第091回国会 衆議院 予算委員会第三分科会 第2号

これは丸山ワクチンの真相の一部である。

○森田分科員 公明党・国民会議の森田景一でございます。

委員長、大臣並びに関係の皆様方、連日大変御苦労さまでございますが、私の質問に対しましてはどうかひとつ確実に、簡潔に、明瞭に御答弁をいただきたいと思います。

最初に、私は丸山ワクチンの新薬許可ということにつきましてお尋ねしたいと思います。

私は千葉県柏市に住んでおりますが、私のうちの近くに上杉義文さんという方が住んでいらっしゃいます。 この方の娘さんの悪性脳腫瘍の治療に丸山ワクチンを使用いたしました。 娘さんが快方に向いたところ、担当のお医者さんが強引にピシバニールという薬を使用したため、腫瘍が再発し、結局中学三年生という若い命を亡くされたわけでございます。 このため、上杉さんは医師の重大な過誤であるとしまして、日本医大の三人の先生を相手取って損害賠償請求の訴訟を起こしました。 これは厚生大臣も御存じであると思いますが、この問題につきましてどのような見解をお持ちでございましょうか、お聞かせいただきたいと思います。

○田中(明)政府委員 がんの治療に限らず、医師が患者を治療するに当たりましては、医学的な検査を行い、適切な診断をし、それに基づいて現代の医学において考えられる最良の治療を施しているものとわれわれは考えております。

御指摘の事例の場合、医師に過誤があったかどうかという点につきましては、その事例の詳細にわたって十分な医学的な検討がなされて、しかるべきところにおいて判断されるものというふうに考えますので、個々の事例について厚生省として見解を述べるのは適当ではないと思います。

○森田分科員 私は、この事件で一番重要なことは、丸山ワクチンが医薬品として認知されていなかった、こういうことだと思うのです。 なぜ認知されないのか、こういうことにつきまして大きな疑問を持ちました。 特に公明党・国民会議の草川昭三議員が丸山ワクチンの製造承認申請に関する質問主意書、こういうものを出しまして、これに対する政府の答弁書が出されました。 これを読みましてから、これは私も突っ込んで調べていかなければならない問題だ、このように考えたわけでございます。

結論から申し上げますと、日本全国から、あるいは世界数十カ国からとも言われておりますけれども、丸山ワクチンを求めまして日本医大の丸山博士のところへ毎日数百名にも上る方々が訪ねてきておられる、こういうことでございます。 ですから、草川議員も主張しましたように、厚生大臣の超法規的な決断でこの丸山ワクチンを新薬として認めたらどうか、このように私は考えておるわけでございますが、大臣の見解をお聞かせいただきたいと思います。

○山崎政府委員 大臣の御答弁の前に事務的に申し上げたいと思いますのは、丸山ワクチンにつきましては五十一年十一月二十七日にゼリア新薬工業株式会社から承認申請が出されておりまして、これまで中央薬事審議会で五回にわたりまして調査、審議されたわけでございますけれども、その有効性を確認するにはいまだ資料が不十分だ、こういうことを理由にしてさらに追加資料の提出を求めている段階でございます。 したがいまして、必要資料が提出された時点で改めてこの中央薬事審議会で審議される、そういうことでございますので、その結果を待って対処していくということが現在のわれわれの考え方でございます。

○森田分科員 それは私も重々主意書の関係で承知しておりますが、大臣の決意のほどを私はお聞かせいただきたい、このようにお願いしているわけであります。

○野呂国務大臣 いま薬務局長の答えたとおりでございまして、超法規的決断と申しましても、当然中央薬事審議会の議を経なければならない問題でもございますから、追加の資料が提出された後において検討すべきものだ、かように考えております。

○森田分科員 それでは私は、質問時間の関係もございますので、ほかの質問を続けさしていただきまして、残りました時間でまた丸山ワクチンのことについてお尋ねしたいと思います。

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森田分科員は、「この方の娘さんの悪性脳腫瘍の治療に丸山ワクチンを使用いたしました。娘さんが快方に向いた」「担当のお医者さんが強引にピシバニールという薬を使用したため、腫瘍が再発」と主張する。 しかし、どのような判定基準で「快方に向いた」「腫瘍が再発」と診断したのか明確ではなく、真偽は定かではない。 この体験談から変わることは、「この方の娘さん」の「ピシバニールという薬を使用した」時期と「腫瘍が再発」が発覚した時期が一致していたことだけである。 本当に「丸山ワクチンを使用いたしました」ことによって「快方に向いた」のか、本当に「ピシバニールという薬を使用した」ことによって「腫瘍が再発」したのかは、この情報では全く不明である。 よって、「個々の事例について厚生省として見解を述べるのは適当ではない」と回答が帰ってくるのは当然であろう。

森田分科員は、「この事件で一番重要なことは、丸山ワクチンが医薬品として認知されていなかった、こういうことだ」と主張する。 しかし、効果を証明するデータがないものが「医薬品として認知されていなかった」のは当然であろう。

森田分科員は、「厚生大臣の超法規的な決断でこの丸山ワクチンを新薬として認めたらどうか」と主張する。 しかし、効果を証明するデータがないものを「超法規的な決断で」「新薬として認め」るなどとんでもない。

第087回国会 衆議院 社会労働委員会 第16号において、本橋政府委員は「がんの免疫療法剤の有効無効という判断の中心のところは、腫瘍の縮小効果」「丸山ワクチンにつきましてはまだ腫瘍縮小効果についてのデータが提出されておらない」と証言している。 だから、山崎政府委員が「その有効性を確認するにはいまだ資料が不十分だ」と説明するのは当然のことである。

○森田分科員 それでは、まだほかにも質問があるのですけれども、また最初に戻りまして、丸山ワクチンのことについてお尋ねいたします。

お尋ねしたいのですが、日本の死亡率の中で間もなくトップになるのではなかろうかと言われているがんの治療法についてどういう方法が、またこれなら絶対治るという治療方法が確立されているのかどうか、その辺をお答えいただきたい。

○山崎政府委員 がんの治療法は最近目覚ましく進歩しております。 従来はがんになったら不治であるというふうに言われておったわけでございますが、先生も御存じのとおり、手術による方法、放射線による治療方法、また薬による治療方法、それぞれ非常に進歩しておりまして、がんの種類、その進行の度合い、あるいは場所というようなことを勘案いたしまして、先ほど申しました三つの治療方法を適宜組み合わせて治療の効果を上げておるというのが実情であると承知しております。

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「これなら絶対治るという治療方法が確立」しているかどうかは、効果が証明されていないものを承認すべき理由とはならない。

○森田分科員 いま、がんの薬として国の方で認めておりますのがクレスチンという薬があるようでございます。 それからピシバニールというのがあるようでございます。 こういう薬は副作用があるのでしょうか、ないのでしょうか。

○山崎政府委員 お答え申し上げます。

私ども、副作用につきまして行政指導ベースで報告義務を課しておりますのと、あと副作用情報報告というようなものを組織的にとっておりますが、クレスチンにつきましては副作用はあまり報告されておりませんが、しかし発疹とか悪心、嘔吐、下痢、こういうものが少数例――少数例と申しますのは、三年ぐらいの期間でございますが、千二百例中十例程度、こういう少数例の報告がございます。 またピシバニールの副作用といたしましては、発熱とか注射部位の疼痛。 これはクレスチンは内服でございますが、ピシバニールは注射でございます。 そういう意味で注射部位の疼痛等がございますのと、ごくまれにショック症状が報告されている、こういうようなことでございます。

○森田分科員 丸山ワクチンには副作用が認められますか。

○山崎政府委員 いままで中央薬事審議会で御提出いただきました資料によりますと、副作用がない、かようにされております。

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副作用の有無も重要だが、それ以前に効果がないのでは意味がない。

○森田分科員 薬事法「第十四条第一項の規定による医薬品等の製造の承認の申請は、様式第十による申請書」云々。 施行規則だったかと思いますが、このようにあります。 クレスチン、ピシバニール、丸山ワクチンはそれぞれこういう申請書を出しているはずでございますので、その写しをひとつ提出していただきたいと思います。

委員長、取り計らいよろしくお願いいたします。

○山崎政府委員 医薬品等の承認申請書は記載事項の中に企業秘密に属するものが、たとえば製造方法というようなものを中心にして含まれておりますので、これは従来からもお断りしてまいりましたので、今後ともその性質上公表はできない、かように考えておりますので、御了承いただきたいと存じます。

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承認基準と丸山ワクチンの申請データがあれば、丸山ワクチンの審査が妥当に行われているかはチェックできる。 承認基準が明確であれば、それが医学的に妥当な基準かどうかもチェックできる。 第094回国会 衆議院 社会労働委員会 第20号では承認基準が明確に説明されており、追求者側は丸山ワクチンの申請データを入手しているようである。 よって、「クレスチン、ピシバニール」の「承認申請書は記載事項」が「企業秘密に属する」ことを理由に「公表はできない」とされても、丸山ワクチンについて議論するうえでは何も問題はなかろう。

○森田分科員 アメリカ厚生省ではアメリカのお医者さん約三百人ぐらいの方にピシバニールの試薬的使用を許可している、こういうように聞いております。 しかもアメリカから丸山ワクチンを求めてきている、こういう実情もあるようでございます。 それからお医者さんも過去数回にわたりまして、多いときには四、五十人の視察団が来ている、こういうことでございます。 それからアメリカ厚生省からも五回にわたって丸山ワクチンの調査に来ている、こういうことでございますが、大臣はこの丸山ワクチンの視察に行かれたことはございますか。

○野呂国務大臣 ございません。

○森田分科員 厚生省はどうでしょうか。

○山崎政府委員 いままで丸山博士の研究室を訪ねた事実はございません。

○森田分科員 そう訪ねた事実はないというのは、何回か行ったことはあるという意味ですか。

○山崎政府委員 訪ねたことはございません。

○森田分科員 時間の関係がありますので十分な質問ができませんけれども、少なくともこれだけ問題になっている薬であります。 先ほど最初に申し上げましたように、がんでほとんどの人が、治療法が確立されてないために苦しみながら死んでいくというこの現実を踏まえて、一人でも二人でも、苦しみが少なく、一日でも二日でも長生きできるような、こういうことを考えるのが厚生省の立場であろうと思うのです。 そういうことならば、企業がどうのこうのということは申し上げません、企業がどうであろうとも、いい薬であるならばひとつ、では国で試験的に採用しよう、国の研究機関もあるわけですから。 資料出せといっても出ない、こういうことじゃなくて、ではこういう資料を出せとか、さもなければ、それが出しにくいなら――もっと申し上げたいことはあるのですね。 けれども、こういう状況なんだから、それではひとつ国の方が積極的に、この薬が効くのか効かないのか、あるいは効かないとしても痛みがなくてそれで長生きできる、こういう状況ならば認めていってもいいじゃないか。 こういうことで、ぜひこの丸山ワクチンについて厚生省なり厚生大臣が一遍行って実情をお調べになった方が、日本国民のためになることだと思うのですが、この点だけお聞かせいただきたいと思います。

○山崎政府委員 お答え申し上げます。

私ども、いわゆるゼリア新薬に対しましては、こういうところの追加資料さえあればということで十分御指導申し上げてやってきておるつもりでございますし、また治験薬としてゼリアの会社におきましても、県立のセンターでございますとか国立大学とか国立病院も含めまして、いわゆる臨床研究例、治験例を集めているところなんでございます。 そういうことで、せっかく薬事審議会にかけるべき追加資料を求めておりますし、それをまって公正な判断にゆだねたい、かように考えておるところでございます。

○森田分科員 終わります。

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「アメリカから丸山ワクチンを求めてきている」は何ら丸山ワクチンの効果を証明しないので、「大臣はこの丸山ワクチンの視察に行」かなければならない理由にはならない。 「がんでほとんどの人が、治療法が確立されてないために苦しみながら死んでいくというこの現実を踏まえ」ても、治療法の開発に力を入れるべきとはなるが、効果を証明していない丸山ワクチンを特別扱いする理由にはならない。


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