第093回国会 衆議院 社会労働委員会 第6号

これは丸山ワクチンの真相の一部である。

○草川委員 大臣のお考えで、それがいいか悪いかは別といたしまして、いろいろな問題があると思いますが、私の真意というものは、少なくとも薬というものを安定させて、信頼というものを中心にして、医療というものが安定的に発展することを願いたい、こういうわけであります。

次は新薬の薬価基準への早期収載という問題に移らさしていただきたいと思うのです。

いまもお話がございましたように年二回新薬の収載ということが、一方では厚生大臣の権限で行われていくわけであります。 そして薬価というものが決まるわけです。 たまたま、いま、がんという問題が非常に大きなものになっておりまして、がんの撲滅というものは実は国民的な課題になっておるわけです。 そして私どもも切実な認識をし対処すべき問題であると思いますし、特に監督官庁である厚生省の役割りというものは非常に重要なものがあると私は思うのです。

そこで、これも私かねがね丸山ワクチンの問題につきまして厚生省の方に、丸山ワクチンの製造承認申請に関する経過は一体どうなっておるのかということを何回となく質問主意書を提出をしてきておるわけですが、答弁は一向に要領を得ておりません。 そこで、その見通しについて、これもやはり私は大臣の決断がないと、この問題も動かぬと思うのです。 それは専門家の方々がたくさんお見えになる前で、私がこういうことを言うのはおかしいのでありますが、きょう私が質問をする実は真意というのは、何回か繰り返しますけれども、薬が効くとか効かぬとかということは私ども素人ではわかりませんし、そういう問題をこの国会で、どうのこうのという論議をするつもりはございませんが、少なくとも行政上に差別があってはいけないということを訴えたいわけです。 Aという薬がAという条件で認可をされるならば、Bというメーカーから申請された薬も同じ条件で厚生省は認可すべきだ、そこにえこひいき、あるいは、いやがらせ、こういうものがあってはいけないという趣旨から私はきょう質問をするわけです。 この立場をまず明確に申し上げておきたいと思うのです。

たまたま東京大学法堂部の教授で篠原一さんという先生がおみえになりますが、この方を中心に、いま国会に大変な請願運動ということがやられて、厚生大臣にも面会をされておるということが報道されております。 何とか丸山ワクチンというものを製造承認をしてもらいたい、こういう要望だと思いますけれども、大臣は篠原先生等にお会いをなすって、どのようにお話をなすっておられるのか、御見解をまず賜りたいと思います。

○園田国務大臣 丸山ワクチンについては、丸山先生とお会いしたことはありませんが、篠原先生とは先日お会いいたしました。 この問題は、部外者でありますが、学問的にいろいろ意見が闘わされることも現状もよく知っております。 かつまた、このワクチンを使わしてもらって助かった、完全に治った、治らない場合でも痛みが薄らいで、なくなっていったという実例を私はたくさん知っております。 そこで薬務局長に次のようにお願いしてございます。 御承知の薬事審議会で個々の方で特別この丸山ワクチンに反対の方があるか、これはないということであります。 そこで、どうしてとまっておるのかと伺いますと、資料がいまなお不十分である、こういうことでありますから、それでは薬事審議会で論議され、審査を受けるような十分な資料が整うように、厚生省の方でも好意的にお手伝いをしてやってくれ、こういうふうにお願いしておるところでございます。

衆議院会議録情報 第093回国会 社会労働委員会 第6号

草川委員は、「薬が効くとか効かぬとかということは私ども素人ではわかりません」と言っているのに、どうして「行政上に差別」があったかのようなことが言えるのだろか。

この園田大臣の回答もトンデモである。 「このワクチンを使わしてもらって助かった、完全に治った、治らない場合でも痛みが薄らいで、なくなっていったという実例」のような体験談は何ら効果の証明にならない。

尚、第087回国会 衆議院 社会労働委員会 第16号において、本橋政府委員は「がんの免疫療法剤の有効無効という判断の中心のところは、腫瘍の縮小効果」「丸山ワクチンにつきましてはまだ腫瘍縮小効果についてのデータが提出されておらない」と証言している。

○草川委員 いま、いみじくも大臣が関心を持ってお聞きになられた、資料がまだ来ていないのだ、これは私の質問主意書にも同じような答弁がなされておるわけであります。 そこが実は問題でございまして、一回ぜひ大臣が日本医科大学へ朝八時でも七時でも行かれたらいいと思うのです。 一週間に一日か二日は休みがあるわけでございますが、北海道から九州から沖繩から、ひどい場合は台湾からアメリカから、患者が大体五百人くらい、寒い日も暑い日も雨の日も毎日ずっと並んでおみえになるわけです。 患者の方もあるでしょうし、家族の方もおるようでございます。 私どもも実情調査に行きますと、ずいぶんりっぱな方がお見えになって、じっとがまんをして並んでおみえになるわけです。 いま日本の国内で行列をするということがありますか。 それは盆暮れに飛行機の切符を買うときに並ぶということはあるかもわかりませんけれども、少なくとも病気というのは国民にとって一番身近な切実な問題です。 そういう切実なもので、毎日のように、とにかく五百何人全国から、もうここ十何年でしょう、並んでおみえになるわけですけれども、私はこういうことは近代国家にとって恥だと思うのです。

一体なぜ並ばなければいけないのか。 これは承認されないからなんです。 承認されないというのも、薬事審議会では資料がないという。 資料はあるんですよ。 出したわけですよ。 出したら、こういう程度の資料ではいけないといって三年間もじっと温めおいて、三年目になったら基準が違う、こういうわけですよ。 やり直せというわけですよ。 三年目になったら、またスタートから研究をやり直して持ってこなければいかぬわけですよ。 これはもう、いやがらせ以外にはないでしょうね。 だから、いま資料はないことは事実なんですよ。 しかも、その資料の中身は、飲んだら何年生きるかどうかということを明らかにしろというわけでしょう。 たとえば私がいま、がんで薬を飲んで、これから何年生きるかどうか五年たたなければわからぬでしょう、十年たたなければ。 五年たってみてAとBを比べてみなければわからぬような資料を出せという方が大体無理でしょう。 だから無理なことを言っているわけですよ。 それを私は大臣に聞いてもらいたいわけです。 だから私が何回か質問主意書を出しますと、いまだ、その資料がない。 何となく資料を出さなければ、それはだめよということですよね、世間体は。 そうじゃないですよ、いやがらせをやっておるわけですよ。

だから同じようなクレスチンとかピシバニールという免疫療法剤があるわけですが、それはもう、とっくの昔に通っているわけですよ。 それが最初に申請したのは五十一年でしょう。 同じような薬が二件もうパスしているわけです。 恐らく、もう薬になっているわけです。 みんな買えるわけです。 どこでも打てるわけです。 同じように丸山ワクチンが申請になると、いやがらせによって、それができない。 あの資料を出せ、その資料を持っていくと、もう一回やり直し、基準が違う、入り口が違うからやり直せ、三年たってまた行く、今度資料を持っていくと、どれだけ寿命が長引くかはっきりしてくれよ、こういうわけでしょう。

そういうやり方では、厚生大臣がいま言われたように、ちっとは厚生省しっかりせいや、もう少し何かないのかとおっしゃるのはよくわかると思うのですけれども、私は、いままでの薬事審議会のあり方は明らかに、どこかおかしいと思うのです。 どこか狂ったところがあると思うのです。 白い巨塔があるということだと思うのです。 特に、われわれがいままで余りタッチできなかったものがあるのでしょう、われわれの知らない世界ですから。 しかし、少なくとも私どもは同じような取り扱いをしていただきたい。 Aという薬があるならば、丸山ワクチンも同じ審査でやらせたらどうなんだろう。 そして、もしも間違っておるとするならば、みんなで応援をしてあげて、こういうことがあるじゃないか、ああいうことがあるじゃないかといってヘルプをする、それが私は厚生省の立場だと思うのです。 丸山ワクチンを承認することによって、ある大変偉大な権威がある先生の心証を害する、あるいは、そういういろいろな影響力に立ち向かおうとするならば、それが反発を受ける、そんなことを乗り越えるのが、やはり今日のがん対策だと私は思うのです。 がん撲滅の問題だと思うのです。 だから従来の流れ、考え方の中でいく限り、丸山ワクチンは永遠に幻のワクチンだと私は思うのです。 認可されないと思うのです、永久にいやがらせが続きますから。

だから私は少なくともここで厚生大臣に一つ、まず基本的にお願いをしたいのは、行政上絶対に差別をしないんだという、薬事審議会では、そういうことをさせないように努力をするということを、まず言っていただいてから担当の局に質問をしたい、私はこう思います。

○園田国務大臣 過去のいきさつは存じませんが、また、わざと聞かないことにいたしております、白紙の状態で、これに対して処理をしてもらうように。

篠原先生からも、たくさんの嘆願書やその他持ってまいりましたが、篠原先生には次のように答えました。 私もよく知っております。 しかしながら大臣が政治的判断を下すべき筋合いのものではない。 やはり医薬、薬でありますから、薬事審議会でこれを承認することが必要でありますから、役所の方でも好意的に、そういう資料をそろえられることに協力しますから、先生の方も過去のことはおっしゃらずに、もう一遍、白紙の状態で資料を集めてください。 そして両方で努力いたしましょう、こう答えてございます。

衆議院会議録情報 第093回国会 社会労働委員会 第6号

草川委員は「こういう程度の資料ではいけないといって三年間もじっと温めおいて、三年目になったら基準が違う、こういうわけですよ」と主張する。 しかし、そのような事実関係は存在しない。 これより約1年半前の第087回国会 衆議院 社会労働委員会 第16号では、本橋政府委員は次にように説明している。

  • 「がんの免疫療法剤の有効無効という判断の中心のところは、腫瘍の縮小効果」
  • 「丸山ワクチンにつきましてはまだ腫瘍縮小効果についてのデータが提出されておらない」

約半年後の第094回国会 衆議院 社会労働委員会 第20号では、次のような発言がある。

  • 丸山ワクチン擁護者の梅原参考人は、「私が厚生省中央薬事審議会に」「提出しました」「昭和五十一年」の報告書には「効果判定基準として学会提唱の基準を用いなかった」と証言している。
  • 丸山ワクチン擁護者の梅原参考人は「学会提唱の基準を用いなかった」理由として「SSMの効果を判定するには、腫瘍の縮小を目安とする化学療法剤の効果判定基準は不適当であると考えた」と証言している。
  • 森井委員の「クレスチンを御審査なさったときには、癌治療学会基準というのがあって、それでおやりになった」「丸山ワクチンの場合は、この基準でおやりになったのか」との質問に対して桜井参考人は「そのとおりでございます」と回答している。
  • 森井委員の「クレスチンと条件が違っておるのですね」との質問に対して桜井参考人は「違っておりません」と回答している。
  • 追求者側の山下(徳)委員は従来基準では「丸山ワクチン」の「有効性が確認できない」と発言している。
  • 山下(徳)委員の質問に対して山崎説明員が「クレスチン、ピシバニールはすでに従来の基準でパスしております」と回答している。
  • 追求者側の菅委員は「いろいろな方と話」の内容として「従来と同じであればがんが縮小する効果は丸山ワクチンには認められない」と発言している。

以上から、真相は次の通りである。

  1. 丸山ワクチンの申請当初には従来基準に沿ったデータが添付されていなかった
  2. 従来基準に沿ったデータが提出されるまでに「三年間も」かかった
  3. 提出されたデータでは従来基準をパスできなかった
  4. そこで、敗者復活戦を行うことになった(敗者復活戦の基準は従来とは「基準が違う」)

草川委員は「同じような薬が二件もうパスしている」「同じように丸山ワクチンが申請になると、いやがらせによって、それができない」と主張する。 しかし、そのような「いやがらせ」は存在しない。 これより約1年半前の第087回国会 衆議院 社会労働委員会 第16号において、本橋政府委員は「クレスチンあるいはピシバニール等につきましては腫瘍縮小効果が見られた」と証言している。 約半年後の第094回国会 衆議院 社会労働委員会 第20号でも、同様の証言が為されている。

草川委員の質問に対する園田大臣の回答がおかしい。 「いやがらせ」「差別」などは存在しないのだから、審査の経過を明らかにして説明すれば良い。 この後、山崎(圭)政府委員は、その説明をしている。 それなのに、何故か、園田大臣は「過去のいきさつ」は「わざと聞かないことにいたしております」として、審査の経緯を「白紙の状態」として有耶無耶にしてしまっている。

○草川委員 だから、そこら辺から、ちょっとおかしくなってくるのですが、白紙の立場からと言いますけれども、五十一年に、とにかく申請が出ておるわけですから、その時点に一回戻っていただいて、そして、そのときにはクレスチン、ピシバニールという免疫療法剤で許可を取っておるところがあるわけですから、同じように、どうしてこれがやれなかったのか。 これは一回、担当の局長の方から、なぜ差があるのかということを、まずお伺いしたいと思うのです。

○山崎(圭)政府委員 お答え申し上げます。

クレスチン、ピシバニールという、いわば免疫療法剤というような感覚で受けとめられております医薬品につきましては、それぞれ提出された資料が薬事審議会において審議、評価されたわけでございまして、申請された効能につきまして、その有効性が確認された、このように考えておるわけでございまして、抗悪性腫瘍剤として承認された、こういう関係でございます。 丸山ワクチンにつきましては、少なくとも過去提出されてきました資料に基づいて薬事審議会において十分審議、評価がなされたはずでございますし、なされたその結果が、有効性の確認には、いまだ資料としては不十分だ、こういう結論、こういうことになっておるわけでございます。

衆議院会議録情報 第093回国会 社会労働委員会 第6号

山崎(圭)政府委員は、このように「いやがらせ」「差別」などが存在しないことを説明しており、審査の経緯を有耶無耶にする園田大臣の対応とは食い違っている。

○草川委員 それは私が第一回に出した丸山ワクチンの製造承認申請に関する質問主意書の厚生省の答弁の第一項に書いてあるところを、いま答弁されたと思うのです。 これは厚生省が審査をしておるわけではなくて、中央薬事審議会において審査をしておることでありますから、局長が直接タッチをしておりませんけれども、先ほど申し上げましたように、少なくとも、いままで十二万八千人の方々がそこへ通院をなすっておみえになるわけです。 そして、ある方々は大変がんの治療に役に立った、延命効果もあった、あるいはまた治ったという方もおみえになるわけでありますし、それぞれの評価があるわけでございますが、たとえば「昭和五十四年秋の日本癌学会及び日本癌治療学会における研究報告については、申請者から資料として提出されていないので」審議の対象になっていないというふうに答弁書では片づけられておるわけです。 しかし、それではなくて、この当時は、もう現実的に、いろんな形で学会では発表されておるわけでございますから、書類の形式の手続上それが出ようと出まいと、そんなことは関係なしに、もう周知の事実になっておるわけですから、そういう学会の報告があるならば、それを参考にしたらどうだろう、少し考えてあげたらどうだろうということが、なぜこの五十一年、五十二年、五十三年の間に行われなかったのかということが私どもは言いたいわけであります。

そして五十一年に申請をして五十三年になったら、今度は基準が必要だ、この免疫療法剤の資料は、いままでの基準と違うから新しい基準をひとつつくろうじゃないかと言って、今度窓口を変えたわけですよ。 やり直さしたわけですよ。 これが一年前です。 そして一年間たって、この丸山ワクチンに対する評価をどうしようというので、その基準をいまつくったわけでしょう。 これから、さあやろうというわけですから、いまが実際この審査の入り口になるわけですよ。 まる四年間遊んだわけです。 まる四年の間、申請者は宙ぶらりんですよ。

私も申請者、メーカーの方に最初は一回か二回聞いたんですが、もう最近はメーカーの方もびびりまして来ないです。 私どもがお話をしても、先生悪いけれども勘弁してくれ、こう言うわけです。 逆に言えば、こんなに十何万人の人に効く薬は、もっと胸を張ってメーカーも堂々とすればいいじゃないかと言うのですが、とにかく、そっとしておいてくれと言うわけです。 これはどう考えてもわからないのです。 そっとしておいてくれというのは、われわれがこういう問題提起をするということも、何か厚生省は気に入らぬのだということになるんじゃないかと思うのです。 あるいは厚生省よりも薬事審議会に影響力を与える偉い先生のお気に召さない、こういうことになっていくと、日本の国民の体を預かる、しかも国民的な、がんというものを撲滅しなければいかぬという大キャンペーンを張っておる、命を預かる厚生省として、おかしいと思うのです。 どうして、そんな雰囲気が出てきたんでしょうね。 だから、とにかく余り騒がぬ方が早く承認されますよというような雰囲気があるんですね。

これは大臣、非常に重要なことなんです。 だから私も篠原先生に申し上げておるのは、国会で請願運動が始まって、どんどん国民運動になってくるのはいいけれども、下手をすると、こんなことをやられると、これはますます承認されぬかもわからぬよ、そういう雰囲気かもわからぬよ、そんなばかなことはないだろうという、これはやりとりなんですが、もしも私が心配するようなことがあるとするならば、日本はこれはもう世界最新鋭の、先進国でも何でもなくなってしまうと思いますよ。 そんな封建的な審議会しかも、この審議会の運営というものに行政はどうしても拘束されるわけですから、そういうものによって、せっかく国民的な願望というものが認められないとすれば大変なことになると思うのです。

だから逆に、それは神話を生むことになるわけですよ。 逆に神話を生むということは、かえって、それは問題解決につながらぬと思うのです。 私はこれは冷静に五十一年の時点に戻って、五十一年に申請をしたんですから、その時点での、いわゆるクレスチン、ピシバニール――いま違うと言うのですが、じゃ、その違うという根拠を示してくださいよ。 クレスチンとピシバニールを同じような免疫療法剤として許可をしたんだから、同じようにしてあげたらどうなんだろう。 なぜ丸山ワクチンだけ三年間も足踏みをさせるのか。 いまは四年目ですよ。 四年目になっても、まだ審査の対象になっていない。 資料が出ていない、あるにもかかわらず、資料が出てこないといういやがらせ、こういうことですよ。 しかも私どもがこういうところで取り上げたり、あるいは、いろいろと国民の皆さんの関心を呼ぶということになると、厚生省はメンツにとらわれる、あるいは厚生省というよりも、その審議会の人たちのメンツを逆なでするようなことになる、こういうことから、さらにこれが遅延をするということになると、私は重大な問題になると思うのです。 だから、もう一回前に戻して、行政上差別をしないということを、今度は局長の方から言ってくださいよ。

○園田国務大臣 大臣から申し上げます。 草川先生の御意見は十分理解するだけではなくて、裏の裏まで私はのみ込んでおるつもりでございます。 したがいまして、今後は差別待遇であるとか、いやがらせ、これは絶対にさせないことを、ここで誓います。 そして私が白紙に返るということは、おっしゃいましたとおり、一番最初の段階に返って、感情やいきさつがあったとするならば、それは全部なしにして公平な立場で、これを審査をしろ――もっと御質問に対して的確に答弁したいわけでありますが、事の性質上、私がここで右左をお答えすべき筋合いでございませんので御了承願いたいと思います。

○草川委員 いま大臣の方から、そこまではっきり言っていただくなら、裏の裏まで承知しておる、ひとつ私が大臣になった以上は差別一切なしでやろう、こうおっしゃっていただくわけですから、それ以上、私は申し上げるものは何ものもございません。 がんの問題については国民的な重大な関心を呼んでおることでございますし、患者の立場に立てば、もっともっと早く、いまのような大臣のお考えも聞きたかったことだ、こう思うのです。 しかも前々厚生大臣の野呂さんの場合も、専門の、がんの権威の先生方ともお話しになられて、厚生省当局にも早急に促進方をやられたと漏れ承っておるわけであります。 これは行政以外に一つの審議会あるいは審議会を取り巻く先生方の問題もあるわけでありますから、余り、これ以上立ち至っては申し上げませんけれども、いま園田大臣のおっしゃったことを私もしっかりと受けとめまして、ぜひ早急に審議会が再開される、あるいはまた足らない点があるならば、国のいろいろな研究機関もあるわけでありますし、さらにまた現在進んでおります、たとえば愛知がんセンターの研究報告でも非常に明るい意味での報告も出ておるわけでありますから、早く当局としても促進方をやられて、これこそ薬価調査と同様に、少なくとも、これが早急に朗報になって出るようにしていきたいということをお願いをするわけであります。

きょうは、そういうことを申し上げて、いまの大臣の答弁を私は非常に高く評価して、以上で終わりたい、こう思っております。 どうか、よろしくお願いいたします。 どうもありがとうございました。

衆議院会議録情報 第093回国会 社会労働委員会 第6号

草川委員は「ある方々は大変がんの治療に役に立った、延命効果もあった、あるいはまた治ったという方もおみえになる」と主張するが、それは体験談の類であり、何ら効果の証明にはならない。 第094回国会 衆議院 社会労働委員会 第20号等で明らかになったデータには、治療効果を実証するものは何1つない。

「昭和五十四年秋の日本癌学会及び日本癌治療学会における研究報告」が、「申請者から資料として提出されていない」ならば、「審議の対象になっていない」のは当然であろう。 「審議の対象」にして欲しいのであれば、申請者が資料に追加すれば良いだけである。 「そういう学会の報告があるならば、それを参考にしたら」申請者側に都合の悪い「学会の報告」まで「審議の対象」になりかねない。 「申請者から資料として提出」されたもののみを対象とする場合は、「審議の対象」に加えて欲しくないデータは、申請者側が意図的に加えないようにすることができる。 このように、「審議の対象」にするか申請者側に取捨選択権が与えられているのであり、それは申請者側に有利になることである。 申請を後押しする側が、申請者の自由裁量であり、かつ、申請者側に有利になるやり方に文句を言うのはお門違いである。 文句があるなら、申請者側に「資料として提出」しろと言うべきだろう。

草川委員は「五十一年に申請をして五十三年になったら、今度は基準が必要だ、この免疫療法剤の資料は、いままでの基準と違うから新しい基準をひとつつくろうじゃないかと言って、今度窓口を変えた」「丸山ワクチンだけ三年間も足踏みをさせる」「あるにもかかわらず、資料が出てこないといういやがらせ」と主張するが、それが真実と食い違っていることは先ほど説明した通りである。 そして、既に説明した通り、「まる四年間遊んだ」のは適切な申請データを提出しなかった申請者の落ち度である。

「十何万人の人に効く」とする証拠は何1つ示されていない。

「国会で請願運動」を理由に、効果を証明しないものを承認してしまっては、それこそ「日本はこれはもう世界最新鋭の、先進国でも何でもなくなってしまう」。

草川委員は「五十一年に申請をしたんですから、その時点での、いわゆるクレスチン、ピシバニール――いま違うと言うのですが、じゃ、その違うという根拠を示してください」と主張する。 しかし、約1年半前の第087回国会 衆議院 社会労働委員会 第16号では、本橋政府委員は「がんの免疫療法剤の有効無効という判断の中心のところは、腫瘍の縮小効果」「クレスチンあるいはピシバニール等につきましては腫瘍縮小効果が見られた」「丸山ワクチンにつきましてはまだ腫瘍縮小効果についてのデータが提出されておらない」と説明している。

この草川委員の質問に対する園田大臣の回答もおかしい。 「いやがらせ」「差別」などは存在しないのだから、審査の経過を明らかにして説明すれば良い。 この後、山崎(圭)政府委員は、その説明をしている。 それなのに、何故か、園田大臣は、審査の経緯を「白紙に返る」として有耶無耶にしてしまっている。

尚、丸山ワクチン 患者・家族の会等は園田大臣の「今後は差別待遇であるとか、いやがらせ、これは絶対にさせないことを、ここで誓います」という発言だけを抜き出して、あたかも、園田大臣が過去の差別を認めたかのように偽装している。 しかし、園田大臣は「過去のいきさつは存じませんが、また、わざと聞かないことにいたしております」「白紙の状態で、これに対して処理をしてもらう」「白紙に返る」と過去に差別があったの否かについては闇に葬り去ることを宣言し、「一番最初の段階に返って、感情やいきさつがあったとするならば」とする仮定の元で「それは全部なしにして公平な立場で、これを審査」としているに過ぎない。 園田大臣は過去の差別などは一切認めていない。


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