第095回国会 参議院 社会労働委員会 第3号

これは丸山ワクチンの真相の一部である。

○安恒良一君 私は大臣の答弁でいいんですけれどもね。

局長、問題があればじゃ困るんですよ。 問題が起こったときでは遅いんだよ、君。 問題が起こらないようにやらなければだめなんだよ。 製薬会社だけに任しておると問題がやっぱり起こるんだよ。 一番いい例はスモンじゃないですか。 だから、私は行政の姿勢として、問題が起こる前に――製薬会社が自主的にやっていられることは評価しているんですよ。 しかしそれだけでは足らないじゃないですか。 だから、所管大臣として念には念を入れて、こういうものは試験をいまから厚生省でやるんだから、その結果がわかるまでは使用しないようにと。 それから回収にあれをするようにということをやることがどうしてあなたは言えないんですか。 問題があればと――問題が起こってからでは遅いんですよ。 その一番いい例がスモンでしょうが。 スモンも中間で学者がいろんな警告をしたにもかかわらず、問題があればあればということでずるずるずるっといっておって、あれだけの世界に例を見ない薬害を引き起こしているじゃないですか。 ですから厚生大臣ぜひ早急に――所管大臣として、問題があればじゃない、問題が起こったら遅いんですから、その前に念には念を入れて、いま言ったようなことの医療機関なり流通機構なりに徹底をする御指示方をぜひお願いしたいと思います。 よろしゅうございますね。 ――それじゃこの問題は終わりにいたします。

次に、丸山ワクチン問題について考えを聞かしていただきたいと思います。

まず、丸山ワクチンの扱いがこれは非常に問題になりまして、衆議院の社労委員会でも集中審議をされました。 その後、それらを受けて皆さん方がとられましたことは、丸山ワクチンを準医薬品、いわゆる治験薬として認める、そして一部有償にする。 有償というのは、これを使用する人から対価を取る。 それからいままでは東京まで参らなければとれなかったのを郵送方式で全国に供給する。 こういう中身で厚生省と製造元のゼリア新薬工業との間で大筋合意が成立した。 そして二十日厚生省みずからも異例の措置だということで発表されたのですが、私は私なりにそういうことをされたことは一応評価いたしてます。 しかしいろいろまだ問題があると思いますからお聞きしたいんです。

まず、いまの現状は、大筋ゼリア新薬工業との間に合意をしたということですが、この大筋合意というのは、まだどことどこの間に合意しないのが残っているんでしょうか。 問題点はどこにあるんでしょうか。 それからいつごろ最終的なこの問題に対するゼリア新薬工業なりそれから丸山先生のところを含めて決着がつくんでしょうか。 それをお聞かせください。

○政府委員(持永和見君) 丸山ワクチンの供給継続の問題につきましては、いま先生御指摘ございましたように、丸山ワクチンを治験薬として実施する。 それから治験の実施医療機関を丸山先生の研究施設がございます日本医大とする。 また丸山ワクチンの使用を希望する医療機関は、主治医でございますけれども、こういった方々は日本医大に共同治験の申し入れをする。 その共同治験者に対しまして丸山ワクチンを日本医大から郵送方式によって郵送することによって患者さん方の入手がしやすいようにする。 それから治験薬は有償とする。 こういうような基本的な方針につきましてゼリア新薬工業側と基本的な合意に達しております。

で、いま申し上げましたように、丸山ワクチンの治験機関、これが日本医科大学ということになっておりますので、日本医科大学に現在ゼリア新薬側が、こういう方向で基本的な方針を了解いたしておりますので、その了解した線に沿って話し合いを進めるということでございますが、現在日本医大の直接の担当先生でございます丸山先生が入院中でございまして、そういう意味でこの話が現在まだ結論が出てないということでございます。 私どもあるいはゼリア新薬工業側としては、できるだけ早くこれを進めたいということでそういう希望を強く持っておりますけれども、丸山先生側のそういった病気の回復待ちというのが現在の状況でございます。

○安恒良一君 有償ということですが、幾らお取りになるんですか。

○政府委員(持永和見君) 有償の問題につきまして、私どもといたしましては、ゼリア新薬側にできるだけ患者の負担を大幅にふやさないでほしいということで申し入れをしておるところでございます。 具体的な金額につきましては、ゼリア新薬とそれから日本医大とが話し合い、それを私どもの方に治験計画届の中に有償の金額を入れてまいりますので、そのときに具体的に検討さしていただきたいと思っております。

○安恒良一君 現在、丸山先生のところに行ったときにお金を払っていますね。 それと考えてどうなんですか、そこらは。 それはあくまでもまだあなたは、丸山先生のところとゼリア新薬工業の話し合いの上で、それからだ、こう言われていますけれども、厚生省として丸山ワクチン、これだけの異例のことをおやりになった以上、少なくともゼリア新薬工業との間については、そういう点についても話し合いされているんじゃないですか。 あなたの意見を聞いていると、何か全くゼリア新薬工業と丸山先生のところから出てきたとき初めて、値段はできるだけ患者負担を少なくと、こういう抽象的なことを言われていますが、そういう点はどうですか、中身は。

○政府委員(持永和見君) 薬事法上の治験薬と申しますのは、先生も御承知のとおり、無償と有償とございまして、有償の例は今日まできわめて少ないわけでございますが、丸山ワクチンの場合には、治験の対象としての症例数が非常に多い、あるいは製造、供給にはメーカー側のかなりの経済的負担を伴うというようなことで、有償にしてもやむを得ないということで私ども判断いたしまして、現在ゼリア新薬側で有償の問題について詰めておる、ところでございます。

先ほど申し上げましたように、現在日本医大で患者に直接手渡しをいたしておりますが、今度やります治験薬というのは、全国の共同治験者を募りまして郵送方式、こういうことにもなりますので、そういった点の経費も勘案しなければならないというふうに考えておりますが、私どもといたしましては、できるだけ患者の負担の軽減を図るという趣旨で話し合いを進めていきたいというふうに考えております。

一方、今回の治験のやり方というのは、現在日本医大に全国から、北海道、九州から全国の患者が時間と経済的負担をかけてとりにこられるというような形態が郵送方式によってなくなるというふうに考えておりますので、そういう点では患者さん方の経済的な時間的な負担の軽減は大いに図られるというふうに思っております。

○安恒良一君 遠隔の地から日本医大まで月に一回足を運んでいるということで、この点で物心両面から遠隔地の患者さんの負担が軽減になったということは私もわかった上で聞いているんです。 私が聞いていることに端的に答えてくださり

いま丸山先生のところでもらうときの薬の値段と、郵送料は別ですよ、郵送料は別ですが、今度有償治験薬になったわけですから、その有償についてはどのくらいのことで決まるんですかと、こう聞いているんで、それだけのことを聞かしてくれればいいんだ。 いろんなことを言うことはないんだ。

○政府委員(持永和見君) 現在丸山先生のところで患者さんにお渡しされている薬の値段は、四十日分で五千円でございます。 四十日分で五千円という値段でございますが、今度の治験薬がどの程度になるかということは、これは私どもとして現在の段階でまだ具体的に申し上げられる段階ではございません。

参議院会議録情報 第095回国会 社会労働委員会 第3号

持永和見政府委員が「有償の例は今日まできわめて少ない」と説明しているとおり、「特例中の特例」として丸山ワクチンは優遇されている。

尚、持永和見政府委員の「治験の対象としての症例数が非常に多い、あるいは製造、供給にはメーカー側のかなりの経済的負担を伴うというようなことで、有償にしてもやむを得ない」は全く意味不明である。 これらの点は他の医薬品候補と比べて何ら違いはないのであり、「有償にしてもやむを得ない」理由の説明に全くなっていない。

○安恒良一君 大臣、これは値段の決まり方いかんで大変な問題になる。 というのは、国民皆保険なんですよね。 皆保険でこういうものが有償であること自体が大体おかしい。 それはなぜかというと、すでに丸山ワクチンというのはいわゆる治験薬の範囲を越えているんです。 現在三万五千人の人がこれを使っておりますから、もう研究用の薬の範囲を越えておりまして、むしろもう治療薬なんですね。 ただ、たまたま薬事審議会でああいうことになっただけの話ですから、その限りにおいて治療薬であるならば、皆保険下において――特にがんにかかった場合には本人は大変苦しいし、また負担も大変なんですよ。 その場合にまた薬代も患者が持たなきゃならぬということになると、何のための国民皆保険かと実は言いたくなるところです。

そこで、その価格はまだいま言えないというんですから、公の席上では言えないということですから、後からお聞きをしますけれども、私はその点については、現在三万五千人の人が丸山先生のところで四十日分五千円ということでもらっているわけですから、そういうことを十分参考にして患者の負担にならないような方法を考えてもらいたいと思いますが、どうでしょうか。

それからいま一つは、そうかといってゼリア新薬工業の方だけに負担をかけるのもまた間違いなんですね。 それから治験に協力される丸山先生を初め多くの先生が、全国で今度はまたいわゆる臨床医としての治験設定者にかなりなられるだろうと思いますが、そういう方に御負担をかけても私はいけないと思うんです。

そこで、政治として、これだけの特例中の特例をあなたも認められたんですから、認められた以上は、本当ならば一番いいのは、後から申し上げたいんですが、条件つき認可ということに論理を展開していきますが、その前に、財政負担論からだけ言うと、何か方法はないのか。 たとえば一製薬メーカーの新薬開発に助成金を出すわけにはいかない、こういう理論もありますね。 それから治療薬というふうに認めてない治験薬の段階で保険が持つわけにいかぬという論理もあるわけです。 だから、そんな論理を言っておったのではこれは何にも片づかぬわけです。 そこで、そういうときに政治、行政というのがあるわけですから、何らかの方法を大臣は検討されてしかるべきである。

たとえば私の一つの試案的なことを言いますと、丸山先生のところなり、それから治験者と設定された臨床医がこれを扱われるところに対する何らかの方法の援助とか、いろいろ知恵を働かしてみられた方が私はいいんじゃないかと思います。 私もいますぐこれだという決め手を持っておりません。 私は私の個人的な考え方から言うと、一番無難なことは、たとえば日医大なり、これを実際臨床で扱われる医療機関に対しての何か方法はないものか。 そういうことになれば現行の健康保険法にも薬事法にも抵触しないだろう。 だから健康保険法の逸脱にもならない、薬事法の逸脱にもならない方法で、これが患者だけで三万五千、家族を入れると百万という人の問題ですから、何か方法を考えていただきたいと思いますが、ここらは大臣どうなんでしょうか、何か御研究されていますか。

○国務大臣(村山達雄君) 丸山ワクチンというあの薬が非常に特殊の経過をたどってきたことは私も十分承知しておるわけでございます。 したがいまして、今度の試験の成績では有効性が確認されなかったけれども、治験薬としていま話を進めているのもまたそこにあるわけでございます。

問題は、今度有償の治験のときにどうするか。 いま安恒委員が、あるいは国が場合によっては財政負担をしたらどうかというような、そこまで気持ちがおありになるかどうかわかりませんが、もしそういうふうにとると、私は丸山ワクチンであろうと、ほかの薬であろうと、これは製薬会社がみずから責任を持ってやるべきであって、国が特定の薬に対して援助するということはいかがなものであろうかと、基本的にそう考えております。

それから問題は、まだ新薬として承認されていないところでございます。 したがって、会社の方で非常に利益を上げるなんということは、これはとんでもない話だと思うのでございますが、さらばといって会社の方に余り負担をかけますと、会社側が供給をだんだん少なくするという問題も考えられるわけでございます。

したがいまして、一体こちらの方としては、患者にできるだけ手に入りやすいようにという注意をして、そしてどんな案を持ってまいりましょうか、恐らく妥当な結論を出してくるんじゃないだろうかと私は期待いたしているのでございます。 したがいまして、患者の手に入りやすいように、そしてまたその範囲でできるだけ安くと、ここがねらいなわけでございます。

○安恒良一君 私が大臣に言っていることは、一つは、患者の手に入りやすくということは価格問題もあるわけですね。 それから私も、治験薬というものをいまの健康保険法に基づいて持てと、こう言っているわけじゃない。 それは法の問題があるでしょう。 それから薬事法から考えてもいろいろ問題があるでしょう。 しかしながら、あなたたちは現実に口では治験薬と言いながら治療用の方向で実際は認められているわけですから、それらの方法について何か方法がないのか。 何も私は全額国が持てなどということを言っているわけじゃないですよ。 こういうものの研究開発に大変苦労され、それの治験でこれからもまたいろんな実験データを集めて報告しなければならぬわけですから、そういうような問題についてもひとつ何か方法を考えてほしい、こういうことを言っているんです。

そこで、どうもなかなかいい知恵もあなたたち浮かばないようですから、そういうことになりますと、一遍これをもとに戻して議論をせざるを得ません。

まず、今回のとられた措置は、薬事法の拡大解釈ですね、これは。 しかし、薬事法を厳密に読みますと、やっぱりこれは法違反をしている行為だというふうに私は思う。 というのは、未承認の薬、それが治験薬という名前で全国に出回るわけですね。 そういうことになりますと、今回の場合には、すでに丸山先生を初め多くの臨床医の方々がたくさんの実験をされて、治療にも効果ありということでありますからいいんですが、法というものは、一たんこういうふうに拡大解釈をしてまいりますと、さらに未承認の薬がやみルートで全国に出回りはしないか。 こういうことでは薬事行政に大きな問題を起こすというふうにこの点が思えます。

それからこの有償ということも、局長も言ったように、治験薬で有償というのも、またこれも例外中の例外なんですよ。 有償の制度が全くないとは言いません。 しかし例外中の例外のことをあなたたちはされようとしているわけですね。 でありますから、どう考えてみましても、少し無理をされているというふうに私は思います。

しかし、それは国民のためになる無理なら無理でいいじゃないかということに論議が発展しそうでありますが、私はそのことは否定しておりません。 しかし私から言わせると、条件つきで認可するというやり方がありはしないか。 そういう点について御検討くださったのかどうか。 余り法の拡大解釈を無理をしてやるよりも、過去にも条件つきで認可をされている方法があるんですから、丸山ワクチンは、ここまでまいりますと、一番いい方法は、条件つきで認可をしておく、そしてその条件をできるだけ早く満たしてもらうように行政指導をやっていくということが一番いいことだと、私はずっと今回の措置をいまも申し上げたような点から見まして考えるんですが、こういう点について大臣のお考えを聞かしてもらいたいと思います。

○政府委員(持永和見君) 先生の御案内のとおり、現在の薬事法上では、厚生大臣は医薬品について有効性というものが確認されない場合には承認を与えてはならないというような規定があるわけでございます。 現在その薬事法上で、先生御指摘のような条件つきの許可なり認可というような法律上の根拠もございます。 根拠もございますが、これは医薬品の、そこをごらんいただければおわかりと思いますけれども、保健衛生上の危害発生防止の観点からこういった場合には条件をつけるということになっておりまして、主として副作用が発生する可能性のあるものについてそういった条件と申しますか、報告義務を条件として認可しているというようなことはあるかと思います。 しかし一般的に医薬品につきましては、有効性というものが確認できない場合には承認ができないというようなたてまえになっておりまして、私どもといたしましては、先生も御案内のとおり、八月十四日の薬事審議会の答申で、現在の段階においては有効性は確認することはできないというような答申が出ましたために、ちょっとそういった道はとり得ないというふうに考えざるを得ないわけでございます。

参議院会議録情報 第095回国会 社会労働委員会 第3号

安恒良一議員は「あなたたちは現実に口では治験薬と言いながら治療用の方向で実際は認められている」と主張する。 確かに、「現在三万五千人の人がこれを使っております」ことは、現場の扱いとして「研究用の薬の範囲を越えておりまして、むしろもう治療薬」として使われていることを示している。 有償治験で金さえ負担すれば誰でも受けられるという点は、薬事法の抜け道を利用して実質的に治療薬として使われているのに等しい行為である。 しかし、治療薬としての使い方を政府が認めたわけではない。 持永和見政府委員は治験薬であると明言しており、治療薬として使うことを政府から「認められている」という事実はない。 もちろん、持永和見政府委員の「薬事法を厳密に読みますと、やっぱりこれは法違反をしている行為」であるという指摘は正当である。

安恒良一議員は「薬代も患者が持たなきゃならぬということになると、何のための国民皆保険か」と主張するが、それは全くの見当違いである。 効果が認められていないのだから、国民皆保険の対象とならないのは当然である。 「薬代も患者が持たなきゃならぬ」ことが問題だというなら、有償となることに対して意義を申し立てて無償治験とするよう要請すべきであろう。

持永和見政府委員が「保健衛生上の危害発生防止の観点からこういった場合には条件をつける」と説明しているように、有効性が確認できたものについて「条件つき認可」を行っている。 持永和見政府委員が「有効性というものが確認できない場合には承認ができない」と説明するまでもなく、常識で考えても、効果を証明していないのに「条件つき認可」などはあり得ない。 持永和見政府委員は「薬事法を厳密に読みますと、やっぱりこれは法違反をしている行為」を問題だと指摘しておきながら、効果を証明していないものを「条件つき認可」にしろなどと主張するのは、完全なダブルスタンダードである。

村山大臣が「製薬会社がみずから責任を持ってやるべきであって、国が特定の薬に対して援助するということはいかがなものであろうか」と説明する通り、有望な医薬品候補であれば製薬会社が自ら効果を実証できるのである。 丸山ワクチンは医薬品として成功する見込みが薄いから「製薬会社がみずから責任を持ってやる」ことができないのであり、そうしたものに多額の税金をつぎこむのでは本末転倒であろう。

安恒良一議員は「すでに丸山先生を初め多くの臨床医の方々がたくさんの実験をされて、治療にも効果ありということであります」と主張するが、第094回国会 衆議院 社会労働委員会 第20号等で明らかにされた情報によれば、「丸山先生を初め多くの臨床医」が「治療にも効果あり」と主張していても、「丸山先生を初め多くの臨床医の方々がたくさんの実験」は何ら「治療にも効果あり」を示していない。

○安恒良一君 同じ免疫療法剤のクレスチンですね、これは呉羽化学工業が出していますが、初めに薬効成分の解明、副作用のチェック、臨床効果の報告など条件つきであなたたちはクレスチンを認可をしているじゃないですか。 そして、ここに私は新聞の切り抜きを持ってきていますが、がんの免疫療法剤のピシバニール、クレスチンについて効能をこれから二年がかりで追試する。 いわゆる「ガンの免疫療法剤として広く使われている」これについて、「財団法人・がん実学的治療研究財団はこのほど、患者の延命効果を調べる二年がかりの比較臨床試験を開始した。 制がん剤の組み合わせによる最も効果的なガンの治療法をさぐる研究の一環」であるということで、すでに試販売をし、許可されているものについても、ただ単に副作用だけではなくして、いま私が申し上げましたような問題、いわゆる効能の再評価についてまでこれから二年間の追跡調査をやられようとしているということが新聞でも報道されていますし、対象は全国二百五十カ所の大学、国立病院などで、調査方法なんかは除いて書いてありますが、一方においてはそういうことをおやりになっているんじゃないでしょうか。 ですから、あなたが言われたように副作用だけではないんじゃないでしょうか。

私は率直に言って、この制がん剤というのは一つで決定的なオールマイティーはないんです。 あれば早いところノーベル賞をもらっていますよ。 ですから、いろいろなものを複合して治療するところに制がん剤というものがあるわけですから、そうしますと、このクレスチンのときにとられたようなことが丸山ワクチンの場合においてもとられてしかるべきではないだろうか。 というのは、かなりの臨床実験、人体実験、動物実験等はたくさんされた中で、丸山ワクチンが副作用がない、そして免疫療法剤としても有効だというデータもたくさんあるわけなんですよね。 ですから、そういう限りにおいては、余り法を拡大解釈して、後からまたしまったと思うような、いま申し上げたようなやみルートができるような道を開くことは、私はやっぱり余りよくないと思う。 そういう意味から言って、私はぜひ治験薬ではなくて、条件つきで認可するという方向に踏み切られてしかるべきだと思います。

そこで、それの前提としてちょっとお聞きしておきたいんですが、薬事審議会から附帯意見が出ていますね。 私ここにいただいていますから、読み上げていただくことは結構ですが、三つのことが書いてありますね。 この三つのことは、「この物質の医薬品としての有効性を確認するためには、順次」(1)(2)(3)を「整備すること等について、引き続き試験研究を行う必要がある。 」と、こういうふうに書いてありますが、これはどういうふうにやっていけばいいんでしょうか。 たとえば(1)(2)(3)を順番でやるんでしょうか、それとも並行的に(1)(2)(3)をやるんでしょうか。 それからこれからのこの見通しはどうなんでしょうか。 たとえばすでに従来のデータがたくさんあります。 このデータは全部不採用にして新しくデータをとり直されるつもりですか。 それとも従来のデータはデータとして採用しながら、さらに新しいデータをこれに基づいて追加要求されるんでしょうか。 そういうところについての考え方を聞かしてください。

○政府委員(持永和見君) いま御指摘の審議会の附帯意見の問題でございますが、三つの附帯意見がついております。 それで、私どもといたしましては、今回承認申請のありましたSSM注射液というものにつきましては、すでに先生御指摘のように臨床試験もかなりの数行われておりますし、安全性については特に問題がないというようなことがございます。 それから基礎研究、こういったものについて資料が不十分な点はございますけれども、研究実績としてはございます。

こういうようなことから、(1)(2)(3)というふうに順を追っていきますと臨床試験――臨床試験は一番最後になるわけでございますけれども、私どもといたしましては、いま申し上げました理由で(1)(2)と同時並行的に臨床試験も継続することにも意義があるというふうに考えておるわけでございます。

それからいま先生御指摘の、従来すでにあるデータはどうするか、こういうようなお話でございますが、従来あるデータは、現在承認自体が不承認の決定もしてない段階でございますので、預かりのような形になっております。 そういう意味合いからしましても、従来出されておりますデータの中で有効なものは、これから出されるデータに当然包括されまして新しい審議の対象になるというふうに理解をいたしております。

参議院会議録情報 第095回国会 社会労働委員会 第3号

「ピシバニール、クレスチンについて効能をこれから二年がかりで追試」「患者の延命効果を調べる二年がかりの比較臨床試験」は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下「薬事法」)第14条の4の再審査のデータ取得であり、薬事承認のデータ取得ではない。 第094回国会 衆議院 社会労働委員会 第20号において、「ピシバニール、クレスチン」については従来基準をパスしていることが説明されている。

安恒良一議員の「あなたが言われたように副作用だけではない」という主張は事実関係の誤認によるものである。 先ほど持永和見政府委員が「主として副作用が発生する可能性のあるものについてそういった条件と申しますか、報告義務を条件として認可している」と説明したことは、薬事法第14条の3の特例承認に対する報告義務等(安恒良一議員の言う「条件つき認可」)に関する説明である。 一方で、薬事法第14条の4の再審査は、「既に第十四条又は第十九条の二の承認を与えられている医薬品と有効成分、分量、用法、用量、効能、効果等が明らかに異なる医薬品」(いわゆるジェネリック医薬品に該当しない医薬品。以下「新医薬品」)および「新医薬品」と「有効成分、分量、用法、用量、効能、効果等が同一性を有すると認められる医薬品」の全てに求められるものである。 両者は全く違う制度である。 ようするに、安恒良一議員は、「ピシバニール、クレスチン」が薬事法第14条の4の再審査の対象となったことを「条件つき認可」であると誤認したのである。

尚、薬事法第14条第2項によれば、医薬品は「申請に係る医薬品又は医薬部外品が、その申請に係る効能又は効果を有すると認められないとき」に承認しないこととなっている。 また、薬事法第第14条の3の特例承認は、緊急避難措置で、かつ、日本と同等水準以上の外国で承認されていなければならず、これもやはり効果が認められないものは対象とはならない。 これは持永和見政府委員が「現在の薬事法上では、厚生大臣は医薬品について有効性というものが確認されない場合には承認を与えてはならないというような規定がある」と説明している通りである。

安恒良一議員の「このクレスチンのときにとられたようなことが丸山ワクチンの場合においてもとられてしかるべき」という主張も事実関係の誤認によるものである 第094回国会 衆議院 社会労働委員会 第20号において、クレスチンは従来基準をパスしたが、丸山ワクチンは従来基準も新基準もパスできなかったことが明確に説明されている。 だから、「このクレスチンのときにとられたようなこと」と全く同じ対応では、丸山ワクチンを「条件つきで認可」することにはならない。 基準をパスしない以上、「条件つきで認可」するためには「このクレスチンのときにとられたようなこと」と全く違う特例の対応を取る必要がある。

安恒良一議員は「かなりの臨床実験、人体実験、動物実験等はたくさんされた中で、丸山ワクチンが副作用がない、そして免疫療法剤としても有効だというデータもたくさんある」と主張するが、第094回国会 衆議院 社会労働委員会 第20号等で明らかにされた情報によれば、「かなりの臨床実験、人体実験、動物実験」は何ら「免疫療法剤としても有効」を示していない。

○安恒良一君 そうすると、(1)(2)(3)は並行的にやると、こういうふうにお聞きをいたしました。 それから従来のデータも、これは不採用にしなくて採用し、さらに追加データに基づいてやる。

そういうことになりますと、それでどのくらいこれはかかるんでしょうか。 普通のように長々とこれを五年も六年もやられたんじゃたまったものじゃない。 いままでも相当かかってきているわけですから、できるだけ早くこういう点について、いまあなたがおっしゃったように、安全性の確認もされているし、副作用のないということも確認されているし、多くの臨床実験もあるわけですし、それから有効性があったというのもあるわけですから、そうしますと、そういつまでも何年も何年もまた(1)(2)(3)をやるのだからということになると、いろんなまたきな臭い話が出てくるといけませんので、ですから、そういう点については、いまあなたも言われたように、これらの問題をできるだけ早くデータを集めて、そして再度薬事審議会で議論をするということが私はきわめて必要だと思いますが、その点はどうですか。

○政府委員(持永和見君) 私どもの気持ちとしては、先生のおっしゃったような気持ちは持っております。 ただ問題は、ゼリア新薬工業側が試験研究を継続する、それから治験もゼリア新薬工業側の責任で行う、こういうことでございまして、こういった試験研究なり、治験の届け出あるいは試験研究の実施方法、そういった中身については、私どももきめ細かく相談をし、指導するとともに、これが推進が図られるよう積極的な指導をしてまいりたいと思っております。

○安恒良一君 私は、ゼリア工業側がと言われますけれども、あなたたちができるだけ早くこれの結論を持ちたいということの行政指導をする場合と、そうでない場合では、全然違ってくるんですよ。 普通、新薬の承認を得るのにはかなりの年数がかかっていますね。 その場合でも、局長以下担当課長が、これは国民のためになるから早く世に出したいというふうに思っていろいろアドバイスをする場合と、単に事務的に扱う場合では、全然違ってきます。 ですから、その限りにおいて、今回は異例の措置をしたんですから、法解釈から言うとかなり無理があることもやっているわけ。 ですから、そういう点についてはもちろんゼリア工業がやったり、臨床は臨床のお医者さんがやられることですが、いま私が言った気持ちを踏まえてやっていただけますね。

○政府委員(持永和見君) 先生のお気持ちを踏まえましてできるだけのアドバイスはいたしてまいりたいと考えております。

○安恒良一君 大臣、以上のようなことでございます。 本当にこれが治験薬じゃなくして治療薬として認められることを渇望している人が百万もおる。 しかも不思議なことには、薬事審議会でこれが待ったがかかった以降も、逆に使いたいという人がどんどんふえているんですよ。 本当なら待ったがかかりますと、使いたいという人が減るはずなんです。 ところが、逆に使いたいという人がどんどんふえているわけですから、このことをきちっと踏まえて、あなたたちは行政としてできるだけ親切な指導をされて、一日も早くこれが治療薬としてがんの治療に当たるように――これだけがオールマイティーじゃありませんけど、私はがんの治療薬というのはいろいろなのがあっていいと思うんです。 ただし副作用があっては困る。 副作用さえなければ――また場合によると、薬によると、いままでは副作用がある程度あっても、薬効が著しい場合には許可している薬もあるんです、率直なことを言ってですね、薬というのは、若干副作用は、残念ながら、特に化学薬品はつきがちなんですね、これはいいことじゃありませんが。 しかしそれでも薬効の方が高い場合には、いままでは許可していることがあるわけですから、そんなことも考えてぜひこれを一日も早く認可していただく。 それから完全認可ができない場合でも、ある段階までくれば条件つき認可というやり方もあるわけですから、それらを含めてひとつ前向きにこの問題について検討していただきたいということで、ちょっと大臣の所見を承ります。

○国務大臣(村山達雄君) まさに安垣委員御指摘のように、この丸山ワクチンというのは本当に前例のないように非常に普及してしまった。 そういう事実の上に今度の薬事審議会が持たれたわけでございます。 で、附帯意見もございますし、われわれといたしましても、患者のことを考えますと、できるだけ親切に相談に乗っていきたいという気持ちでございます。 そしてその成功を本当に心から祈っているものでございます。

参議院会議録情報 第095回国会 社会労働委員会 第3号

安恒良一議員は「多くの臨床実験もあるわけですし、それから有効性があったというのもある」と主張するが、第094回国会 衆議院 社会労働委員会 第20号等で明らかにされた情報によれば、「多くの臨床実験」は何ら「有効性があった」ことを示していない。

安恒良一議員は「あなたたちができるだけ早くこれの結論を持ちたいということの行政指導をする場合と、そうでない場合では、全然違ってくる」と主張する。 しかし、申請データが早く揃えられるかどうかは十分な被験者が集まるかどうか、そして、それによって良好なデータが取得できるかによってきまるものである。 安恒良一議員は、一体、誰にどのような行政指導をしろと言うのだろうか。

安恒良一議員は「いままでは副作用がある程度あっても、薬効が著しい場合には許可している薬もある」「薬効の方が高い場合には、いままでは許可していることがある」と主張する。 しかし、第094回国会 衆議院 社会労働委員会 第20号等で明らかにされた情報によれば、丸山ワクチンは何ら効果を証明していないのだから、「前向きにこの問題について検討して」も結論は変わりようがない。

○安恒良一君 成功を心から祈られるのも結構ですけど、祈るだけじゃだめなんですからね。 何回も私が言っているように、早くこれが治験薬から治療薬になるような、いい意味の行政的な指導ですね、そういうことをやっぱり積極的にやってほしいと、こういうことであります。

それからこれにかかわる問題として一つだけちょっとお聞きをしておきたいのですが、いわゆる二重盲検というのがございますね。 丸山ワクチンはこの二重盲検をされたのですが、私はこれを読んでみますと、東北大学病院で百五名、A群には丸山ワクチン、百七名、B群には生理食塩水、塩水のことですが、それを打たれて、もちろん制がん剤を併用されていることは事実でありますが、臨床実験をやられたようであります。 その結果はどういうふうになりましたでしょうか。 それから臨床実験の対象者になった患者はどういう患者なんでしょうか、それを聞かしてください。

○政府委員(持永和見君) 先生御指摘の臨床試験は東北大学の第三内科が行った臨床試験だと思いますが、この臨床試験は二重盲検試験という形で行いまして、 対象症例数は化学療法剤と丸山ワクチンを打ちましたのが百八十四例、それから化学療法剤と生理食塩液を打ちましたのが百七十九例で、解析対象例といたしましては、 先ほど申し上げました丸山ワクチンと化学療法剤、これを打ちましたのが百五例、それから化学療法剤と生理食塩液を打ちました症例数が百七例でございます。 これにつきましては、対象疾患といたしましては、各種消化器がん、胃がん、肝がん、胆嚢がん、あるいは肺がんの切除不能、あるいは術後再発患者、そういった人たちでございます。

で、結果でございますが、この結果につきまして申し上げますと、これは提出された資料から申し上げますが、提出された資料から申しますと、 S群、いわゆる丸山ワクチンを打ちましたものと、それからP群、生理食塩液を打ちましたものとの間でがんに対する腫瘍縮小効果、あるいは自覚症状、 そういったものについては両群における開差はございませんでしたが、生存率、延命効果、そういったものにおきまして、 丸山ワクチンの投与群は非投与群に比較しまして累積の生存率で五〇%の時点、五〇%の人たちが生き残っているという時点で二十日間程度の延長がございました。 それから治療開始後二百二十九日あるいは四百四十九日、こういった時点で丸山ワクチンを打ちました人たちの生存率は、統計的には有意であるというような報告がされております。

○安恒良一君 私は結果を聞いているのですがね。

結局、丸山ワクチンを打たれた方、私はこれをA群と呼んでいるんですが、結果として、A群の方は三名を残して全部死亡した。 それからB群は百七名全部が死亡したと聞いておりますが、それは間違いありませんか。 そして三%という数字が出てきているんですが、それも間違いありませんか。

○説明員(新田進治君) お答えいたします。

ただいま御案内の三%につきましては、私ども有効率について三%という数字を出したものではございません。 ただいま局長からも御説明いたしましたように、百五例の試験対象者の中で生存者が三名あったということでございます。

○安恒良一君 村山大臣、ちょっとお聞きしたいんですが、あなたは山崎局長から東北大学の結果はこれこれだということをお聞きになりましたか。

○国務大臣(村山達雄君) 聞いております。

○安恒良一君 そのときに生き残った人は三名だと、こういう報告だったんですか、それともいま言われているような詳しい中身をあなたはお聞きになったんでしょうか。 それを聞かせてください。

○国務大臣(村山達雄君) いまの話、それから三名、いろいろなことを聞きましたが、余り専門的なものだから忘れましたが、その三名についていま私が覚えておりますのは、申請ではそうであったけれども、結論において二人の方は末期がんでなかったといったしか判断だと思います。 それからもう一人の方が膵臓がんということで、そうじゃないんじゃないかという話がありましたが、それは、東北大学の臨床に当たった先生から、いやまさしく膵臓がんであったということで、調査会の方で後で改めてあれは膵臓がんであったということになったと思います。

参議院会議録情報 第095回国会 社会労働委員会 第3号

統計データの「三名」だけを抜き出して比較しても科学的には何の意味もない。

第094回国会 衆議院 社会労働委員会 第20号における、「東北大学の第三内科が行った臨床試験」についての桜井参考人の発言をまとまると次の通りである。

  • 「統計的には有意である」が「膵臓がんとか胆管がんとかいろいろなものが少数まじりまして、そのほかに肺がんも三例ほどまじっておるという集団」では層(がんの大分類、小分類、病期、治療歴等)のバラツキが多過ぎて信頼性に欠ける
  • 最も多い症例である胃がんについては、「後藤教授の申請書を拝見しますと、胃がんでは差はないという結論が申請書に書いてございました」
  • 胃がん以外の症例は少数過ぎて「あの数で、数だけの問題ではありませんけれども、あの実験のデザインの範囲では効くということは言えない」

以上の理由により「今度の試験の成績では有効性が確認されなかった」。 この試験に少数含まれているという膵臓がん、胆管がん、胆嚢がんは、いずれも平均的予後が非常に悪いとされるが、極まれに長期生存する人もいる。 また、国会答弁で指摘されたような慢性膵炎が膵臓がんと誤診される事例等があると、誤診例が長期生存例として報告される可能性もある。 これらの平均的予後が非常に悪い症例が含まれている場合は、その症例が全体の結果を大きく左右しかねない。 とくに、含まれる症例が少数である場合、長期生存例の振り分けの偏りが生じやすくなり、何の効果のない“治療”法であっても統計的な有意差が生じる可能性がある。 よって、層(がんの大分類、小分類、病期、治療歴等)別に統計を見るべきという判定は科学的に妥当である。

「後藤教授の申請書」においても、最も多い症例の「胃がんでは差はないという結論が申請書に書いてございました」ということであるので、この臨床試験では胃がんにおける効果の証明に失敗している。 他の症例は、数が少なすぎるゆえに、この臨床試験の結果では効果の証明にならない。 がんの治療薬に比較臨床試験を行った実績がない当時としては、良くやった方であるとは言えるのだろうが、薬効の科学的証拠としては全く足りていない。

これらの科学的説明が全く理解できないのであれば、敗者復活戦が設けられた事実に着目すればよかろう。 敗者復活戦まで新規に設けたという事実こそが、丸山ワクチンの審査に不正がなかったことを示す決定的な証拠である(丸山ワクチン関連国会議事録参照)。

○安恒良一君 二重盲検というのは、私は読んで字のごとく、患者とその家族は何をどうされているか全くわからない、主治医も看護婦も抗がん剤以外何を打っているのか全くわからない、こういう検査方法を二重盲検と言うんでしょうか。 私はそういうふうに聞いていますが、それは間違いありませんか。

○説明員(新田進治君) お答えいたします。

二重盲検試験法と申しますものは、現在臨床試験におきまして薬効を検定いたしますときに用いられる方法の一つでございまして、現在先進諸国では非常に権威のある試験方法の一つということで広く利用されておる方法でございます。

これは真の薬効以外の作用が薬には非常に多くつきまとうわけでございます。 たとえばプラセボ効果と申しまして、お医者さんから、この薬は非常によく効くよ、そういう一言で患者に対して心理的な影響が非常に大きいわけでございます。 そういうふうな心理的影響をできるだけ排除いたしまして、適正な薬の薬効を評価しよう、こういうことで客観的な評価方法ということでとられた新しい――新しいと申しますか、もう過去二十年ぐらい前からこの方法がとられております。

そういうことで、いま御案内の、たとえばどういう実験方法でやられたかということについての患者に対する説明はどの程度やられたかということについては、私も十分理解しておりませんが、そういうふうなことで、患者にできるだけそういう不安な条件を課さないということがあって患者に対して言われなかったこともあるのではないかと思います。

○安恒良一君 ぼくが聞いたことに的確に答えてください。

二重盲検方法なんか私は勉強した上で聞いている。 私が聞いていることは、これを東北大で現実に行う場合に――これは患者はもちろんのことですよ。 患者にがんですから何だかんだというばかはいないんですよ。 患者とか家族に中身が知らされてなかったんじゃないだろうか。 また実際に治療に当たる主治医も看護婦も抗がん剤を使っていることはわかる、以外のものについては何を使っているか知らさないでやっている方法が二重盲検というのではないでしょうかと聞いている。 あなたは専門でなければ、医務局長が来ているから答えなさい。 そういう方法ですか。 あなた専門でなかったら専門家が答えなさい。

○説明員(新田進治君) 患者に対する同意でございますが、治験の依頼をしようとする者が患者に対しましてどういう実験をやるかということは、原則的にこれは医師の倫理に基づいてやっておられるわけでございます。 御案内の治験に当たってどういう薬を使っているかということは、この二重盲検試験法によっては担当医師もそれから患者ももちろんそれは知らされておりません。 それは片方にコントローラーという実験全体をコントロールする医師がおりまして、そこで薬の割りつけをするわけでございます。

○安恒良一君 患者はもちろんです。 私が言っているのは家族のことも聞いているんですよ。 家族にはどうされていますかと聞いている。 いたずらに時間を取らさないでください何回も同じことを言わせないで。 患者、家族、主治医も看護婦も知らなかったんじゃないですか。 知っているなら知っているとか、それでいいんですよ。 どうですか。

○説明員(新田進治君) 薬事法によりまして、いま御案内の治験の依頼をしようとする場合には、治験の依頼先に対しまして治験の内容等を証明することが、たとえば患者さんに対して医療上好ましくないというような場合には、当然患者の家族、同意を得られる家族の方たちに同意を得るわけでございますが、そういう場合を除きましては、原則的に患者の同意を得るのを原則としております。

○安恒良一君 全くわからぬ、あなたの言っていることは。 わかりやすく言ってください、日本語でああでもない、こうでもないじゃ……。

大臣、ここはちょっと重要なところですからお聞きしたいんです。 まず、抗がん剤と食塩水を打っているんですよ。 だから私は、患者の同意というよりも最低限家族の同意は必要だと思いますね。 一方は抗がん剤と丸山ワクチンを打つ。 一方の患者群にはいわゆる食塩水と抗がん剤を打っているわけですね。 それで有効性を試している。 しかし患者はもちろんのこと家族も、がんで入院しているときには、抗がん剤を初め有効な薬を使ってくれるだろうと思っていますよ。 それが食塩水を片方はずっと打っていたというんですからね。 そんなことが家族の同意がなくてどうしてできるんですか。 どうも私どもの調べでは、家族の同意を得ないままやっているように聞いているわけです。 それだから盛んにそれを聞いている、すると、ああでもない、こうでもないと言う。 もちろん後藤教授がコントローラーになられたことも全部知っているんですよ。 その上で、主治医も知らなかった、看護婦も知らなかったということも知って、患者はもちろんのこと家族の同意も得られないで、いわゆるB群百七名の人には抗がん剤と食塩水が打たれておったということについて、私はいかに医学の実験とはいえ、せめてそういう場合には家族の皆さんには、こういうことをやりますよ、ということを言って同意を取るのがあたりまえだ。 それが私は医の倫理だと思う。 ところが、私のお聞きする範囲では、どうも家族の同意を得られていないように聞きます。

大臣、こういうことはどうなんでしょう。 いま申し上げたように、私は二重盲検法というものを否定しておりません。 またそういうものも医学の進歩のために必要だとも思っています。 しかし今回のこの措置をやられるときに、どちらにも抗がん剤を打たれていますが、一方は丸山ワクチンが使われている、一方は単なる食塩水を使ってやられた。 結果、食塩水を使われた方の方は全部亡くなっています。 片っ方の方は大臣がおっしゃったように三名助かっています。 ですから、私はそういう場合に――たとえば大臣でも私でも同じだと思いますね。 家内を入院させておった、たまたまがんになって、そんなことを私に相談せぬまま勝手にやったら、私は告訴しますよ。 食塩水と制がん剤を打ち続ける、私の家内は元気ですけれども、そういう事例がもしも起こったら私は抗議しますね。 告訴しますよ、裁判に持っていきますよ、私は。 今回のこの東北大学で行われました場合、どうも私どもは家族の同意も得られていないというふうに思いますが、その点どうなっていますか。

○説明員(新田進治君) 御案内の点につきまして、患者家族の同意が得られているかどうかにつきましては、私ども詳細に承知はしておりませんけれども、これは御指摘のように、当然のことながら、治療を実施する医師の医の倫理にもとる行為は絶対あってはならないというふうに私どもも考えておりますので、この点についての指導も十分今後やっていきたいと、かように考えております。

○安恒良一君 大臣、いまお聞きのとおりです。 そんなむちゃなことがあってどうですか。 知らないと言うんだ、わからないと言うんだ。 少なくともこれだけのたくさんの人の人体実験をやるときに、医の倫理として当然家族の同意を得なきゃならぬ、その上で始められてしかるべきだ。 こんな試験の方法は間違いですよ。 私はいわゆる二重盲検をやるということについてはいい、しかし最小限度家族のやっぱり同意を得なきゃいかぬと思うんです。 それが医の倫理だと思うんです。 ところが、いま連中はわからぬと言うんです。 調べないとわからぬと言うんです。 大臣、まず実態を調査してください。 一つは、家族の同意を得たかどうかということの実態調査。 それからいま一つお願いしておきたいのは、この患者の中に進行性胃がんその他いろいろがんもたくさんあったと思いますから、実験に使われました丸山ワクチンの百五名、それから百七名の人々がどんながんであったのか。 これも後から資料を下さい。 いまのではわかりません。 ここでやっておっては時間が長くなります。

特に私は大臣に調査してもらいたいのは、家族の同意が得てなかった場合には、私は医の倫理に違反することを後藤教授を初め東北大学はやったと思います。 こういう点について大臣から厳しく指摘するものは指摘していただかないとね。 私は医学、薬学の進歩のために必要に応じて人体実験もやむを得ない。 ただし、それはあくまでも本人ないし家族、ただし本人に知らせることがかえって悪い場合には家族の了解だけはきちっととってやるということが、私は古今東西を通じても医の倫理だと思う。 残念ながら今回はそれがやられてないように私どもの調査では思いますが、その点について大臣の考え方、これからどういう措置をされるのか聞かせてください。

○国務大臣(村山達雄君) 初めの方の丸山ワクチンを使った症例と、それから食塩水を使った症例につきましては、できるだけ整えまして後刻提出いたします。

それから食塩水を使って家族に知らさなかったんじゃないか、それは医の倫理に反するんじゃないか、そこの点でございますが、家族の同意を得たかどうか、その点はひとつ調べてみましょう。

ただ、私にはちょっとあれでございますが、二重盲検法でございますから、お医者さんもわからない、患者もわからない。 しかし恐らく、そういう治験をやっておりますから、診療機関はその計画を知っているわけでございますから、当然その病院として食塩水が有害であるかどうか、それからどの量がどうかという点は、十分吟味してやっているということはまず私は常識だろうと思います。 しかし先生がおっしゃるわけでございますので、家族の同意を得たかどうか、そういった点はよく調べてみたいと思っております。

参議院会議録情報 第095回国会 社会労働委員会 第3号

安恒良一議員が指摘するような「私どもの調べでは、家族の同意を得ないままやっている」「私のお聞きする範囲では、どうも家族の同意を得られていない」が本当であれば由々しき問題である。 ただし、それは「コントローラーという実験全体をコントロールする医師」や「担当医師」の責任である。 安恒良一議員は「知らないと言うんだ、わからないと言うんだ」が「そんなむちゃなこと」と主張しているが、その理由は全く不明である。 監督官庁はルールを守るように指導するが、ルール違反の有無を全て完全に把握することは不可能である。 不可能を実現しないことが、どうして、「そんなむちゃなこと」となるのだろうか。

既に説明した通り、統計データの「三名」だけを抜き出して比較しても科学的には何の意味もない。

○小平芳平君 次に、先ほどの丸山ワクチンの問題はいろいろ安恒理事から御指摘があったので繰り返しません。 それから丸山ワクチンのことについては私も何回かこの委員会で質問いたしたので繰り返しませんが、この丸山ワクチンは、先ほどのお話だと、要するに効き目があるかないかですね。 ほとんど効き目がないと。 まあ効き目がないから認可にならなかったわけでしょうけれども、しかし町で聞く話、あるいは安恒理事も指摘なさったように、かえって人数がふえている現状ですね。 そういう点はどう考えておられますか。

  〔委員長退席、理事安恒良一君着席〕

○政府委員(持永和見君) 丸山ワクチンの問題については、先ほども申し上げたと思いますけれども、申請者から提出された資料について、薬事審議会が医学的あるいは専門的な立場からいろいろと総合的に評価いたしまして、現在の段階では医薬品としての有効性は認められないということで、そういう結論になったわけでございます。 先生御指摘のように、確かにこの丸山ワクチンを使っておられる患者さんの数は相当な数に上がりますし、八月十四日の薬事審議会の答申以後その数がふえたんじゃないかというような話も私どもも聞いておりますけれども、現在の段階では、薬事審議会として総合的に評価をしました結果、有効性についてもう一つ問題があるんじゃないかというようなことで承認できないという答申が出されたというふうに理解するわけでございます。

参議院会議録情報 第095回国会 社会労働委員会 第3号

「かえって人数がふえている現状」等は、丸山ワクチンの承認の是非とは関係がない。

○小平芳平君 そういうふうに理解しているからこういう措置が、午前中説明があったような措置がとられているわけですが、週刊誌等でもあるいは新聞等でも、丸山ワクチンによって副作用があったということはないわけですね。

それはそうと、がんの薬は副作用があるわけですね、大部分のがんの薬は。 副作用があっても使うという、そういう制がん剤の中にあって、丸山ワクチンは副作用はないと丸山先生もはっきりおっしゃっている。 それで何となく腑に落ちないわけですね。

それから熱心に丸山ワクチンによってがんを制圧しようとしている患者さんがたくさんいるわけですね。 ですから、薬事審議会がこう決めたぞといっても、ああそうですか、じゃやめますという気が余り起きないわけですね。 どうですか。

○政府委員(持永和見君) 先生御指摘のように、がんに対する制がん剤、特に化学療法剤はいろいろな意味での副作用が強いかと思います。 ただ、医薬品というのは、有効性の問題と安全性の問題の両方の面から比較考量して医薬品の承認が決められるわけでございまして、副作用があるからすべてだめだというようなものでもございませんし、また安全であっても有効性において、医薬品としての有効性において欠けるところがあれば、これは薬事法の上にはっきりしておるわけでありますけれども、承認できない、こういうような規定になっておるわけでございまして、丸山ワクチンの場合には、先ほど来申し上げているように、有効性についていまのところそれが確認できない、こういうようなことでございますので、現在の段階で承認できない、こういうことになるかと思います。

ただ、先生最後にお話しになりましたように、現にたくさんの患者さんが使っておられるというようなことでございますので、そういう実態はわれわれとしては踏まえて、それに対応した措置はとっていきたいというふうに考えておるわけでございます。

○小平芳平君 厚生大臣が村山厚生大臣にかわったがために非常に手続がおかしくなったというようなことがどっかの記事にあったかと思いますが、厚生大臣としては、たくさんの方が使っていらっしゃる、かえって減らないということをどう思われますかね。

  〔理事安恒良一君退席、委員長着席〕

○国務大臣(村山達雄君) 丸山ワクチンというのは、世に出たときから普通の薬と非常に違いまして名前が知れる方が非常に早かった。 承認になる前に早く名前がとどろいていますし、そしてまた同じような薬で名前が消えたものもたくさんあるわけでございます。

一方、またがんの原因というものが究明されていない。 世界的に見ても、日本でも究明されていない。 それで、がんの化学療法剤にいたしましても、何にいたしましても、これを飲めば大丈夫だというところまではいかない、みんな相対的な関係にあるわけでございます。 そういう中で丸山ワクチンの再度の審査が行われたわけでございます。

ですから、一方におきまして、科学的にその有効性、これが証明されるということはやはり薬事法上必要であることはもう当然でございます。 残念ながら、出されたデータではそれが検証されなかったということでございますので、承認を与えることはもちろんできなかったわけでございます。 しかし、そういう非常に奥深いがんの問題でございますので、それだからといって、一朝一夕にこのとうとい研究というものを捨てていいということにはならぬわけでございますし、特に日本医大の丸山先生のところ、またゼリアも一生懸命に研究しておるわけでございますし、世の中に需要も多いわけでございますので、できるだけその事実を踏まえて、そしてさらに研究を重ね、そうして少しでもこの丸山ワクチンが将来りっぱな薬として世に出ることを望んでいるわけでございます。

これは別に丸山ワクチンだけではございませんけれども、厚生省といたしましては、りっぱな新薬が、どんどん研究をして、それは大変な研究費がかかることはわれわれ十分承知しておりますけれども、しかし製薬会社に社会的使命というものを感じていただいて、そしてりっぱな薬をどんどん出していただくということを私たちはこいねがっているものでございます。 そういう意味で、残念ながら承認を与えることはできませんでしたけれども、なお研究を続けてもらいたい。 同時にまた、飲んでおられる方もたくさんおられるわけでございますので、現行の薬事法の範囲内でその具体的な要求にどうこたえ得るかということで、私たちも乏しい知恵でございましたけれども、できるだけの対応をしたつもりでおるわけでございます。

参議院会議録情報 第095回国会 社会労働委員会 第3号

「大部分のがんの薬」が「副作用があっても使う」のは有効性が確認されているからである。 効果が証明されていない以上、「丸山ワクチンは副作用はない」としても承認されることはない。

○小平芳平君 大臣、そういうわけで認可にならなかったわけですが、薬事審議会の委員が大幅に入れかえになりますですね。 このことは丸山ワクチンが響いたということはないという説明もありますけれども、やはり丸山ワクチンの審議が響いたんだという見方もあるわけですね。 事実はどうでしょう。

○政府委員(持永和見君) 先ほども申し上げましたように、この十月の三十一日、この十月の末日がたまたま薬事審議会の二年という任期の期日に該当するわけでございます。 これもたまたまと申しますか、丸山ワクチンの薬事審議会の答申がことしの八月十四日というようなことでございましたんで、この結びつきがとやかく言われておるかと思いますけれども、厚生省といたしましては十月三十一日、今月末にきます薬事審議会の委員の改選に当たりましては、従来から国会でいろいろ御議論になったこと、あるいは従来からの閣議了解事項を適切に運用する、そういうような立場で委員の選任を行っているわけでございまして、八月と十月、たまたまそういう時期が同じような時期でございますけれども、これは直接関係はないことでございます。

参議院会議録情報 第095回国会 社会労働委員会 第3号

これは水掛け論で意味がない。

○小平芳平君 一つは局長にお尋ねしますが、この桜井座長はそのお話の中で、要するに少しでも他の薬に関係した人を不適とするなら委員になれる人はほとんどいなくなってしまうが、というようなことをおっしゃっておりますけれども、それは少しでも他の薬にというその表現が問題でありますけれども、厚生省としては従来とも、また今後とも大量に入れかえをする、それから八年ということで午前中御答弁のあったように区切りをつけるということで、十分それは可能だとお考えなんでしょうね。 そのことをお尋ねします。

それから厚生大臣に、そのようにして入れかわった立場で、丸山ワクチンも今後出てくる新薬も、そういうふうな入れかわった立場で論議していただきたいというふうに希望しますが、いかがでしょう。

○政府委員(持永和見君) 先生のお話のございました、同じような薬にかかわった人の云々というような問題でございますが、私が先ほど来申し上げておりますのは、国会の審議の過程で、自分の答案を自分で採点するのはいかがなものだろうかと、こういうような御意見がございました。 確かに自分の答案を自分で採点するということについて、従来薬事審議会としては、委員の間の慣例といたしまして、そういう場合には遠慮をしていくというようなことで運営を行ってまいりましたけれども、国会などの御議論もございまして、これをできれば今度開きます新しいメンバーによります総会にかけまして、運営規程、そういったきちんとした規則の中に、自分でデータを作成したりなんかした場合には、そのデータに関する医薬品については、審議あるいは議決に加われないというようなことを明確化いたしたいというふうに考えておるわけでございます。

先生御指摘の同じような薬にということになりますと、先ほど来も申し上げておりますように、医薬品の専門家の数というのは非常に限られておるわけでございまして、果たしてそこまで排除してしまった場合に議事運営ができるかどうか、そういった問題もございます。 できるだけ私どもとしては、関係者は排除するという形で公正な運営を期するというのが基本原則でございますけれども、片一方薬事審議会の議事運営という問題もございますので、そういった面をにらみながら、こういった問題については検討してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

○国務大臣(村山達雄君) 先ほどから業務局長が答えておるとおりに、今度薬事審議会のメンバーが大幅にかわるわけでございます。 その趣旨は、さっき業務局長が申しましたように、余り長いのはどうであるか、それからそういったことで少しでも世間に公正さを疑われるというようなことのないようにということでございまして、直接丸山ワクチンとは関係ないことは御答弁したとおりでございます。 また丸山ワクチンの審議自体も、私がずっと見ておりまして、少なくとも皆さんが一生懸命良心的にやっていただいたと確信いたしておるのでございます。 しかし、十月の末が任期でございますので、丸山ワクチンその他いま申請中のものがたくさんございますが、これはいずれ新しいメンバーによる委員会によって審議されることになることは事実でございます。

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当然のことならが、利益相反についてはクリアすることが望ましい。


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