臣の諮問機関である中央薬事審議会は「有効性を確認できない」と不認可に、ただし厚生省は「引き続き研究する必要がある」とし、治療薬として全額自己負担なら購入可とする、玉虫色の判断を下す。
ここから丸山ワクチンの先の見えない迷走が始まった。
丸山ワクチンはなぜ「認可」されなかったのか。(上)-週刊新潮(http://web.archive.org/web/20021222085949/www01.u-page.so-net.ne.jp/fa2/azumajoe/maru1.html)
当時の中央薬事審議会のメンバー、古江尚、帝京大学名誉教授(74)は、丸山ワクチン反対派の頭と言われた人物だが、「なにも闇雲に反対していたわけではない」と言う。
「わたしは悪者にされていましたけれど、データ不足を解決できれば認可しよう、という立場でした。
薬事審議会でわたしが問題にしたのは、製剤以前の問題。
つまり、常に同じものが使われなければならないし、検証しなければならない。
その方法がまだ未解決であったこと」そして、もうひとつが、丸山ワクチンの独特の投与の仕方、濃いA液と薄いB液を交互に打つ、という投与方法だった。
「ABABという投与の仕方が全然検証を経ていないし、データも無い。
ただ単に丸山先生が経験上、これが一番良い、と言うだけだった。
なぜ、ABABなのか、という科学的証拠がなかった」
もっとも、大規模な臨床試験を行った学者はいた。
後藤、東北大学名誉教授(75)である。確実な効果が出ていたにも関わらず、審議会はことごとく無視したという。
後藤が、怒りもあらわにこう言う。「初めから、これは潰そうという話しですからね。このデータは嘘ではないか。
とまで言っているんだな。先生が臨床した膀胱がんの患者は慢性**の誤診でしょう、と。
こんなふざけた話はないから、調査会に異議申し入れ書を送りましたよ」
審議会内部の反応について、古江がこんなショッキングな証言をする。
「後藤先生のデータは立派なものでした。
わたしは、この審議会の委員の中でもこんあいい臨床を出来る者はいないだろう。
この結果をもっと真剣に考えるべきだ。本当に無効と言っていいのか、と迫ったんですが、無駄だった。相手が無茶を言うんですよ。
重箱の隅をつつくようなことをね。たとえば動物実験で、マウスに関する実験はあるが、ウサギについてはない。、とか。
そんな身も蓋もないことを言うなよ、と嘆きたくなるくらい、醜いアラ探しだった。
結局、事前に厚生省との間で拒否ということが決まっていたんですね。
われわれ委員会は、いい面の皮ですよ。ああ、俺は飾りなんだな。と痛感しました。だって、何を言っても通用しないんだから」
丸山ワクチンはなぜ「認可」されなかったのか。(上)-週刊新潮(http://web.archive.org/web/20021222085949/www01.u-page.so-net.ne.jp/fa2/azumajoe/maru1.html)
昭和50年から51年にかけて、認可された2つの抗癌剤のケースを見ると、それがどんなにボロい商売かが分かる。
「中外製薬」が開発販売した注射薬の「ピシバニール」と「呉羽化学工業」が開発し「三共」が販売した粉末薬の「クレスチン」である。
「抗癌剤は大別すると2種類あり、直接がん細胞を叩く、化学療法剤と、人間の体内にある免疫力を強化する免疫療法剤に分けられる。
この免疫療法剤の第1号が50年に認可されたピシバニールで、第2号が51年認可のクレスチン、そして、第3号になるはずだった免疫療法剤が丸山ワクチンです」(医事評論家)
ともかく、ピシバニールとクレスチンの売れ方や凄まじく、発売10数年間で1兆円を上回る売り上げを記録、なかでもサルノコシカケの培養菌糸から抽出したクレスチンに至っては副作用が皆無で、しかも内服薬という利便性もあり、57年には年間売り上げが500億円と、全医薬品中の第1位に躍り出た。
しかも、トップの座を62年まで6年間も譲らず、日本の医薬品史上、最大のヒット商品となっている。
ところが、平成元年12月、厚生省はこの2つの抗癌剤について、「効能限定」の答申を出した。
つまり、単独使用による効果が認められないので、化学療法剤との併用に限定するというもの、要するに「効果なし」というわけだ。
丸山ワクチンはなぜ「認可」されなかったのか。(上)-週刊新潮(http://web.archive.org/web/20021222085949/www01.u-page.so-net.ne.jp/fa2/azumajoe/maru1.html)
丸山ワクチンと同じ免疫療法剤でありながら、昭和50年に認可されたピシバニールと翌51年認可のクレスチンが医薬品史上、最大のヒット商品となったのは、前回述べた通り。
しかし昭和51年に認可申請が行われた丸山ワクチンは56年、厚生大臣の諮問機関である中央薬事審議会が不認可としている。
そしてこの裏には、医学界主流派の露骨な“丸山潰し”があった。取材に当たった新聞記者が語る。
「クレスチンとピシバニールが認可された後、薬事審は急遽、認可基準を上げて、丸山ワクチンを弾いたんですよ」
従来の基準なら、丸山ワクチンは間違いなく認可されていたという。
丸山ワクチンはなぜ「認可」されなかったのか。(下)-週刊新潮(http://web.archive.org/web/20021002151511/www01.u-page.so-net.ne.jp/fa2/azumajoe/maru2.html)
一方、丸山ワクチンは、51年の申請から53年にわたって計3回、厚生省薬務局から追加資料の提出を求められ、しかも資料提出の直後、今度は薬事審と厚生省に比較臨床試験までやらされている。
その結果が56年の不認可とは、どう考えても丸山ワクチンを狙い撃ちにした、“苛め”である。 厚生省は「新しい基準に沿ったまで」と涼しい顔だが、実はこの新基準には大きな疑惑が存在する。
丸山ワクチンはなぜ「認可」されなかったのか。(下)-週刊新潮(http://web.archive.org/web/20021002151511/www01.u-page.so-net.ne.jp/fa2/azumajoe/maru2.html)
薬事審の新基準については「あれは丸山ワクチンが出てきたから作ったもの」と認めつつ、こう語る。
「あのとき、免疫の基準というものはこれでいいのか、という世論が起こってくる。 それでインターナショナルな情報を集めて作ったんです。
厚生省に、丸山ワクチンを認めない基準を作れ、と言われたわけじゃない」
だが、自らが開発に関与したクレスチンの爆発的なヒットも大きく影響した、という。
「クレスチンが馬鹿売れするから、大蔵省が“こんなに税金はつぎ込めない”と悲鳴をあげ、厚生省を攻撃したんだ。
困った厚生省は調査会に任せちゃったわけだな」
丸山ワクチンはなぜ「認可」されなかったのか。(下)-週刊新潮(http://web.archive.org/web/20021002151511/www01.u-page.so-net.ne.jp/fa2/azumajoe/maru2.html)
この記事を要約すると次のようになる。
- 「従来の基準」で「認可された2つの抗癌剤」「ピシバニールとクレスチン」は「発売10数年間で1兆円を上回る売り上げを記録」
- 「従来の基準なら、丸山ワクチンは間違いなく認可されていた」
- 「クレスチンとピシバニールが認可された後、薬事審は急遽、認可基準を上げて、丸山ワクチンを弾いた」
- 「新基準」は「クレスチンが馬鹿売れするから、大蔵省が“こんなに税金はつぎ込めない”と悲鳴をあげ、厚生省を攻撃した」ことが大きく影響した
- 「ピシバニールとクレスチン」は「平成元年12月」「効果なし」とされた
これらに嘘がないと仮定すると、次のとおり推測できる。
- 丸山ワクチンは「従来の基準」をクリアできる(「従来の基準なら、丸山ワクチンは間違いなく認可されていた」)
- 丸山ワクチンは「新基準」をクリアできない(「認可基準を上げて、丸山ワクチンを弾いた」が可能であるならば「新基準」をクリアできない)
- 「従来の基準」は甘すぎた(「ピシバニール」「クレスチン」は「従来の基準」をクリアしたが「効果なし」)
以上によれば、丸山ワクチンには「認可」すべき薬効があるとするだけの根拠がない。 では、「新基準」が厳しすぎるのか。 これについては、次の話を参考にすると良い。
「大手がよく使う手は『新薬試験中間発表会』などと称して、帝国ホテルやニューオータニで200~300人を集めてパーティを行うのです。 しかし研究発表も立食パーティも形式だけ。肝心なのはその後。 全員に帰りハイヤーを用意しますが、その際に車代を渡します。 金額は少ないひとで10万円、多いひとだと数百万円は渡していましたね。 うちも同じようなパーティを開催したことはありますが、ある先生から“やはり大手とは違うな”と厭味を言われたことがありました」 高級官僚の天下りポストも、大手はしっかり用意していた。
「ピシバニールを製造・販売していた中外製薬は昭和54年、厚生省の坂元貞一郎事務次官を副社長に迎えています。 坂元副社長は、薬事審の委員の前で“おれの目の黒いうちは絶対に丸山ワクチンは認可させない”と言っていました」
丸山ワクチンはなぜ「認可」されなかったのか。(下)-週刊新潮(http://web.archive.org/web/20021002151511/www01.u-page.so-net.ne.jp/fa2/azumajoe/maru2.html)
「新基準」が厳し過ぎては、今後、新薬が「認可」されなくなってしまう。 それでは、製薬会社の首を絞めることになる。 「官民癒着」があるのであれば、製薬会社の首を絞めるような真似はできないはずであり、「新基準」が厳し過ぎることはあり得ない。 以上のとおり、記事の通りに「官民癒着」の存在を認めるならば、丸山ワクチンには「認可」すべき薬効がないという結論に達する。
開発者の人柄
丸山ワクチンの効果の有無とは全く関係がないが、週刊新潮記事の丸山ワクチン開発者の人柄と元O大学総長Y氏の話は明らかに矛盾する。
記事によれば、Y氏から丸山ワクチンの技術供与を求められ、それを断ったために、Y氏が親しかった中央薬事審議会のS氏に圧力をかけ、丸山ワクチンを潰したことになっている。 それが正しく、かつ、丸山ワクチンに確かな薬効があるとすれば、丸山ワクチンを医薬品にするのは簡単なはずである。 本当に患者のことを最優先に考えているなら、ぐっと堪えて、権力者Y氏に頭を下げ、Y氏に花を持たせればよい。
他メーカーの、なりふりかまわぬ実弾攻撃に比べれば、なんとも呑気な話ではある。生真面目で誠実な医師の丸山と、融通の利かない弱小メーカーが組んだところに、丸山ワクチンの不運があった。
加えて、丸山の周囲にも、“宝の山”の匂いを嗅ぎ付けて、欲の皮の突っ張った人間たちがうごめくようになる。丸山と付き合いのあった大学教授が、こんな話を披露する。
「丸山ワクチンの製造は、丸山先生の取り巻きの人間たちによって、実に多くの製薬会社に持ち込まれているんです。 第一製薬とか協和発酵、大鵬薬品にも行っている。 大鵬薬品は乗り気になって“共同開発にするから、データを出してください”と伝えたら“1億円出せ”と言われたそうです。 もちろん、丸山先生はお金のことなんか頭にない人でしたから、ご存じないですよ」
丸山ワクチンはなぜ「認可」されなかったのか。(下)-週刊新潮(http://web.archive.org/web/20021002151511/www01.u-page.so-net.ne.jp/fa2/azumajoe/maru2.html)
記事によれば、大手製薬会社と共同開発も可能だったとのことである。 Y氏の権力がどれだけ絶大であろうとも、所詮は1個人にすぎないので、大手製薬会社の共同開発までは握りつぶせまい。 このように、本気でやる気があるなら、いくらでも道を探すことは可能だったのである。
しかし、現実には、開発者はそうしなかった。 開発者としての功績を捨てたくなかったのか、はたまた、意地に固執したのか。 いずれにせよ、開発者は、患者の治療の道を切り開くことを最優先に考えていたわけではなかったのだ。 それでは、人柄が良かった等の逸話には何の説得力もない。
新聞記事
厚生省は81年、抗がん剤としての「有効性を確認できない」と製造承認を見送った。
問われる薬の真価:効果未確認でも続く「丸山ワクチン」投与-YomiuriOn-Line(http://web.archive.org/web/20030707052729/http://www.yomiuri.co.jp/iryou/renai/19980528sr11.htm)
丸山ワクチンの有効性の最大の根拠とされるのは、東海地区で行われた臨床試験。 手術でがんを取りきれなかった胃がん患者を対象に、抗がん剤と丸山ワクチンを併用するグループと、抗がん剤だけを使うグループに無作為に分けて治療したところ、併用した方が生存率が高かった、という内容だった。
だが、この試験には大きな欠陥がある。どちらの治療を患者に行うか、あらかじめ割り振られていたのに、その指示を医師が守らなかったケースが多数あったことだ。
これら指示違反例は解析の対象から除かれたが、医薬品・治療研究会の別府宏圀(ひろくに)・都立府中療育センター副院長は「これでは患者を無作為に振り分けた意味がない。 評価の結果が丸山ワクチンに有利になった可能性があり、この試験によって有効性が証明されたとは言えない」と指摘する。
問われる薬の真価:効果未確認でも続く「丸山ワクチン」投与-YomiuriOn-Line(http://web.archive.org/web/20030707052729/http://www.yomiuri.co.jp/iryou/renai/19980528sr11.htm)
日本の特殊性・閉鎖性
丸山ワクチンの支持者は日本の特殊性・閉鎖性が丸山ワクチンの承認を阻んでいると主張する。 しかし、そうした主張は海外で認められた治療法でのみ説得力を持つのであって、海外で注目すらされない治療法に当てはめようとしても説得力はない。
厚生省(当時)が云々とか業界と学界の癒着が云々とか書かれているところ、厚生省や東大の「威光」なんぞ海外で通用するはずもなく、本当に効くなら海外の製薬会社が大枚叩いて権利を買い取ってますってば。
丸山ワクチンはなぜ「認可」されなかったのか?-BI@Kaccelerated:hatenaannex,bewaad.com(http://d.hatena.ne.jp/bewaad/20080916/p1)
日本の特殊性・閉鎖性を陰謀と結びつけるなら、海外で認められない理由を説明できなければ、荒唐無稽な笑い話になるだけである。
国会答弁
詳細は丸山ワクチン承認基準、丸山ワクチン効果に記載することとし、ここでは要約のみを紹介する。
○本橋政府委員 がんの免疫療法剤の有効無効という判断の中心のところは、腫瘍の縮小効果というところにあろうかと思うわけでございます。 先生御指摘のクレスチンあるいはピシバニール等につきましては腫瘍縮小効果が見られたわけでございますが、 丸山ワクチンにつきましてはまだ腫瘍縮小効果についてのデータが提出されておらないということでございまして、現在その提出を待っておるところでございます。
第087回国会 社会労働委員会 第16号(http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/087/0200/08705240200016c.html)
○村山国務大臣 公正な審査という問題を中心にしてお話し申し上げますと、私が聞いている限りでは、丸山ワクチンは、前に申請されたそのときには日本癌学会の判定基準によった。 その場合のあれはやはり縮小効果あるいは自覚、他覚症状等のものであって、その基準はもう御存じだと思いますが、それでやりました。 それで、残念ながら縮小効果が見られないということ、あるいはデータが統計的に不備であるということで、それならせめて、ちょうどアメリカで盛んになりました比較臨床法によって延命効果を出してみたらどうか、こういう忠告をしたというふうに聞いております。
それで延命効果の結果は今度の調査会が報告したとおりでございまして、評価はいろいろあるだろうと思います。
第094回国会 社会労働委員会 第20号(http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/094/0200/09407300200020c.html)
○持永政府委員 丸山ワクチンにつきましての一般臨床試験成績の評価につきましては、日本癌治療学会の癌化学療法効果判定基準というものに基づいて判定されたわけでございますが、 これはクレスチン、ピシバニールも同様でございます。認可基準は異なっておりません。
それから丸山ワクチンの場合には、単独使用での有効性が確認されなかったというような経緯がございまして、その有効性の確認のために他剤との併用における試験をさらに行うことが必要であるというふうになったわけでございます。
第096回国会 予算委員会第三分科会 第3号(http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/096/0388/09603010388003c.html)
申請前に承認基準(「日本癌治療学会の癌化学療法効果判定基準」)は分かっていたはずのに、どうして、その承認基準に沿ったデータを出さないのか。 独自基準のデータをどれだけ揃えようとも、審査機関の承認基準に沿ったデータを出さないのならば、門前払いを受けるのは当然である。 そんな子供でも分かることが、どうして、丸山ワクチン申請者には分からなかったのか。
- 申請時には承認基準に沿ったデータがなかった
- 後から承認基準に沿ったデータの提出をさせたが、そのデータには効果が見られなかった
- 敗者復活戦としての新基準を設けた(「比較臨床法によって延命効果を出してみたらどうか」)が、丸山ワクチンはその基準もクリアできなかった
申請時には承認基準に沿ったデータがないのだから、その場で、即座に、承認しないという判断が下されてもおかしくはない。 しかし、実際には、そんな容赦ない判断が下されることはなく、その場での判断を保留して、データの追加提出を認めたのである。 丸山ワクチンは、その追加データでは全く効果がなかった。 それでも、承認しないという判断が下されることはなく、新たに敗者復活戦まで設けている。 敗者復活戦の結果が芳しくないので、どのような症例でデータを取れば良いのかアドバイスし、研究継続の要請まで行なっている。 ここまで見ると、何度も次の機会が与えられたことが明らかである。 そして、何度やってもどうしても薬効が証明できないから、最終的に却下されたのである。 それがどうして、陰謀で潰されたという話になるのか。
丸山ワクチンに「認可」すべき薬効があるのかどうかはサッパリ分からない。 しかし、週刊新潮の記事がほとんどデタラメであることは良く分かった。 少なくとも、次の2つは大嘘である。
- 「従来の基準なら、丸山ワクチンは間違いなく認可されていた」
- 「クレスチンとピシバニールが認可された後、薬事審は急遽、認可基準を上げて、丸山ワクチンを弾いた」
真相は次のとおりである。
- 日本癌学会の判定基準では、クレスチンやピシバニールは効果があったが、丸山ワクチンには効果がなかった。
- 丸山ワクチンの敗者復活戦のために「比較臨床法によって延命効果を出してみたらどうか」と忠告した。
- 「丸山ワクチンの場合には、単独使用での有効性が確認されなかった」ので「他剤との併用における試験」を追加で行なうこととなった。
「陰謀の当事者の主張は信用できない」と言う人がいるかもしれないが、それは、この問題の本質ではない。 この問題の本質は週刊新潮の記事が当事者の主張をねじ曲げてあたかも言質を取ったように装っていることにある。 良く考えてみると良い。 特定の会社や個人の利益の為に国民に害を為す陰謀を企み、国会答弁で口裏を合わせてその陰謀を隠そうとする大悪党ならば、週刊誌記者にも本当のことを話すはずがない。 もしも、国会答弁で嘘をついているならば、週刊誌記者に対しても同じ嘘をつくはずである。 よって、国会答弁で丸山ワクチンを優遇したと主張するならば、当然、週刊誌記者にも同じように話しているはずである。 それなのに、週刊誌記者は、当事者の主張とは違うシナリオを組み立て、そのシナリオと矛盾する発言を意図的に隠して、あたかも、そのシナリオを当事者自身が認めたかのように偽装している。 これでは、この記者の書いた記事は信用に値しない。
また、双方の主張は、具体性の差が明らかである。 国会答弁では、「日本癌治療学会の癌化学療法効果判定基準というものに基づいて判定」し、丸山ワクチンには腫瘍縮小効果や症状緩和効果がないから、「従来の基準」を満たしていないとしている。 一方で、週刊新潮の記事には、「従来の基準なら、丸山ワクチンは間違いなく認可されていた」としか書かれておらず、どのようなデータがどのような基準でどのように「間違いなく認可されていた」のか一切書かれていない。 よって、両者の主張の説得力は段違いと言えよう。
丸山ワクチンの審査
次の3つの条件を全て満たす限り、丸山ワクチンの審査は適正であったと言える。
- 他の薬も丸山ワクチンも同じ承認基準で審査した
- 丸山ワクチンの申請データが承認に不利になる改ざんを受けていない
- 当時の審査基準で判定すれば丸山ワクチンの申請データは効果なし判定となる
言い替えると、「承認されるべき薬が陰謀や圧力によって潰された」と主張するためには、この3条件のいずれかを崩す必要がある。 そして、そのためには、次の資料を入手すれば良い。
- 他の薬や丸山ワクチンの申請データ
- 当時の審査基準
これらの資料は、全て、国会議員の権限で容易に入手可能な情報である。
衆議院規則(http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_houki3.htm)
第五十六条の二 委員会は、審査又は調査のため、事務局の調査局長(第八十六条の二第一項において「調査局長」という。)又は法制局長に対して、その審査又は調査のために必要な調査(以下「予備的調査」という。)を行い、その結果を記載した報告書を提出するよう命ずることができる。
第五十六条の三 四十人以上の議員は、連名で、委員会が前条の命令を発するよう要請する書面を、議長に提出することができる。
② 議長は、前項の書面の提出を受けたときは、これを適当の委員会に送付する。
③ 委員会は、前項の規定による書面の送付を受けたときは、当該要請に係る前条の命令を発するものとする。ただし、当該要請に係る予備的調査が国民の基本的人権を不当に侵害するおそれがあると認めるときは、この限りでない。
国政調査権の発動には多数派である与党の賛成が必要不可欠と思われていますが、実際には野党がこの権限を行使して予備的調査を行い、証拠を積み上げて国民を前にして与党に突き付け、国政調査権発動に有無を言わさない作戦を取ることも可能なわけです。
証人喚問・国政調査権の基礎知識-AllAbout(http://allabout.co.jp/gm/gc/293598/3/)
たとえば、陰謀を追求する側は、山下徳夫(自由民主党)、八田貞義(自由民主党)、小林進(日本社会党)、森井忠良(日本社会党)、菅直人(社会民主連合)、草川昭三(公明党)、米沢隆(民社党)、小沢和秋(日本共産党)等であり、野党議員がその多数を占めていた。 与党の陰謀を追求するためであれば、「四十人以上」の連名は野党の団結で十分に実現可能な人数であろう。 にもかかわらず、国会議事録には先の3条件のいずれかが崩された記録はない。
次の条件を全て満足するにもかかわらず、国会証言が嘘である証拠を国会議員が提示できないならば、その国会証言に嘘がないと考えるのが妥当である。
- 国会議員が陰謀を暴く強い意思を持っている
- 国会議員の権限で容易に入手可能な情報で事の真偽が判断できる
丸山ワクチン問題は何度も国会で取り上げれているし、丸山ワクチンの審査を検証するのに必要な資料は容易に入手可能であるから、ワクチン関係の国会答弁には嘘がないと結論付けられる。 この結論は、たとえ、陰謀や圧力が存在したとしても、変わる余地がない。 よって、陰謀や圧力の有無とは無関係に丸山ワクチンの審査は適正に行なわれたと結論づけられる。
他の免疫療法剤との関係
週刊新潮の記事についても同じことが言えるのだが、クレスチンやピシバニールと絡めた話については、次の答弁が正論だろう。
○砂原参考人 ピシバニールでしたか非常に早く許可になったけれども、丸山ワクチンは三年もかかるのはとおっしゃるのですけれども、 先ほどから申し上げましたように、私は丸山先生も個人的によく存じ上げているしするのですけれども、やはり新しいこういう薬を開発するという手続をちゃんとなさる準備がなかった。 それから会社の方もそういうことに対して、恐らく新しい製品の開発の経験がないのでしょうが、それでデータがそろっていなかったということだと思うのです。 確かに私たちが見てもそうなんです。
第094回国会 社会労働委員会 第20号(http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/094/0200/09407300200020c.html)
ただ、私は、先ほどの小林議員の御質問の最後におっしゃったことに答えるといたしますれば、だから丸山ワクチンをいいかげんに通せとおっしゃるのは論理の逆立ちであって、それならクレスチンやピシバニールをやめさせろと言えばいいわけだと私は思う。
第094回国会 社会労働委員会 第20号(http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/094/0200/09407300200020c.html)
たとえ、クレスチンやピシバニールの承認が不適切だったとしても、それは、丸山ワクチンを承認すべき理由とはならない。
治験薬であること
「厚生労働省が治験を承認したのだから効果が期待できる」と主張する者もいる。 しかし、治験は届出制度であって許認可制度ではない。
薬事法第八十条の二(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S35/S35HO145.html#1000000000000000000000000000000000000000000000008000200000000000000000000000000) 治験の依頼をしようとする者は、治験を依頼するに当たつては、厚生労働省令で定める基準に従つてこれを行わなければならない。
2 治験の依頼をしようとする者又は自ら治験を実施しようとする者は、あらかじめ、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に治験の計画を届け出なければならない。 ただし、当該治験の対象とされる薬物又は機械器具等を使用することが緊急やむを得ない場合として厚生労働省令で定める場合には、 当該治験を開始した日から三十日以内に、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に治験の計画を届け出たときは、この限りでない。
3 前項本文の規定による届出をした者は、当該届出をした日から起算して三十日を経過した後でなければ、治験を依頼し、又は自ら治験を実施してはならない。 この場合において、厚生労働大臣は、当該届出に係る治験の計画に関し保健衛生上の危害の発生を防止するため必要な調査を行うものとする。
4 治験の依頼を受けた者又は自ら治験を実施しようとする者は、厚生労働省令で定める基準に従つて、治験をしなければならない。
5 治験の依頼をした者は、厚生労働省令で定める基準に従つて、治験を管理しなければならない。
6 治験の依頼をした者又は自ら治験を実施した者は、当該治験の対象とされる薬物又は機械器具等について、 当該薬物又は機械器具等の副作用によるものと疑われる疾病、障害又は死亡の発生、当該薬物又は機械器具等の使用によるものと疑われる感染症の発生その他の治験の対象とされる薬物 又は機械器具等の有効性及び安全性に関する事項で厚生労働省令で定めるものを知つたときは、その旨を厚生労働省令で定めるところにより厚生労働大臣に報告しなければならない。 この場合において、厚生労働大臣は、当該報告に係る情報の整理又は当該報告に関する調査を行うものとする。
7 厚生労働大臣は、治験が第四項又は第五項の基準に適合するかどうかを調査するため必要があると認めるときは、 治験の依頼をし、自ら治験を実施し、若しくは依頼を受けた者その他治験の対象とされる薬物又は機械器具等を業務上取り扱う者に対して、 必要な報告をさせ、又は当該職員に、病院、診療所、飼育動物診療施設、工場、事務所その他治験の対象とされる薬物又は機械器具等を業務上取り扱う場所に立ち入り、 その構造設備若しくは帳簿書類その他の物件を検査させ、若しくは従業員その他の関係者に質問させることができる。
8 前項の規定による立入検査及び質問については、第六十九条第五項の規定を、前項の規定による権限については、同条第六項の規定を準用する。
9 厚生労働大臣は、治験の対象とされる薬物又は機械器具等の使用による保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため必要があると認めるときは、 治験の依頼をしようとし、若しくは依頼をした者、自ら治験を実施しようとし、若しくは実施した者又は治験の依頼を受けた者に対し、治験の依頼の取消し又はその変更、治験の中止又はその変更その他必要な指示を行うことができる。
厚生労働大臣が治験の中止や変更を指示できるのは、薬事法第八十条の二第9項に基づいて「保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため必要がある」と認められる場合だけである。 厚生労働大臣には、保健衛生上の理由以外の理由での治験を中止させたり計画を変更させる法的権限はない。 つまり、次の3つの条件を全て満たせば、どんな物であろうとも治験を実施することが可能である。
- 厚生労働大臣に治験実施届を提出した
- 提出日から30日経過した
- 保健衛生上の理由による治験の中止又はその変更その他必要な指示がなかった
薬事法には「厚生労働省令で定める基準」に従って治験を実施しなければならないとされているが、「厚生労働省令で定める基準」にも薬効の科学的証明を義務づける規定はない。 「厚生労働省令で定める基準」に該当する物は、薬事法施行令、薬事法施行規則、医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令であろう。 これらには、毒性試験の実施や副作用の報告が義務づけられている他は、治験の実施手順が定められているだけであり、何処にも薬効の科学的証明を行なえとは書かれていない。
以上のとおり、治験薬であることは、何ら薬効の科学的根拠にはならない。
認可?許可?
ネット上では「認可」という言葉を使ってるサイトが多いが、薬事法では「承認」という用語を使っている
薬事法第十三条(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S35/S35HO145.html#1000000000000000000000000000000000000000000000001300000000000000000000000000000) 医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器の製造業の許可を受けた者でなければ、それぞれ、業として、医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器の製造をしてはならない。
薬事法第十四条(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S35/S35HO145.html#1000000000000000000000000000000000000000000000001400000000000000000000000000000) 医薬品(厚生労働大臣が基準を定めて指定する医薬品及び第二十三条の二第一項の規定により指定する体外診断用医薬品を除く。)、医薬部外品(厚生労働大臣が基準を定めて指定する医薬部外品を除く。)、 厚生労働大臣の指定する成分を含有する化粧品又は医療機器(一般医療機器及び同項の規定により指定する管理医療機器を除く。)の製造販売をしようとする者は、品目ごとにその製造販売についての厚生労働大臣の承認を受けなければならない。
では、薬事法の「承認」は認可なのか?許可なのか? この答えを出すには、認可と許可の言葉の意味を正しく理解する必要がある。
読み方 : にんか
行政庁が第三者の法律行為を補充して、その法律上の効力を完成させる行為のこと。
認可は行為の成立要件であるから、許可とは異なり認可を受けずにした行為は原則として無効となる。
さらに認可は、第三者の法律行為に対する補充行為に過ぎないから、その法律行為自体が無効な場合には、認可によってその法律行為が有効となることはない。
認可-法律用語辞典(http://law-words.com/lawterm/ninka.html)
読み方 : きょか
法令などによって一般的に禁止されている行為を特定の場合に解除する行為のこと。
許可は、私人が本来なら自由にできる行為を公益上の目的などから禁止し、特定の場合にその自由を回復させる趣旨であるから、認可とは異なり許可を受けずにした行為でも原則として無効とはならない。 ただし、処罰の対象にはなる。
許可-法律用語辞典Law-words(http://law-words.com/lawterm/kyoka.html)
| 用語 | 法律行為の成立要件 | 禁止事項の解禁 |
|---|---|---|
| 認可 | ○→行為の有効性に影響あり | ×→罰則なし |
| 許可 | ×→行為の有効性に影響なし | ○→罰則あり |
薬事法の「承認」は、禁止事項の例外を認める制度であり、かつ、処罰の対象にもなる。 また、製造行為を法律で無効とすることは出来ないから、薬事法の「承認」は、法律行為の成立要件ではない。 よって、薬事法の「承認」は、明らかに、許可であって認可ではない。
薬事法第八十四条(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S35/S35HO145.html#1000000000000000000000000000000000000000000000008400000000000000000000000000000) 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第四条第一項の規定に違反した者
二 第十二条第一項の規定に違反した者
三 第十四条第一項又は第九項の規定に違反した者
法律の文言としても「認可」とは書かれていないし、意味としても「認可」ではない。 それでは、何故、「認可」と書くのか。 それは、最初に間違って「認可」と書いた者の主張を、そのまま掲載しているからである。 ようするに又聞きした内容を自ら検証もせずに鵜呑みにしているのである。 よって、「認可」という言葉を使ってるサイト等の記述は信用しない方がよい。 又聞きでいい加減なことを言ってるサイトよりは、自ら、法律や国会議事録等の資料を検証した方がよい。
公式サイト
生存曲線については国会審議と出所が同じデータであるので検証を省略する。 公式サイトには丸山ワクチンの5年以上使用率が掲載されている。 これは、丸山ワクチンの効果の証拠となるだろうか。
データを検証するために、丸山ワクチンを使わなかった場合の推定5年生存率を求め、5年以上使用率と比較する。 5年生存率の推定には、全国がん(成人病)センター協議会加盟施設における5年生存率を用いる。 全国がん(成人病)センター協議会加盟施設における5年実測生存率に丸山ワクチン使用者の病期比率に当てはめて換算した5年生存率を求める。 ただし、使用者の病期比率の公開されている胃がん、肺がん、腸がん、乳がんについてのみ検証する。 他のがん種については、病期比率が公開されていないので検証しようがない。 尚、データの不明部分は丸山ワクチンになるべく有利となるよう、病期比率のうち「再発」はIV期としてカウントする。 また、「不詳」は判明している比率と同じ比率と推定する。
このグラフから読み取れることは次のとおり。
- 使用者が死ぬまで丸山ワクチンを止めないと仮定すると、丸山ワクチンは5年生存率を3〜5割低下させる。
- 丸山ワクチンを使用しても5年生存率が悪化しないと仮定すると、少なくとも3〜5割の使用者は途中で丸山ワクチンを止めている。
このデータからは丸山ワクチンに何の効果もないとは言えないが、このデータが丸山ワクチンの何らかの効果を示しているとも言えない。
- このページの参照元
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