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TV朝日サンデープロジェクト「がん治療を変えたい」

This is Japanese cancer treatment information data base.Please refrain from an unrelated contribution to cancer treatment information.

当サイトの情報も含めてインターネット上の情報を鵜呑みにしてはいけません。主治医に相談するなどの真偽の確認は閲覧者自身が行ってください。

[がん関係TV番組]

動画は【file:ISO-MPEG4/video:H.264/audio:AAC】です。対応したプレイヤー(QuickTimePlayer7以降,Video LAN Client,EnvivioTV,wmp4Player他)で再生してください。

概要

 取材

がんの相談室には、十分な治療を施されずに切り捨てられた人が多数相談に来る。平岩医師によれば、治療法はあるという。平岩療法ではない世界のスタンダードな治療法が。

 スタジオ

標準的な治療方法として京都大学大学院教授福島雅典氏も認める。

承認の遅れ

 取材

膵臓がんが再発し余命半年と宣告されたSさん。地元の医師からは、内臓には抗ガン剤が殆ど効かない、治療法はないと言われた。平岩医師は、Sさんに末期の膵臓がんの標準治療薬としてジェムザール(国内では日本イーライリリー社が製造販売しています。)があることを説明した。しかし、ジェムザールは肺がんの治療薬としてのみ承認されており膵臓がんに使用すると保険適用外であった。(放送当時。2001年4月に膵臓がんにも拡大承認が認められた。)保険診療の枠内で保険適用外の薬を使用すると、その薬は病院側の全額負担となるため敬遠されていたのである。(現在の制度では、一部経費の実費負担を患者に求める混合診療は違法となる。ただし、全額患者負担の自由診療は合法。)「月単位の闘いをしているのに年単位の承認では救われない。」

米国では1996年に抗ガン剤の認可は半年以内にすることが決められた。日本では厳密な審査が行われるため認可に時間がかかる。しかし、末期がん患者には認可を待っている時間はない。平岩医師は保険適用外の標準治療薬を使いつづけて病院に赤字を負わせ、勤務先をやめざるをえなくなった。現在は、いくつかの病院の空きベットを借りて診療を続けている。

 スタジオ

がん以外にも承認されていない薬が沢山あって承認が追いつかない。日本人のデータがないものは承認されなかったが、海外のデータでも承認されるようになった。FDAで承認されたものは一括承認するしかない。日本では、製造承認を出して、次に薬価収載で保険適用を認めるという二段階の制度になっている。申請のためのデータを揃えるのも大変である。まず、申請を受けてから承認審査をするが、なかなかメーカーが申請しない。海外の全ての抗ガン剤が承認されれば日本のメーカーは大きな打撃を受ける。ただ、それがすべての原因ではないだろう。

専門医の不足

 取材

大腸がんが肺と肝臓に転移し、酸素吸入器を付けて車椅子で運ばれてきたYさん。平岩医師は、大腸がんの標準治療薬の一つであるイリノテカンが、これまでに使われたかどうかを確認した。すると、イリノテカンは危険だからとの理由で、以前の病院では使われなかったという。イリノテカンは、国産の抗ガン剤である。しかし、発売後3年間に日本で5450人に投与されて42人が副作用で死亡した。(死亡率にして0.8%弱。番組では42人の副作用死の原因までは深く掘り下げていない。)そのため、日本では、イリノテカンは危険な薬とみなされて以後あまり使用されなくなった。一方、米国では、副作用はあるものの、有効性が認められ、危険な薬とはみなされていない。米国では、抗ガン剤は、その専門家である腫瘍内科医が投与している。しかし、日本には腫瘍内科医はほとんどいない。そのため、外科医が手術の延長上で抗ガン剤を投与している。だから、片手間で簡単な治療しか出来ない。

平岩医師も外科医であり、独学で抗がん剤を研究してきた。Yさんにはイリノテカンなど3つの抗ガン剤を併用する治療を説明した。平岩医師は、副作用の有無を確認し、それに応じて治療法を細かく変えて行く。Yさんは、副作用が出ず、45日間の治療でがんは小さくなり、ひとりで歩いて帰ることができるまで回復した。今後は、地元から通院するという。

 スタジオ

米国では1970年代から腫瘍内科医を系統的に養成してきた。日本では、臓器別の講座制の縦割りの教育であり、米国式の教育方法が輸入されなかった。がん治療に限らず救急医療等についても同様である。米国に比べて日本は遅れている。徹底的に変えなければならない。

副作用対策

 取材

副作用の嘔吐と吐き気と食欲不振に耐えられず、抗ガン剤治療を断念したKさん。入院していた病院では副作用は軽い方だといわれた。しかし、平岩医師によれば、副作用対策をすれば、ほとんどの人は副作用に苦しむことはないという。その対策の一つは、ホルモン治療薬であるヒスロンHを服用することである。これにより、吐き気を止め食欲を防止する。欧米では広く使われている治療であるが、日本ではそのための使用は認められていない。もうひとつの対策は治療時間にある。深夜に濃くなって4時ごろ薄くなって明け方にゼロになるというように投与量を時刻に合わせて調節することで、抗ガン剤の効果を高め、副作用を抑えることができるという。この治療法は日本ではあまり知られていない。ある病院で始めたところ看護婦の反対にあって中止せざるをえなくなったという。Kさんは、翌朝、おいしそうに朝食を取っていた。

 スタジオ

日本の医師も勉強すれば同様の治療は可能である。そのためには教育制度改革が必要だ。

患者の運動

 取材

Kさんは集会に出て、患者自身ががん治療を変えて行く必要があると訴えた。Sさんもホームページを立ち上げて署名運動を始めた。

 スタジオ

エイズ患者は熱心なので抗エイズ薬で日本で使えないものはない。がん患者も積極的に訴える必要がある。

最終更新時間:2006年08月08日 15時57分15秒

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