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[代替医療]
序文
最近、「統合医療」なる耳慣れない言葉を聞くようになりました。結論から言えば、非常に疑わしい言い回しです。そのような言葉を使う人たちを信用すべきではないでしょう。なぜなら、研究が始まったばかりなのに改名する必要があるとは思えないからです。詐欺に利用しようとする以外は。
某学会
これを推進する学会の設立趣旨を引用してみましょう。
「そうした会議の中で、相補・代替医療を一歩前進させ、統合医療(Integrative Medicine)を目指そうとする意見が多くなってきています。」
これでは、まるで現代において「ワープ理論を一歩前進させよう」と言っているかのような話にしか聞こえません。「相補・代替医療」が証拠固めの段階であり、「一歩前進」の前に確立させることが先決でしょう。海のものとも山のものともつかぬ物を「一歩前進」なんて、妄想以外の何物でもありません。
「昨年9月にも、神戸において”伝統医療に関する世界会議”がWHOの主催で行われ、西洋医療と伝統医療を含めて統合医療を推進しようという議論がなされました。」
これでは、典型的な詐欺の文句に見えます。なぜなら、WHOの名前を出して、さも、WHOのお墨付きがあったかのように誤解を誘導しているからです。しかし、よく読むと「WHOの主催」した会議で「議論がなされ」ただけであって、その会議で受け入れられたのかどうかについては全く触れられていません。その後の動きの部分を読む限り、一部の人たちが「国際統合医療会議を発足させることを提案、2003年の開催を目標」としているだけであることから、「WHOの主催」した会議では受け入れられなかったと見るべきでしょう。そのような反主流派の「国際会議」であるならば「受け皿として、日本統合医療学会の設立が緊急に要請される」かどうかも疑問です。「受け皿」を既にある学会日本補完代替医療学会等が担ってはいけないとする理由も反主流派である以外には見あたりません。
そもそも、「受け皿」となる学会が必要となる以前から、日本補完代替医療学会等が検証作業を行っていこうと活動しているさなかで、わざわざ、彼らと違う道を選んで別団体(連合会議)を立ち上げなければならなかった理由が分かりません。日本補完代替医療学会の科学的なやり方が気に入らなかったのでしょうか。日本補完代替医療学会が否定する「超自然主義を唱えて科学的根拠のない治療法を押し付け、原始時代へ逆行する愚かなこと」をやりたかったのでしょうか。
近代西洋医療だけでは・・・
「統合医療」とセットで「近代西洋医療だけでは治せない症状もある」という言い方も聞きます。しかし、そう言うためには、「近代西洋医療」で治せないのに「近代西洋医療」以外で治せる疾病があることが前提となるはずです。少なくとも癌の分野において、そのような治療法が見つかったという話は聞いたことがありません。
こうした言い回しは、切り離されて行われている個々の療法に、それぞれ、治療効果が認められるか、あるいは、組み合わせることによって相乗効果が見込める場合にのみ使えるはずです。そうした効果の証拠固めもしないうちに、そのような言い回しが出来るはずがありません。むしろ、証拠固めを避けて通る口実のように聞こえます。
確かに西洋医学に限界はあります。しかし、それは西洋医学以外に効果があることを示しているわけではありません。研究対象を西洋医学以外に広く候補を募るのは治療の進歩のためと言えますが、だからと言って、非証明医療を実践に使うのは飛躍しすぎた考え方です。
似て非なる物に集学的医療がありますが、こちらは証明済みの医療のみについて、各分野の垣根を越えて総合的に使っていく療法です。非証明医療にまで頼ろうとする統合医療とは一線を画します。また、どうしても非証明医療に頼らなければならないとしても、それを東洋医学に限定する理由はありません。なぜなら、非証明医療は東洋医学の専売特許ではないからです。西洋医学にも、未検証の医薬品候補や治療法候補が多々あります。西洋医学の非証明医療には目もくれず、東洋医学の非証明医療だけを特別に贔屓にする理由はないはずです。にもかかわらず、東洋医学だけを特別扱いするなら、極めて不自然です。
欧米の統合医療
「代替医療」で検索すると、たまに信憑性の高い情報が得られる。しかし、「統合医療」で検索しても信憑性の高い情報は全く得られない。この手の用語は怪しげな業者達によって真っ先に輸入されるようである。
代替医療にも、極一部に過ぎないが、何らかの効果の実証された物がある[1]。しかし、偏見があり、代替医療だという理由で使われないケースもあるだろう。真の統合医療とは、そうした消極姿勢に対抗する考えらしい。決して、効果の疑わしい物を治療に使うことではない。
最終更新時間:2005年06月12日 03時50分24秒
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