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[医療制度]
医療制度の諸問題
総合的な問題点は医療制度研究会の日本の医療はこれでいいの?をご覧ください。
専門医不足
日本では、抗がん剤の専門医である腫瘍内科医を育成してこなかったため、腫瘍内科医が圧倒的に不足しています。また、放射線治療医も欧米に比べて少なく、患者の治療機会を狭めています。
未承認薬
欧米で使える薬の多くが、日本では未承認となっていて使えません。承認の遅れは大変深刻です。ただし、昭和55年通達の保発第51号「保険診療における医薬品の取扱いについて」によれば、次の全てに該当すれば適応外処方として保険診療で認められることになっています。
- 他の症例での製造承認を受けている
- 再審査期間(承認後6〜10年)を経過している
- その症例で世界的標準治療薬となっている
未承認薬の問題に対して、混合診療解禁論などの極論を持ち出す人も居ますが、それは根本的な解決策とはなりません。
診療報酬体系
効果の高い抗がん剤の多くは点滴で投与する注射薬です。これら注射薬の診療報酬は、薬価を除くと殆どありません。薬価は製薬会社の取り分のため、病院の収入にはなりません。人件費がかかる割に赤字になりやすいため敬遠される傾向にあります、そんな中で、薬価差益を出して経費を賄ったり、赤字覚悟で治療を行う病院だけが、注射薬を使用しています。
2002年度に三方一両損という訳の分からない理由で診療報酬が一律に切り下げられましたが、このことは必要経費を全く計算せずに診療報酬が決められている実態を暴露しました。必要経費と診療報酬を比較して切り下げを決めたなら、三方一両損などという理屈は成り立ちません。診療報酬が必要経費の実態に合わないなら、個々の項目毎に上げ下げを検討すべきであり、一律に引き下げることなど出来ないはずです。一律に引き下げるだけの大幅な余裕があったのなら、これまでの診療報酬が高すぎたことになり、必要経費を全く計算していないことになります。余裕がないのに無理矢理引き下げた場合も、必要経費を全く計算していません。結局、どう考えても必要経費が計算されていないことは明らかです。
病院を不当に儲けさせる必要はありません。しかし、赤字になるような診療報酬額になれば、赤字を削減したい病院は赤字になる診療を真っ先に切り捨てるでしょう。そして、それは、先の注射薬のように既に起こっていることです。かと言って、病院に大儲けさせる必要はありません。大事なことは、必要経費を計算して求めた適正価格にすることです。高すぎれば病院が不当に儲けることになりますが、安すぎれば患者の治療機会が奪われます。
がん予算
欧米に比べて、日本の癌研究に対する予算は少ないと言われています。
情報公開
米国国立がん研究所は全世界に向けて情報を公開しています。それに比べて日本の情報公開は遅れています。未だに、告知をタブー視する傾向も見られます。
患者不在
最大の問題は、これまでの医療制度が患者不在の場で決められてきたことです。欧米では患者団体が制度に大きく関与しています。日本でも、患者団体が頑張って、そうした現状を変えようとしています。少しずつ前進していますが、本格的な改革のためにはまだまだ多くの患者の声が必要です。
活動する患者団体
日本の医療制度を変えようと多くの仲間が頑張っています。その一例を紹介します。再度繰り返しますが、本格的な改革のためにはまだまだ多くの患者の声が必要です。
最終更新時間:2005年08月31日 19時36分08秒
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